入院・外来患者数から分かる罹患リスク 【2016年 第2回】

【2016年 第2回 入院・外来患者数から分かる罹患リスク】生命保険を考える時に絶対役立つ情報!

 松浦 建二(マツウラ ケンジ)⇒ プロフィール

 

どこの保険会社でも医療保険やがん保険等のパンフレットでは、保障の必要性をわかりやすくしたり保障内容を選びやすくしたりするために、いろいろな統計を使って説明しています。
どれも保障を考える上でとても役立つ情報なので、その中から特に重要な統計を取り上げ、さらに詳しくみていきたいと思います。

 

 

 

1月のコラム「入院日数の推移や疾病ごとの違い」では、厚生労働省「患者調査」の調査結果から病気やケガで入院したときの平均入院(在院)日数を取り上げましたが、今回は傷病や年齢ごとの入院患者数と外来患者数についてみていきます。
患者数を知れば将来の罹患リスクをイメージでき、備えの必要性を感じることができるかと思います。

 

入院患者数は131万人で徐々に減ってきている

下記の表は主な傷病の入院患者数を3年毎に平成8年から平成26年までまとめたものです。
平成26年の患者総数は1,318,800人で、9年前から1割(144,000人)減っています。
傷病別でも患者数の多い「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(165,800人)」や「脳血管疾患(159,400人)」「悪性新生物(129,400人)」等はいずれも減ってきています。
ただ、中には「肺炎」や「骨折」のように患者数が増えている傷病もあります。

 

外来患者数は723万人で横ばい

次に外来患者数をみてみます。
平成26年の外来患者数は7,238,400人で同年入院患者数の5.5倍であり、増えたり減ったりしながら700万人前後を横ばいに推移しています。
傷病別では「高血圧性疾患(671,400人)」や「脊柱障害(454,700人)」「糖尿病(222,300人)」等は以前から多いですが、「心疾患」や「脳血管疾患」は平成8年に比べたら大幅に減っています。

 

がんは入院せずに通院で治す時代へ!

主な傷病の患者数をみてきましたが、その中で「がん(悪性新生物)」に特徴的な傾向がみられます。

 

以前は外来患者数よりも入院患者数の方が多く、平成14年では入院患者139,400人に対し通院患者は119,700人で、外来患者数の総患者数に対する割合は46%でしたが、平成20年の調査から逆転して、平成26年では入院患者129,400人に対し外来患者は171,400人と、全体の57%が外来患者となっています。
がんの治療方法が時代と共に変わってきていると言えそうです。

 

40歳代の入院受療率は平均の半分以下

最後は入院と外来の受療率について、ひとつのグラフにまとめてみました。
受療率とは簡単に言えば入院・外来する確率のことで、推計患者数を人口10 万人に対して何人いるかで表しています。
入院の受療率は全年齢では1,038人で、100人に1人の割合と言えますが、年齢階級別にみていくと最も低い5~9歳と10~14歳は僅か92人となっています。
40~44歳(330人)や45~49歳(427人)の受療率は全年齢平均の半分以下しかなく、60~64歳(1064人)で平均を超え、90歳以上(8,412人)が最も高い受療率となっています。
外来の受療率は全年齢では5,696人で、入院と比較して4歳までの受療率がやや高いことや、80~84歳(12,606人)の受療率が最も高いところ等に違いがみられます。

 

患者調査の結果からは、入院患者数は全体的には減る傾向にあり、がんのように入院から外来へ治療方法が変わってきている場合もあることが読み取れます。
受療率は世代によって大きく異なることがわかります。
これらのデータを踏まえ、罹患リスクから医療保険の保障内容を考える場合には、高齢になった時の備えや通院(外来)の保障を重視した内容にすると、より効率良く保障を確保できるかもしれません。

 

しかし、調査結果はあくまで確率的な話であり、若いうちは備えが要らないわけではありません。
健康でないと加入できない保険も多いので、いつでも安心できる備えを確保しておきましょう!

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