投資信託の基礎6 ~ETFについて~ 【2015年 第8回】

【2015年 第8回 投資信託の基礎6 ~ETFについて~】インフレに備えて 基礎から学ぶ 投資信託

恩田 雅之(オンダ マサユキ)

ETF(Exchange Traded Funds)の略になります。
日本語では、上場投資信託と訳されています。
証券取引所に上場し、TOPIXや日経225等の株価指数への連動を目指す投資信託になります。
また、日銀による異次元金融緩和による株式市場への資金供給にもETFが活用されています。

 

 

はじめに

ETFは、運用方法が一般のインデックス型投資信託に近く、投資家の売買方法は上場株式と同じように指値注文や成行注文、

信用取引が行えます。

以下、その仕組み一般の投資信託との違い等についてみていきます。

ETFの仕組みについて

ETFの運用の仕組みは、「現物拠出型ETF」と現物拠出によらない「リンク債型ETF」の2つがあります。

 

現物拠出型ETFの仕組みは、現物株を大量に保有している機関投資家や証券会社等(以下:指定参加者)が市場で株式を買付け、運用会社にまとまった種類(銘柄)の現物株を拠出します。運用会社は拠出された現物株をもとにETFを設定し、指定参加者に受益証券を発行します。

この発行された受益証券が証券取引所に上場されます。一般の投資家は、この上場された受益証券の売買を行います。

例えば、まとまった種類(銘柄)の現物株が日経225銘柄で構成されていれば、日経225に連動した動きをします。

 

リンク債型は、指標など価格が連動する債券(リンク債)により、ある指数に連動したETFを作成します。指定参加者からの現物株拠出が難しい場合にこの仕組みが使われます。

 

リートの主なリスク

リートの主なリスクとしては、

1.空室率や賃料の変動によりリートの価額が変動する価格変動リスク。

2.金利の上昇により利子負担が増える金利変動リスク。

3.金利上昇に伴う債券利回りの上昇により、リートから債券への投資資金が流れ、リートの価

額が下落するリスク。

4.地震や洪水、火災等による災害リスク

等があります。

ETFと一般的な投資信託の違い

ETFと一般的な投資信託の違いは、<表1>のようになります。

 

 

 

 

 

 

次に、<表1>を参考にETF投資のメリットと注意点についてみていきます。

ETFのメリット

一般的な投資信託に比べて、信託報酬率が低い点です。

信託報酬は保有期間中に掛かるコストになります。

例えば、年率1.5%A投信、0.2%B投信の信託報酬率を比べた場合、

A投信「1.5%×10年=15%」

B投信「0.2%×10年=2%」

になります。信託報酬率は、運用利回りを引き下げる要因になります。

長期で運用を考える場合に注目すべきコストであり、運用商品の選択により投資家自身がコントロールできるコストでもあります。

ETFに投資する時の注意点

主な注意点としては2つあります。

1.購入窓口は、証券会社に限定されます。NISA口座でのETF運用を考えている場合は、口座開設時に注意をしましょう。

2.一般的なETFの最低投資額は、株式と同じように「買付時の時価×単位口数」になります。

例えば、単位口数が100口のETFでは、購入時の時価が1,000円の場合

1,000円×100口=100,000円+手数料 が最低投資額になります。

単位口数は1口、10口、100口などETFの銘柄により異なります。

単位口数の関係で、毎月一定の金額を投資する方法(ドルコスト平均法)については、一般の投資信託に比べ、やりづらい面があります。

まとめ

ETFは、株価指数(TOPIX、日経平均)に連動するタイプ以外に、REITや米国のNYダウ、新興国の株式指標、金や石油等商品市況に連動するタイプ等様々な種類があり、グローバルな分散投資する時に組み入れるアセット(資産)の1つとして活用することもできます。

以上、「ETFの仕組み」「ETFと一般的な投資信託との違い」「ETFのメリットと注意点」についてみてきました。

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