最近の金融商品 ETFとETN【2012年 第5回】

【2012年 第5回】 最近の金融商品 ETFとETN ケース別コラム – 経済統計から考える資産運用

有田 宏 (アリタ ヒロシ)⇒ プロフィール

 

ETFの商品構成も多様化。今までの様な初心者向けとは必ずしも言い切れない商品も出てきました。また新たにETNという商品も。ここで大まかな特徴を抑えてみましょう。

 

 

 

ETFとは?

ETFの歴史、1995年に日経300株価指数連動型上場投信が上場されて17年が経過しました。証券会社の収益等を勘案した販売姿勢の問題もあるかもしれませんが、投資家への普及はまだまだ低いようです。投資家は自分で商品を選択することは苦手で、金融機関のいわゆるお薦め(?)商品を購入する傾向が強いようです。どちらにしても投資の結果は自己責任になるわけですが。

一方、ETFの商品構成は劇的に多様化しています。当初は日経平均とTOPIXに連動する商品のみでしたが、今は新興企業株、小型株、外国株、外国債券、外国通貨、デリバティブ、資源や穀物などの商品などに拡充しています。

いまだに現れていないのは日本債券型ですが、これはそのまま長期国債を購入しておけば、残りはETFのみで効果的なポートフォリオを低いコストで組み立てることも可能です。もちろん日本国債が今後とも安全であるという仮定の下でですが。私としては日本の低格付け債券を対象としたETFも面白いと思います。これは投資家の運用の多様性ばかりではなく、低格付け債市場の充実を通して新興企業の資金調達の多様化を計ることにより、日本経済の活性化に大きく寄与すると思うのですが。

さて、商品が拡充されると、複雑な仕組みの商品が出回るのが世の常。投資の初心者に向いている、と言われているETFですが、“とてもじゃないが初心者には理解困難”な商品も有ります。複雑な仕組みになるのはそれなりに理由があります。“通貨選択型投信”のように、商品の設計意図が投資家にとっては意味不明という商品は少ないですが。

今回はその中でも特に注意を要するリンク債型、OTCスワップ型、そして厳密にはETFではないですが、ETFの弟分(?)にあたるETNについて記してみます。

1.リンク債型

ETFは原則として株券や商品などへ直接或はファンドなどを通じて間接的に投資をしています。現物の裏付けがあります。ETFの中でもリンク債型はこれとは違います。投資先は金融機関が発行する特定の指数と連動する債券を投資対象としています。現物の裏付けがありません。一般的なETFと投資信託は、関与している金融機関等が破綻したとしても影響はありませんが、こちらは債券を発行している金融機関が破たんした場合は影響があります。

2、OTCスワップ型

ETFの純資産の変動と対象指数に変動が一致しない場合があります。それを回避するために特定の金融機関との間で、ETFの純資産と対象指数の変動を交換(スワップ)する契約を結んでおき、指数に一致させるものです。純資産と指数の差は金融機関が保証しますが、金融機関が破たんした場合にはそれは難しくなります。

3.ETN

ETFはExchange Traded Fund。ETNはExchange Traded Note。ETFは特定の指数に連動するファンドですがETNは特定の指数に連動する債券です。簡単に言えば1のリンク債に投資家が直接投資をするものです。という事は当然現物の裏付けは無く、債券を発行している金融機関の信用リスクを直接被ります。それとETNは債券という特性上、満期があります。償還日には注意してください。

以上の内容を次の表にまとめてみました。

以上の1~3までのような仕組みがなぜ出来たのか?そうせざる負えない事情が考えられます。投資対象の市場規模です。市場規模が小さい場合、投資資金がはいりこむといわゆる“小さな池に鯨が入り込む”状態となり運用が困難となります。以前ニュージーランドドルに日本からの投資資金が大量に入り込み運用が困難になったことがありました。そこで実物資産に投資をせずに、金融機関の債券を購入し、利益を金融機関に保証してもらう契約を結べば実物の市場は影響を被らないわけです。その代り相手の金融機関が破綻すれば約束は履行できなくなりますが。

ETNはきちんと商品名に明示されていますが、リンク債型とOTCスワップ型はなかなか分かりにくいのが現状です。同種の指数を対象としている者でも、銘柄により現物に投資するタイプとリンク債に投資するタイプがある場合があります。目論見書等を確認の上それぞれの特徴を把握してください。

 

 

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