「1000円で高速乗り放題」の使い方は?【2009年 第 3 回】

【 2009年 第 3 回】1000円で高速乗り放題」の使い方は? エコライフ

 江口 久美子(エグチ クミコ)

3月28日(土)から2年間、普通車以下を対象に土日祝日のみ、東京と大阪近郊区間を除く地方の高速道路が全時間帯上限1000円で乗り放題となります(1000円未満の区間は5割引、平日は3/30より全車種3割引となります)。

首都高や阪神高速も700円から500円となり(首都高は土曜日を除く)、東京湾アクアラインや本州四国連絡高速道路の料金も3/20(金・祝日)から1000円へと引き下げになります。

極端に言うと、鹿児島県~青森県までの高速代が1000円でいくことも可能になるんですね。「高速が1000円で乗り放題に」・・・初めて耳にしたときは、こんなに早く実現するとは思っていませんでした。

これらの高速道路引き下げ施策による国の債務規模は5000億円だそうで、これを聞くとちょっと微妙な気もしますが消費者にとっては嬉しい対策ですよね。

システム不備による料金二重徴収に注意

地方の高速道路では、ETCを搭載すると3月28日から1000円で乗り放題となりますが、首都高速や阪神高速を使う場合には注意が必要です。

3月28日のスタートにシステム改修が追いつかず、首都高速と阪神高速周辺区間を乗り継いで再び高速道路を走行する場合は一番初めに入った高速道路と、首都圏を過ぎて乗り継いだ高速道路の2カ所でそれぞれ千円を徴収されてしまいます。

4月29日以降は完全にシステムが整うようですが、大都市周辺の高速を使う場合は注意が必要です。場合によってはETCを使わないほうが安くすむこともあるかもしれません。

ETC新規導入助成金5,250円を受けるには?

この割引を受けるにはETCの導入が必要です。新規でETCを導入すると、1台あたり税込み5,250円の助成金が出ることも決まりましたがいくつかの要件があります。

1.助成金を受けられる取扱店は限られている
ETCを新規導入した人は誰でも助成金を受けられるわけではなく、助成取扱店で取り付けをした場合のみ摘要されます。取扱店以外でも見積もりをとって総額で比較するとよいでしょう。

全国の助成取扱店は(財)高速道路交流推進財団のホームページで確認できます。

2. 2年以上の期間、2回以上の支払い回数、アンケートの回答が必要
支払い方法や契約条件は取扱店によって異なるようですが、導入費用の総額から助成金5,250円を割引した残額を、2年以上の契約期間で2回以上の分割かリース契約をしなければなりません。

一括での購入の場合は助成金の割引を受けることができなくなります。また、簡単なアンケートに答えなければなりません。

3. 助成期間は3/12(木)から3/31(火)まで
ずいぶんと短い期間ですが4月以降の継続も検討中のようです。ETCを新規で導入しようと思っている方は早めに準備したほうがよさそうですね。

ETCカードの選び方

1000円で乗り放題の割引を受けるには、ETCカードも必要です。ETC本体の取付けは即日でできますが、ETCカードは発行するまでに時間がかかります。

ETCカードにはいくつか種類がありますが、今回はETCクレジットカードとETCパーソナルカードの2つをご紹介します。

<ETCクレジットカード(クレジットカード+ETCカードの2枚発行)>

ETCクレジットカード(子カード)は、発行に対応するクレジットカード(親カード)を持つ必要があります。通常は同一の会社よりクレジットカード・ETCカードの2枚が別々に発行され、ETC利用分の支払いは親カードのクレジットカードで支払うことになります。

ポイントを貯めるなどの特典がつきますが、通常のクレジットカードと同様に契約するには審査が必要です。

<ETCパーソナルカード(ETCカードのみ発行)>

ETCパーソナルカードは、クレジットカードを作らずにETCカードのみを発行したものです。通常クレジットカードの発行に必要な審査に代わりに、デポジット(預託金)を預託することで発行できます。

クレジットカードを持ちたくない方や、審査が通らなかった方もETCの利用が可能です。ただし、ポイントなどの特典はつきません。
クレジットカードの支払いをきちんと管理できるのであれば、ETCクレジットカードの方がおトク度は高いようですね。

高速道路の値下げに対抗して電車の割引も

高速道路の値下げに対抗して、JR西日本は3/10から山陽新幹線「こだま」の指定席往復運賃を大幅に割引した特別切符の売り出しを始めました。

切符の名前は「こだま指定席往復きっぷ」。使用期間は3/14から6/30までで、2人以上での同一区間の購入が条件です。運賃・料金が最大で4割程度安くなります。対象は「こだま」で3時間程度かかる区間になります。

さらに、提携するレンタカーを24時間2000円の特別料金(ゴールデンウイーク期間は除く)で借りることもできて、家族旅行が半額以下になるケースもあります。
このきっぷが使えるのは6/30までですが、この先も高速道路値下げに対抗していろんな割引きっぷが発売されるのではないかと思います。

ETC搭載車で高速料金は1000円ですんでも、渋滞で旅行中のほとんどを車の中で過ごしてしまっては意味がなくなってしまうので、高速と電車を上手に使い分けて快適な旅行ができるといいですね。

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