「レジャー白書」から読み取る余暇の過 ごし方【2012年 第5回 】

【2012年 第5回 】「レジャー白書」から読み取る余暇の過 ごし方 エリア別コラム – 地域:北海道東北

恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒プロフィール

北海道は、5月のGW前後から一斉に花が咲き、春から初夏へ足早に景色が変化していきます。
今回はGWということで、日本人の余暇の過ごし方の変化についてみて行きます。

 

 

 

 

最近9年間の「レジャー白書」のタイトル

公益財団法人日本生産性本部が毎年発行しています「レジャー白書」の最近9年間のタイトルをみてみると余暇の過ごし方の変化がわかります。
また、余暇市場は年々縮小の傾向にあります。

 

 

 

 

 

*余暇市場のピークは、1996年の90兆9,070億円。

「レジャー白書」 年別のキーワードは、

上の西暦の前年の傾向が「レジャー白書」のタイトルになります。
2003年の新たな余暇市場のトップは「携帯電話でのやりとり」でした。

2004年は、昨年の政府の「観光立国元年宣言」から長期滞在型の観光施設を目指す動きがありました。

2005年の「インバウンド」とは、外国人旅行者の受け入れのことで、年間1,000万人を目標にしています。また、この年に正社員の長時間労働の問題と派遣社員のことがレジャー白書で取り上げられています。

2006年は、団塊の世代(1947年~1951年)の方が60歳になる2007年をテーマに余暇活動のシニア化と団塊世代男女の余暇活動の志向の違いに注目しています。但し、その後の定年延長などがあり2006年のテーマは、2012年以降の主要テーマになる可能性があります。

2007年の「ニューツーリズム」とは、従来の名所旧跡めぐりではなく「体験志向」、「テーマ志向」の旅行のことを指す言葉です。また、この年は「若年層のレジャー離れ」についても取り上げられています。

2008年は、「選択投資型余暇」ということで、限られた時間やお金を、より関心の高い余暇活動に集中する傾向が強まっていることをテーマにしています。

2009年は、「時間的ゆとり」、「経済的ゆとり」の格差が問題として取り上げられました。また「巣ごもり型消費」ということ、「ビデオ観賞」、「テレビゲーム」など日常型レジャーが注目されました。

2010年は、高速料金の値下げにより、余暇の過ごし方で一番多かったのが「ドライブ」になりました。また、人口減少社会に向けての余暇の過ごし方のアンケート結果では、従来なかった「自分、地域のためになる余暇」という新しい余暇の考え方があることに注目しています。

2011年も、余暇の過ごしたかのトップは「ドライブ」でした。また、フェイスブックやツイッターの普及によるレジャーのデジタル化や「デジタル」と「リアル」の関係にも注目しています。

北海道と余暇市場

余暇市場は大きく9つに分かれます。スポーツ部門、趣味創作部門、娯楽部門(パチンコ等)、娯楽部門(公営競技等)、娯楽部門(飲食)、娯楽部門(その他)、観光部門(自動車)、観光部門(国内)、観光部門(海外)の9つです。

観光部門(自動車)や観光部門(国内)に比率が増えると、北海道経済にとってプラスに作用します。最近の傾向として長らく第1位でした外食が2009年、2010年と第3位になり、1位は両年とも「ドライブ」2位が「国内観光旅行」になっています。

北海道の観光入込客数は、1999年度の5,149万人をピークに伸び悩み、2009年度は4,682万人、2010年度は5,127万人で推移しています。

 

 

 

 

但し、外国人の来道者数の推移をみると、 2003年の「観光立国元年宣言」以来増加傾向にあります。また、観光消費額単価でみますと、道内客13,271円、道外客69,670円、外国人来道者122,128円となります。
今後とも、外国人来道者を増やす政策を取ることが北海道経済の活性化には必要であることがわかります。

余暇市場今後の展望

4月23日の日経新聞に「消費 団塊世代特需」という見出しの記事が載りました。
消費の中には余暇消費も含まれます。今後10年ぐらい(団塊の世代の方が75歳前後になるまで)は、余暇市場もある程度伸びる可能性があります。
上記の「外国人来道者数の増加」+「団塊世代特需」により、観光業から北海道経済が明るくなることを期待したいと思います。

GW 北海道 お勧め観光地

北海道の春を楽しむのなら、4月の中旬に湖水開きをした函館近郊の「大沼湖」や札幌近郊の支笏湖がお勧めです。
支笏湖の丸駒温泉、運が良ければ、夜の露天風呂でアライグマに出会えるかも知れません。

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