ねんきん定期便の重要ポイント【2011年 第1回】

【2011年 第1回】ねんきん定期便の重要ポイント ~社会保険(労働保険)~

菅野 美和子(スガノ ミワコ) ⇒プロフィール

2年分の定期便を比較してみよう! ねんきん定期便も2年目。12月生まれまでの人は、定期便を2回、受け取っていることと思います。
ここで、2年分の定期便を比べてみましょう。いろいろな発見がありますよ!思わぬ勘違いがみつかるかもしれません。

ねんきん定期便には、50歳未満の人用、50歳以上の人用、年金受給者用の3種類があります。年金受給者用以外の定期便には、年金見込額が書いてあります。
ここで、1回目の定期便と2回目の定期便の見込額を比較してみましょう。

まず、50歳未満の人。

厚生年金加入の人や、国民年金の保険料を納付している人、免除されている人は、見込額が増えていますね。
国民年金保険料を免除されている人も、増え方は少ないですが、年金額は増えます。
50歳未満の人の定期便では、実績にもとづく見込額が記載されます。毎年、年金額が増えていくことを実感できます。

ただし、老後の年金は、原則25年の受給資格期間を満たしてこそ受け取れるもの。1ヵ月でも欠ければ年金額はゼロです。見込額は保障された金額ではありません。

次に50歳以上の人。

1回目の定期便と2年目の定期便の見込み額を比べてみると、見込額は、
同じ、少ししか増えていない、減っている
のうち、いずれかですね。

毎年保険料を払っていれば増えていくはずの年金が、ほとんど増えていなかったり、逆に減っていたりすると、間違いではないかと思いたくなります。
しかし、間違いではありません。

早期退職すると減る見込額

50歳以上の人の見込額は、60歳になるまで、現在の年金制度に同じ条件で加入した場合の見込額です。60歳到達時点での見込額です。
50歳の人も、55歳の人も、59歳の人も、60歳まで現在の年金制度に加入したと仮定して計算した見込み額です。
ですから、昨年と比較して、給料が下がる、ボーナスが減額された、会社を辞めた、国民年金の保険料を免除にしたとなると、見込額は下がります。
早期退職すれば、年金見込額も減るということを理解してください。

これだけ年金がもらえるのであれば十分だ考えて60歳未満で退職すると、思ったより少ない年金に、こんなはずではなかったと後悔するかもしれません。

国民年金保険料を免除する場合も同様です。
これまできちんと納付してきた人が、今後免除制度を利用すると、見込額も下がります。
見込額は保障された額ではないということをしっかり理解し、定期便をみてください。

50歳に年金額が下がる?

また、「50歳になったとたん、年金額が大幅にさがってしまった、間違いではないか」というお問い合わせもよくあります。
この原因は厚生年金基金です。
厚生年金基金に加入している人は、50歳になるまでは、基金からの年金も含めた金額(プラスアルファ分は入っていませんが)、50歳以上は基金からの年金を除いた金額となっています。
記載されている年金額の内容が異なります。年金が減ってしまったということではありません。

ねんきん定期便が届くようになり、年金額についてはわかりやすくなりました。
ただし、記載されている内容を理解しておかないと間違いのもと。

2年分の定期便を比べて、自分の年金額について確認してください。これからの計画をたてるときに役に立ちますよ。

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