貯める 3つの財布を活用【2010年 13回】

【2010年 13回】 貯める 3つの財布を活用 ~相談コラム~

恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒ プロフィール

新聞で「国が負担する年金の財源が枯渇している。」といった内容の記事がありました。
今までは、年金についてあまり関心なく過ごしていました、少し不安になります。
将来に向けて、どんな準備が必要になりますか。

 

 

 

相談内容

  • 相談者 Aさん(24歳) 男性/独身

新聞で「国が負担する年金の財源が枯渇している。」といった内容の記事がありました。
今までは、年金についてあまり関心なく過ごしていました、少し不安になります。
将来に向けて、どんな準備が必要になりますか。

(収入)21万円(手取り)/月
(支出)生活費17万円/月
(預金)30万円

回答

Aさんが心配されている年金の国の負担のことについて、最初に説明いたします。

平成16年に年金制度改正法が成立した時に、年金制度を安定させるために従来は年金(基礎年金)で国が負担する割合1/3を21年度から1/2に引き上げるになりました。

平成21年、22年度は、霞が関埋蔵金などで引き上げて分を手当てしていたのですが、その埋蔵金も枯渇してしまいました。財務省は1/3に戻す案を出しましたが、1/2の国の負担を継続する方向で調整し、新たな財源を探しています。
現在は、安定した財源を確保できていません。(2010年12月10日現在)

現在の年金制度では、Aさんの年金支給年齢は65歳からになります。
Aさんの年齢(24歳)から計算しますと41年後になります。
かなり将来の事なので今後どうなるのか、予想がつきません。

今、準備できることは「お金を貯める」

今、Aさんが準備できることは、「お金を貯める」ことです。
お金を貯める時には、財布を3つに分けましょう。

「1つ目の財布」には、万一の場合に必要な生活費。
「2つ目の財布」には、使う予定がはっきりしているお金。
「3つ目の財布」には、増やすためのお金。

3つの財布の使い方は、その人の、預貯金の状況や住宅を持っているか否か、株や債券などの金融資産を保有している状況により違ってきます。

Aさんの場合ですと、まずは「1つ目の財布」には、万一の場合に安心できるだけのお金を貯めましょう。安心のレベルは人それぞれですが、一般的に月の生活費の6か月~12か月分くらいと言われています。

Aさんの場合は、生活費は月17万円をベースに計算しますと、17万円×6か月=102万円になります。
現在の預金が30万円ですから、102万円-30万円=72万円を最初の目標にしましょう。

Aさんの年収は、21万円×12か月=252万円。
生活費の支出は17万円×12か月=204万円。
差し引きして48万円になりますが、急な出費もあるかと思います。

毎月2万円、年間24万円の預金を目標にして3年計画で準備されてはいかがですか。

また、「1つ目の財布」にお金を貯めている時でも、「2つ目の財布」で使う予定のもの(テレビやクルマ、住宅など)についてリストアップし、時々見直しを行いましょう。

「1つめの財布」は目標金額を決定し易いのですが、「2つ目の財布」、「3つ目の財布」は、その人の考え方や欲しいもの等によってかなり変化します。
「2つ目の財布」のリストアップの違いによって、「3つ目の財布」に回せる資金が変わってきます。リストアップは慎重に行いましょう。

また、「1つ目の財布」も、その時々の生活スタイル(結婚や子育て、老後)によって必要な金額が変わってきます。ライフスタイルの変化によって見直しを掛けて行きましょう。

最後に、60歳の時に「3つ目の財布」に入っていると安心できる金額は、2000万円と言われています。「3つ目の財布」をうまく活用するためには、金融や投資の知識が必要になります。
自分の金融知識をスキルアップするために、今から、少しの資金(毎月1万円)を投資してみるのも、1つ選択肢になります。

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