休むもまた相場なり【2013年 第7回】

【2013年 第7回 休むもまた相場なり】投資の格言から学ぶ 株式投資

松山 智彦⇒プロフィール

売り買いばかりが相場ではなく、休んで静観する事も相場であるという意味です。

 

 

 

 

「手を打たない」という手を打つ

あるサッカー漫画で悪い戦況の時のヘッドコーチと監督のひとコマ。

「監督、このままではやられてしまいます。何か手を打ちましょう。」

「静観するというのは手の打っていると言わないのかい、コーチ。」

この監督は、悪い戦況でも流れは変わるもの。動くタイミングはもう少し後だと踏んでいました。だから敢えて静観していたのです。

 

株式投資の世界においても同じ事が言えます。良い相場、悪い相場は永遠には続きません。いつか潮目の変わる時が来ます。しかし、潮目は見つけにくいものです。そんな時に、売り買いを一旦離れて、潮目を確認する事も大切です。

 

休む理由はもうひとつあります。相場と同じように、人の相場観というのは当たり続ける(外れ続ける)ものではありません。人はとかく、熱くなりがちです。特に一方的なトレンドが続いている時や、負け(勝ち)が続いている時は、いつもの相場観や投資理念を忘れがちです。そのために一度、休んで冷却期間をおく事も大切です。

 休んでも利益を得る?

この格言の休むとは、ポジションをゼロにして相場を遠くから眺める、という意味と私は解釈しています。しかし、ポジションをゼロにせす、売買だけを休むという解釈もあるようです。

 

その場合(現物取引の場合)でも、株価は動いているので、上昇トレンドを描いていれば“含み益“や配当などの利益が得られます。裏を返せば下落トレンドの時は”含み損”を抱える事もあり得ます。そういう時はさすがに休まず、手を打つ必要があるかもしれません。

因みに、現物取引ではなく、信用取引の場合、逆張り(この場合は売り建て)すれば下落トレンドでも利益を得る事が可能です。

つまり、休みといっても、相場をチェックする事は欠かしてはいけません。

銘柄選びのポイント

休むのだから、銘柄選びという事は特にないのですが、休んでいる時こそ、色々な銘柄を探してみたり、経済情報や企業情報を収集して、次の取引への準備期間として捉えましょう。売買をしている時、銘柄を保有している時は、なかなか相場や自分を客観視する事は難しいものです。相場を離れて、冷静な気持ちで分析をするのも相場だとこの格言は言っています。

この格言は「買うべし、売るべし、休むべし」とも言います。

本日のポイント

「信用取引」:保証金を証券会社に差入れ、投資資金や株式を借りて売買する取引の事。株券を借りて売買する事で、下落トレンドの時も「売り→買い」という順序で利益を上げる事ができる。

「ポジション」:現在保有している株式(の所得価格)。信用取引においては建玉ともいう。

「順張り(逆張り)」:上昇トレンドまたは一般的な相場観に合わせて取引する事。逆張りは下落トレンドまたは一般的な相場観と反対の相場観を持って取引すること。
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