そろそろストーブに薪を?田舎の暖房事情【2013年 第11回】

【2013年 第11回 そろそろストーブに薪を?田舎の暖房事情】田舎暮らしを始めてみたら

西谷 由美子⇒プロフィール

九州とはいえ、山間部は冷え込みます。田舎の暖の取り方も色々です。

 

 

 

 

 

田舎の暖の取り方

今年は例年になく暑い夏でしたが、あっという間に秋どころか、朝晩の冷え込みが初冬のような厳しさになってしまいました。

皆様、風邪などめされないようお気を付け下さい。
ところで、誤解が多いのですが、九州は全部が全部、南国鹿児島や宮崎のように太陽が一年中照りつける土地ではありません。
10月半ばには阿蘇山の草千里、霜が降りて池には氷まで張りました。中央部高地は冷え込むのですよ。

私の高校時代、実家が久住高原で旅館を営む同級生が、「真冬は道路が凍りつくので、新聞は朝刊じゃなくて昼刊なんだよね~。宿泊客がびっくりしてさ~。」ハイ、今ほど4WDとか普及していない時代で、氷結した道路の氷が緩むまで、安全のために車が走行を自粛しちゃってたんですね。
他にも2月の大学受験実施日に吹雪、福岡は理論上「日本海に面した都市」ですのでジモティ(地元の人)には珍しくもないのですが、遠方から来られたのがもろバレの「雪だ~!」と外に出て騒ぐ受験生(その後合格したかどうか寡聞にして知らず)もチラホラ。
さて、都会から山間地に移転した私。福岡では「あ~、寒い」と寝起きにファン・ヒーターのスイッチ・オンした場合、画面は18℃、30分もすると自動で止まりました。比較的新しい集合住宅ですので、よっぽど高層階のはじっちょでない限り、こんなもん。一戸建ての場合、吹き抜けがあったり20畳超のリビングとかのリッチなお宅はもう少し冷えるそうです(あくまで「そうです」、私は知らない)。
それが築100年近かった転居先では、朝は室内でも5~6℃、ヒーターはスイッチ・オンから全力疾走が昼時まで続く・・・でした。
温暖な地域のマンションなら、夏も冬もエアコンのみ、などというのかもしれませんが、和風で天井が高く、細工物の木で作られた欄間がある田舎屋では、下に吹き出し口があり、移動が容易なヒーターやストーブ類と炬燵を併用というのが一般的です。炬燵も近年は掘り炬燵で使う床置きユニットを利用するご家庭が増えています。練炭炬燵で一酸化炭素中毒という事例は昭和の事になったのかもしれません。
ヒーター、ストーブ類は灯油。セルフのスタンドでカード利用すると今は18ℓで1,800円弱。配達は1~2割増しのお値段。昨年は一ヶ月で平均約4,000円でした。一昨年は5,000円超えていたので、改築で断熱材や二重サッシにした効果でしょうね。電気代は昨年とほぼ変わらず、電気炬燵を使うと通常の2,000円増しの計算でした。これはあくまで一人暮らしに近い我が家の例。家族が多いと各部屋で使いますので、こんなものではないでしょう。あと、お年寄りの一人暮らしの方のお宅等はエアコンやホット・カーペットに置き換える事で万一の事故を避ける傾向も見られます。
さて、田舎暮らしで思いつくのが暖炉や薪ストーブ。インテリアやDIY系の雑誌でもよく見かけますよね。20万~50万円のお値段が中心のようですが、薪ストーブ一台で家中の暖房がすべて賄える、燃料は木なのでエコ、など利点が思い浮かびます。私も赤毛のアンの影響で、台所改築したらオーブン付の薪ストーブに・・・という野望を持っておりましたが、種々の事情で断念せざるを得ませんでした。
実はこの辺り、杉の産地で針葉樹なら手に入りやすいのですが、燃料は広葉樹がベター。理由は、杉などは早く火が付いてもすぐに燃え尽きてしまう、煤が出やすく煙突掃除が余計に必要。すると一束500円位で買わなきゃならなくて、置き場も必要、サイズが不揃いなら自分で薪割りしなきゃなりません。一日中燃やしてると一日一束は行くそうです。灯油は10ℓで3日は持つのに。
カミングアウトするとバブルの始まりまで五右衛門風呂だったわが実家、薪運び、薪割り、梅雨、台風時の雨避けのお世話から煙突掃除は私も経験済み。これから衰えていく自分の体力を考え、防火対策と煙突の設置でかなりな規模の改築が必要なこともあり、涙を呑んでカタログ眺めて楽しむだけにしました(勿論、宝くじ当ててリッチになったら話は別ですけどね)。
いかがでしたか、皆さん、たとえ九州でも田舎暮らしは寒くて大変なんですよ~。って綿入れ袢纏で着ぶくれしてゴロゴロしてる言い訳にしてないか、私。少々反省。
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