法要等のご準備もぬかりなく【2012年 第3回】

【2012年 第3回 法要等のご準備もぬかりなく】私が一家の大黒柱?(家族の大黒柱~旦那さんに先立たれた
方のための「ライフプラン&リスクマネージメント」)

西谷 由美子(ニシタニ ユミコ)⇒プロフィール

悲しみの時にはあらためて、嫁ぎ先・ご実家・ご親戚そしてご友人の方々の気遣いが身に染みてありがたいものです。さて、その方々との今後のお付き合いについても心して準備していきましょう。

昔はご近所の助け合いが

私がまだ小学校に上がっていない頃、父方の祖父が亡くなりました。昔ですから自宅でお葬式。ご近所の方がお手伝いに来られ、お通夜、お斎(おとき)、精進揚げ等々のお料理、ぜ~んぶ自宅でやりました。庭にかまどをたてて大なべで煮炊き。子供なりに水を汲んだりお茶碗拭いたり、多少お手伝いしたせいか、強烈に記憶に残っております(卵焼き50人分とかですから)。

今はそういう習慣もありませんね。葬儀社に一括でお願いするし、親戚の方や近しいお友達等々のお力添えもありますから、喪主の方が悲しむ暇もなく采配することも少ないでしょう。最近のCMでは保険会社の方もお側にいてくれるとか、本当かしら?

でも、葬儀が一段落したら、いつまでも皆さんを頼っているわけにもいきません。今回は、色々と葬儀後の行事について考えてみました。

強制ではありませんが、お葬式の後も色々と行事が続きます

私の経験では皆仏教での葬儀だったのですが、宗派を問わず導師の方から、「初盆、一周忌以降の法要は、故人を偲びいつまでも忘れずにいて、生きている私たちがこれからもよく生きる力を与えてもらう場所にしたいもの」と教わってきました。強制ではありませんし、どの宗教かでこれから先の行事は違うのですが、葬儀の時にお世話になった方々と集い、お礼の意味も込めて故人を偲ぶ時間を持つのは良いことかもしれませんね。

お葬式といえば「お坊さん」のイメージがありますが、お坊さんは仏教。先祖代々のお墓に入ることが決まっている場合は(ご主人がご長男の場合などがそうでしょうか)選択の余地もなく、仏教とは限らず神道、キリスト教などもあれば、式の形は信仰している他の宗教で、等と色々あるでしょう。最近は特定の宗派に属していないし、将来お墓を継承してくれる方もいないので、永代供養墓や樹木葬、あるいは散骨等でお墓自体を持たないという選択肢も徐々にですが広まっています。

知っていますか。宗教によって違う色々なしきたり

ところで以前、お墓など祖先の祭祀に関するご相談で、一緒に来られていたお姑さんが「うちは禅宗です」、「で禅宗のどの宗派で?」、「いいえ、禅宗といったら禅宗です!(キリッ)」ここからお話が前に進まなくなった経験がありまして・・・皆様は、ご実家の宗派、詳細はご存知ですよね。

特定の宗派である場合は、そちらのしきたりに従って、という事になります。一般的な仏教の場合、葬儀後の主要な行事は七日毎に法要、四十九日(場合によっては三十五日も)で納骨、その後最初のお盆が初盆、一年経つと一回忌(これは満で数えます)、次の年は三回忌(ここから数えです)、その後七回忌、十三回忌、二十五回忌、三十三回忌と続くのが一般的です。昔は百回忌までする義務があったとか、でも五十回忌をなさるご家庭は少なくなっているそうです。

神道の場合は五十日祭と言って五十日目が忌明けとなり、納骨。続いて初盆、一年経ったら一年祭、三年祭、五年祭、十年祭、二十年祭、三十年祭と続きます。神道の場合は神になられたので、「祭」という言葉遣いになる、と教わった記憶があります。

キリスト教の場合は、仏教、神道のような年忌、お盆は特にないそうです。従って一年後などに法要にあたる行事を必ずしなければならないという事でもないそうです。

特に宗派を定めず、新しいお墓を無宗教の霊園に定められた方は、上記のしきたりを参考にされるとよいかもしれません。

そして、やはり資金計画はここでも必要ですね

 仏教、神道の方は法要の場合、僧侶・神官の方にお世話になりますよね。お布施等が必要になりますし、お呼びする方には料理、引物を準備する場合もあります。何回忌まで、お呼びする方々はどの範囲まで、予算も考えておかなければなりません。地域によっては初盆の場合、ご近所の方が次々にお参りに来られる所もあるでしょう。その時になって慌てないように、事前に費用の準備をしておく事は必要です。何しろ一回忌の次の年に三回忌、とか忘れてしまいそうですもの。

 今回はお葬式以降の行事を見ましたが、意外と忙しそうですね。そしてやっぱり色々と昔のことを教えてくれる親戚のおばちゃん、お布施はいくらで良いのか、お付き合いのないイトコを法事に読んだ方が良いのか等、相談に乗ってもらえると助かります。そんな人がそばにいてくれると安心ですね。

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