噂で買って、事実で売れ【2013年 第9回】

【2013年 第9回 噂で買って、事実で売れ】投資の格言から学ぶ 株式投資

松山 智彦⇒プロフィール

2020年のオリンピック、ついに東京に決まりましたね。発表明けの9月9日の相場では、急騰銘柄が続出、ストップ高も銘柄も出現しました。

 

 

 

 

下馬評でも東京だった?

8月下旬頃から、2020年のオリンピック開催場所関連のニュースが数多く出回りました。下馬評では東京有利という噂が世界を駆け巡り、大手ブックメーカでも一番人気でした。しかし、原発問題の影響でその噂に翳りが見えたのですが、大差で東京に決定しました。

 

発表明けの9日は344円、10日も218円と高騰しました。

建設、スポーツ用品関連、旅行関連の他、選手や関係者個人のスポンサー関係銘柄など、五輪関連銘柄が値を上げていました。さらに五輪関連以外の銘柄も釣られて上昇したものが多数ありました。

 

株価は噂で動く?

株式投資の面白い所は、事実よりも噂で動く傾向にあります。事実が判明した時には、株価はその噂を織り込んでいるケースが殆どです。この格言では、噂の段階で事実になるだろうと見越して買い、(噂どおりの)事実で売る、としているのです。

今回の五輪発表のケースでも、9月9日に“東京決定”という事実で売るために、下馬評を信じて仕込んでおくという事です。

 

では、9月9日に高騰した理由はどう説明しましょうか?

実は、東京決定という事実から、これから建築ラッシュが始まるだろう、海外からの旅行者も増えるだろう、だから建築関係や旅行関係などいわゆる五輪関連銘柄が、限りなく実現可能な未来を予想して仕込んでいるのです。

9月9日の高騰は、次の噂によるものと言えます。

 

銘柄選びのポイント

噂はあくまで噂でしかなく、ウソも混ざっている事もあります。なので、噂がどこまで信憑性が高く、株価にどこまで反映されているかを読み取る力が必要です。

もちろん、五輪関連銘柄のように“限りなく実現可能な噂(予想)”もあります。ただ、そのように解りやすい銘柄は、人が群がりやすく既に織り込まれているケースも多々あります。小さな噂を如何にして拾い上げるもの、銘柄選びのポイントといえるでしょう。

 

本日のポイント

「織り込み済み」:噂などが株価に反映されている事。

「材料」:決算、新製品、マクロ統計等の株価に影響を及ぼす定量的、定性的な事実など。

「仕込む」:将来の株価を見越して、準備をしておく。例えば、上昇すると予想すれば、株価の低いうちに買っておく事。

「○○関連株」:”五輪”関連、”消費税”関連という様に、そのイベントの影響を受けて株価が(一般的には)上昇する銘柄を指す。
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