後悔しない住宅ローンの選び方⑦―フォーカスは【フラット20】支払利息額をご存知でしたか?【2010年 第 7 回】

【 2010年 第 7 回】後悔しない住宅ローンの選び方⑦―フォーカスは【フラット20】支払利息額をご存知でしたか? 家計コラム

福田 英二(フクダ エイジ)

フラット20の融資金利は返済期間21年以上より低い水準

住宅金融支援機構のホームページ(HP)上にフラット20の商品名が出てくる訳ではない。
フラット20は正式な商品名ではないからである(この点フラット50は正式な商品名として出てくる)。フラット20的な情報は、フラット35の中の金利情報欄をよく見ると、フラット35の返済期間を21年以上35年以下の場合と返済期間が20年以下の場合に分けて金利水準が出ている。この20年以下の場合をフラット35の中の一商品として便宜的にフラット20と呼んでいる。本欄ではこの見方に立ってフラット20を使うこととした。

【フラット35】の制度改正によって返済期間20年までと21年以上に分けて融資金利を設定し始めたのは平成19年10月1日以降。制度改正がなされた当時の金利情勢を前提にすると、返済期間20年迄の場合の融資金利は、返済期間21年以上の場合より、低い水準となるとの考え方が示された。

H19年10月の最低金利は、フラット35が2.95%、フラット20が2.75%。その差は

 

 

 

 

 

 

 

0.2%。その後の乖離幅はグラフに見るように概ね0.20%~0.28%の中に収まっている。
過去、最も乖離幅が縮小したのはH22年4月の0.18%である。

フラット35の金利は債券発行時の表面利率によって決まる

周知のごとく、フラット35の金利は、債券発行時の表面利率によって決まるといってよい。その推移を見たのが下図である。ほぼパラレルに推移していることが分かる。


直近10年8月の表面利率1.52%は、債券発行以来最低水準(それまでは04年3月の1.56%が最低)である。フラット35の金利2.23%は、05年5月の2.15%と共に過去最低の金利水準となった。特に、09年5月以降のフラット35の金利の下げは、35年物固定金利型住宅ローンで最も返済負担が軽いと見られていたネット銀行の下げを上回ってきたため(ネットは下げ渋ってきた)、逆転し現在でもその状態が続いているのである。

8月のフラット20の適用金利は、2.02%(定率手数料型)である。2,000万円借り入れた場合の返済月額は、101.3千円、総返済元利合計額は2,475万円(事務手数料含む。以下同じ)である。Sの場合は、当初10年間ー1.0%の引き下げがあり返済月額は92.2千円、11年目以降が96.8千円となり、総返済元利合計額は2,309万円である。

夢のように少ない利息支払額

仮に、Sに拠らずともフラット20だけで考えても、20年間の利息支払額が2,000万円で475万円である。単純平均して年23.75万円、ざっと月2万円の負担である(借入額1千万円なら1万円ということだ)。元利均等返済の場合でこの利息支払い負担である。元金均等であれば22.38万円、月平均1.86万円程である。
Sが使えるとどうなるか、この見方でいくと元利均等返済なら月1.3万円程の負担、元金均等返済なら1.2万円程である。
この程度の金利負担額は、「まさに夢のように少ない利息支払額」と言っていいような水準ではなかろうか。

筆者はやや誇張気味だが、夢のように少ない金利負担でフラット20が使える状況にあるなら、それを使わないという選択肢はないのではないかとさえ思える位である。よく見て頂きたい。フラット20の8月の金利は2.02%、Sなら当初10年間の金利は1.02%である。20年間固定の資金の金利水準がです。借入期間中の金利変動リスクはなし。従って、返済月額は変動しない。家計のやり繰りは安定する。そして、何よりも安心して生活が出来ることが何よりも有難いことである。

住宅ローンの相談を受けたあなたのアドバイスメニューの一つに、フラット20の存在を今まで以上に意識の中心近くにおいて頂いてもいいのではないでしょうか。もちろん、返済するのは借りた本人です。そこは重々踏まえて熱いアドバイスの中にも相手の立場に立った冷静なアドバイスを心掛けていきたいものではありますが。

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