お年寄りが多いと大変かも 地方の懐(ふところ)事情【2013年 第6回】

【2013年 第6回 お年寄りが多いと大変かも 地方の懐(ふところ)事情】
田舎暮らしを始めてみたら

西谷 由美子⇒プロフィール

政治の世界の「地方主権」、権限の委譲がすすむのは地域にあった政策が実施されていいのですが、その裏付けとなる「オ・カ・ネ」のほうはどうなるのでしょうか?景気回復が本当に必要だという気になります。

 

 

 

 

 

円安、株高が進みましたね

円安、株高が進みましたね。おかげで私の「塩漬け投資信託」、分配金が出るタイプは、とうとう納税者に復活できました。

 

ご存じでしょうが、投資信託は買った時より価格が下がると、分配金から税金が差し引かれないんですよね。いやぁ~、長い道のりでしたがおめでとうございます、「私も国や地方公共団体もおめでとう」な気分であります。

 

これで少しは地元に貢献できるな~、と思っていたところに市役所からの広報誌。たまたま今年度の予算やらなにやら、タイムリーに気になる記事が掲載されておりました。

わが市はご多分にもれず、「三割自治」状態。災害復興のために昨年度より一般会計総額は前年より約21億円増えてはおりますが、総額402億円のうちの自主財源は28.7%の、約115億円。70%強が依存財源と呼ばれる、国や県からのお金(補助金等)や市債(借金)となります。

つい先年、工場の誘致に成功したという明るい話題もなくはないのですが、農業や林業の衰退、不景気による企業の廃業や撤退などがあり、先行きの税収増は簡単にはいきそうにありません。さらに追い打ちをかけるように、合併による財政上の優遇措置もまもなく期限となり、平成27年度には10億円近い歳入不足が発生するかも、という試算も。

歳出面で見ると最大の割合を占めるのが、障がい者・高齢者に対する福祉や子育て支援に支出される民生費が112億円の28%です。気になって市の統計資料を見ると、福祉関連の支出は特別会計も含めると、平成20年度は880億円だったのが922億、1,000億と毎年増加しています。

ちなみにわが市の高齢化率は新しい数字では、およそ29%。さすがに全国平均より高いけれど、県の南部、東部よりは低い数字となります。とはいえ、毎年増え続ける高齢者、そして高齢者が利用する介護保険。利用者増加は当然保険給付も増加し、それにつれて保険料を引き上げなければならない状態へと移行しちゃいますよね。

少子化対策としてわが市の乳幼児医療費の助成は、昨年より通院の助成対象が中学生にまで広がっています。お年寄りだけではなく、将来のある若い人への助成にも乗り出したことは素晴らしいのですが、将来不足が考えられる財源については「税などの徴収率の向上、使用料・手数料の見直し、人件費や公債などを含む歳出全般の抑制(市議会での市長答弁より)」がメインとなっております。う~ん、こうなると景気回復による税収の増加は必須ですね。

また、後期高齢者医療保険は県単位ですが、介護保険や国民健康保険は市町村単位。平成の大合併が、運営に支障が出ないような一定規模以上の地方公共団体への移行をめざすという意味もあったのを思い出します。

ところで、現内閣では道州制について夏までに意見をとりまとめ、推進に勢いをつけようとしていますが、自民党、全国知事会、市町村長会などは慎重あるいは反対の意見が大勢という状態です。

改革はずーっと先の事だとばかり思っていたのですが。市町村単位は残るけれど、県がなくなり幾つかの県が合併して道あるいは州を形成するというのが今考えられている道州制の形。県境が無くなり九州とか四国のような大きな地域が一つにまとまる、というものです。

 

保険で言う「大数の法則」が生かされて、たくさんの参加者で運営していく医療や介護の保険が可能になるので、今迄ほど地域の格差が無くなり保険料にも余裕が出るかも?また今後遠くない将来に襲ってくるかもしれないと言われている大地震の対策も広域で検討できるのは良いことかもしれませんね。

 

けれど、過去の税源移譲と交付金や補助金の削減の関係を考えると、ずいぶんと地方には金銭的に厳しい内容で進んできました。この点をあげて首長の多くが「もっと検討する時間が必要」と言うのもうなずける気がします。

 

思うに随分と政治主導で進んでいる道州制の導入。直接にかかわる私たち地域住民は、まず何も知らない、知らされていない。地方で進む高齢化にどう影響するのか、メリットデメリットは何があるのか。主権を持つ国民がよ~く勉強して政治に反映させていかねばならない、、、という気持ちにさせられた今日この頃であります。

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