フリーターからの脱出法とその対策【2013年 第8回】

【2013年 第8回 フリーターからの脱出法とその対策】
”フリーター”親子のライフプラン、キャリアプランへの影響

岡田 佳久(オカダ ヨシヒサ)⇒ プロフィール

このコラムもいよいよ最終回となりましたが、最終回では、もし、お子様がフリーターになった場合、フリーターから脱出する方法についてお話ししていきます。個々により対策は異なりますが、何かの参考になれば幸いです。

 

■まずは、本人の意識の変化から・・・

これまでこのコラムでも、一度フリーターになると、そこから抜け出すのはなかなか難しい、といったことを何度もお話してきましたが、難しいからといって、そのまま何の対策も打たないのであれば、時間だけが経過してしまいます。

そこで、まずは、本人の意識を変化させるところから、始めましょう。

フリーターの多くが、「フリーターから抜け出したい」と思っていますが、なかなかそこから具体的に行動に移している人は案外、少ないのかもしれません。精神論を語る訳ではありませんが、まずは、「絶対にフリーターから抜け出す!」といった強い意志を持たせましょう。

 

それが意欲やヤル気に繋がってきます。意欲やヤル気はとても重要です。性能の良い自動車であっても、ガソリンがなければ走ることができません(その性能の良さを活かすことができません)。ここで言うガソリンとは、意欲やヤル気を指します。

 

今後、フリーターから抜け出す時に、様々な困難や壁にぶち当たることがあるとは思いますが、それらを乗り越える上でも重要です。

 

■行動をしなければ、意欲やヤル気は“絵に描いた餅!”

次に重要なことは、実際に行動に移すことです。行動をしなければ、意欲やヤル気は“絵に描いた餅!”でしかありません。

また、ここで言う行動とは、“自分をさらに成長させる行動”と“就職先を探す行動”の2つを指します。

“自分をさらに成長させる行動”とは、フリーター歴が長ければ長いほど、フリーター(アルバイト)の感覚に馴染んでしまっている可能性があります。フリーターは単純作業や補助的業務が中心ですが、正社員の仕事はひと言で言えば「課題解決」です。したがって、課題解決にマニュアルはありません。そして、仕事に対する責任の度合いもフリーターとは違います。場合によっては、パソコンスキルやコミュニケーション能力を向上させる必要もあるでしょう。

 

次に、“就職先を探す行動”ですが、言うまでもありませんが、求人情報を探し、面接を受けるといった行動のことを指します。

 

また、1~2社面接を受けて、不採用になったということで諦めてしまう方も見受けられます。このコラムの第2回目の時に「フリーターを正社員として採用する場合の企業側の評価」についてお話しましたが、履歴書の職歴の欄の中に“フリーター”と書かれていると、マイナスに評価する企業が約30%あります。したがって、新卒の学生が就職活動を行う時よりも厳しい状況があります。ただし、ほとんど影響しない企業も約60%あるのです。

 

ですから、不採用が続いた場合でも、あきらめない気持ちが重要になってきます。また、何十社を受けても不採用が続くのは、何らかの大きな弱点がある可能性があります。その弱点を本人に自覚させ、少しでも自分自身の能力などを良い方向へと変化させることも、同時に行う必要があります。

■専門家に相談することも必要!

理解しているようで、案外理解できていないのが「自分のこと」ではないでしょうか?
新卒採用・中途採用に関係なく、就職活動では、自己分析を行うことは基本だと言われていますが、自分一人で考えていても、なかなか前に進まないこともあるでしょう。

そこで、キャリアコンサルタントなどの専門家にご相談されることをお勧めします。

全国にある公共の相談場所としては、ハローワーク(公共職業安定所)が真っ先に思い浮かぶ人が多いと思います。ハローワークでも、キャリアコンサルタントなどの専門家による相談を受けることができます。しかし、現在、公共の相談場所はハローワーク以外にも、それぞれの対象に絞った相談場所が設置されているのです。

若年者向けの相談場所として設置されているのが「ジョブカフェ」(各都道府県が所管)です。これは、職業紹介だけでなく、若年者の能力向上を目的に、職場体験など雇用に関連したサービスも提供しています。「若年者就業(または就職)支援センター」と言う場合もあります。

自分自身では前に進めていくことが難しい場合、または壁にぶち当たっている場合、相談してみると良いでしょう。

最後に、フリーター、ニートをはじめ、「働いて収入を得て生活していく」といった、当たり前のことを継続させていくことが非常に難しい時代になっています。今回のコラムでは、フリーターに絞ってお話をしてきましたが、このコラムを読んでいただき、1人でも多くの方に、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

 

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