こうして私は田舎の人になった【2013年 第1回】

【2013年 第1回 こうして私は田舎の人になった】田舎暮らしを始めてみたら

西谷 由美子⇒プロフィール

定年後には田舎に移住してとか、都会を離れて農業をやってみたい、、、という話をよく聞く昨今です。実行はしなくても、それを夢想するのも楽しいもの。その時の一助となるように、と私の経験を少しずつ披瀝させていただこうと思います。

 

 

 

 

 

明けましておめでとうございます

2011年には「絆」を感じ、2012年には「ワイルドだぜぇ~」と復興に立ち上がった日本でございますが、新年はいよいよ本格的に景気回復で行きたいものですよね。

さて、景気が回復しないと、現在私が暮らしているこの地域、元々人口減少中の過疎の町。それが九州北部豪雨で大きな被害を受け復興も急務であり、ホントこのままだと大変、、、な訳であります。

ここは大分県最西部。明治の御一新では県としてスタートを切ったのですが、後の合併により大分県に入ったという九州の中央部。鉄道発達以前はそれこそ弥生の時代から交通の要所であった(らしい)所であります。

残念ながら鉄道、高速道路網の発達で東西南北の交点となる交通の要所はもっと西の方に移動し、主要産業の農・林業も外国産品の流入が増えるにつれて力を失っていく、、、人口流出、駅前シャッター街の増加、これ、避けて通れない所ですよね。

そこに何故住み着くようになったかと言えば・・・都会では利便性を重視(財政事情も影響していますけど)して賃貸住まいでした。娘が大学生になって一人暮らしを始めるようになると、それまでは仕事と教育の+-両面を考慮して都会での賃貸を選択していたのですが、そのために空き家にしていた自宅の存在が問題となります。年間ウン十万の維持費を支払いつつ自宅を空き家にして、その一方で母娘2世帯の賃貸暮らし、おまけに近所には祖母が一人暮らし。

だったら、娘を狭い(お家賃もそこそこの)ワンルームに住まわせ、私と祖母が家賃負担の要らない自宅に同居。自宅は田舎ですので自然に囲まれた生活、気分転換に庭いじりやら週末ファーマーやら十分に可能です。通勤時間が片道2時間位かかるのですが、ぎっちりスケジュールを詰めなければ大丈夫、たまに都会の空気にも触れながら満喫する自然に囲まれた暮らし。これが正解かな、ということになりました。

自宅は両親の没後私が相続した訳ですが、私のように現役中に帰郷して定住する、という事はなかなか簡単ではないようで、ご近所に空き家となっていて年に一度くらい帰郷して維持管理、という状態の所は少なくありません。これは少子化の影響もあり、統計でもそれらしい状態はうかがうことができます。

空き家について

総務省の住宅土地調査(H20)では日本の総住宅数は5,759万戸、そのうち空き家は756万戸、空き家率は13.1%で過去最高に。空き家率が高い県は山梨(20.2%)、長野(19.0%)、和歌山(17.9%)、高知(16.5%)、香川(16.0%)とのことです。ちなみに大分県は約14%で真ん中よりちょっと上、この地域は人口が県でも多い方ですから全国平均的な様子ですかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転居により過疎地から空き家をなくすことに貢献できました。人の目が届きにくい空き家は治安の面でも不安があり、手入れの行き届かない庭等が景観を壊すのは想像できますが、聞く所によると近隣で農業を営む方にとっても害虫、雑草がご迷惑をおかけする事にもなるそうです。

 

そして、従来支払っていた市税関連「不動産を所有しているが誰も居住していない場合の負担金¥1,000也」も必要なくなった訳です。それに火災保険も、空き家の場合に比べて保険料が下がりました。以前火災共済を検討していた時は、無人の住宅は加入できない、という事でしたからこのハードルも下がった訳ですね。

では、この転居に伴う収支決算を行ってみると

 

 

 

 

なるほど、家賃負担は月に10万円ほど減った訳ですね。その分私が仕事をするときの負担が増えていますが、自分で車を運転する場合、(30年以上往復している「いつもの道」ですので)結構考えをまとめたり推敲したり、講師業やら原稿書きにはその時間が貴重であったりする訳です。

毎日定時出社のための通勤が必要なオフィスワーカーの方にお勧めすることは無理でしょうが、定年後に田舎暮らしをお考えの方、Uターンで田舎での生活を計画されている方に、少しはご参考になったら嬉しいです。
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