フレー・フレー!新社会人【2012年 第4回】

【2012年 第4回 】フレー・フレー!新社会人 ~地域:九州・沖縄

瀬尾 由美子(セオ ユミコ)⇒プロフィール 

寒さが厳しかった今年の冬もここ鹿児島では終わりを告げ、3月26日には鹿児島地方気象台は「桜の開花宣言」を発表しました。
昨年は東日本大震災後であったために、各地でお花見が自粛されましたが、今年は昨年の分を取り返すかのように、各地でお花見の話題のニュースが流れています。読者のみなさんもお花見に行かれましたでしょうか。

さて、今回は新年度のスタートということで、「就職率やその傾向など」について、各種データを基に九州・沖縄地方の動向について確認していきましょう。

 

「平成23年度学校基本調査(確定値)の公表について」より

平成24年2月6日に文部科学省は、「平成23年度学校基本調査(確定値)について」を発表しています。これは、東日本大震災の被害が甚大であった岩手県、宮城県及び福島県に所在する学校で、平成23年8月4日発表の速報値に反映されていなかった教育機関の調査結果が確定したため発表されたそうです。

この確定値によると、大学等の在籍者数は次のとおりとなっています。
①大学      2,893,489人(前年度より6,075人増加)  過去最高
 うち大学    2,569,349人(前年度より10,158人増加) 過去最高
 うち大学院    272,566人(前年度より1,112人増加)  過去最高
②短期大学     150,007人(前年度より5,266人減少)
③高等専門学校    59,220人(前年度より322人減少)

大学等の在籍者数の速報値については2月のコラムでも紹介しました。今回は「就職」にスポットを当ててみていきたいと思います。

④当該都道府県に所在する高等学校卒業者の就職率にあるように、九州地方では福岡県と沖縄県を除いた各県で就職率が20%を超えています。

 

 

 

 

 

 

 

九州・沖縄地方の卒業者の就職状況

このことについては、鹿児島県が2011年7月22日に発表している「統計でみる鹿児島県のすがた」の「労働」部門の「(4)卒業者の就職状況」でもわかります。このデータは2008年度分なのですが、こちらでも福岡県と沖縄県以外の各県で就職率が20%以上となっています(図表1参考)。

 

 

 

 

 

2月号のコラムでも紹介しましたが、九州・沖縄地方は大学等への進学率全国平均には及ばないけれど、高等学校等への進学率は高く就職して自立しているお子さんたちが多いということでしょうか。

就職者の県外就職率 

また、「平成23年度学校基本調査(確定値)について」の中で、⑤就職者のうち卒業した高等学校が所在する都道府県外に就職した者の割合(就職者の県外就職率)にあるように、福岡県と大分県を除いた各県で県外への就職率が30%以上となっています。特に鹿児島県は、54.2%で第1位となっています。また、福岡県と大分県を除いた各県は全て、10位以内に入っています。

 

 

 

 

 

 

 

九州・沖縄地方には、大企業が少ないため地元での就職を希望しても求人がないので、県外へ就職をせざるを得ない現状が見えてきます。

これから先の九州・沖縄地方はどうなるか

ただし、鹿児島県の地元紙である南日本新聞社の3月31日付の新聞記事に、「11年度の鹿児島県立地企業34社、新規雇用最多1021人」という見出しの記事が掲載されていました。

実際の新聞紙面には、新幹線効果や大震災の影響でリスク分散を考慮して鹿児島県のみならず九州地方へ進出してくる企業が増えてきたという内容が紹介されていました。

これは地元にとっては大変嬉しいことですが、円高や不況のあおりで鹿児島から撤退していった企業もありますので手放しでは喜べないでしょう。しかし、近い将来九州・沖縄地方が見直されてくる日がきっと来ると信じています。

私自身の体験 

37年前、今頃の私自身はどうしていたかというと、大学受験に失敗し、家庭の事情で私立大学には進学できなかったため、急きょ就職に進路変更して、就職試験を受けていました。出身校の就職担当の先生にお願いし、幸いなことに6月から銀行に就職することができました。したがって私の社会人としてのスタートは6月なのです。

大学受験に失敗したものの、銀行に就職することができたおかげで、ファイナンシャルプランナーとしての基礎ができたと思います。自分の思い通りの進路でなくても、与えられた環境の中で一生懸命頑張れば、道は必ず拓けます。

社会人として念願のスタートができた方も、思い通りにはいかなかった方も、明るい明日を信じて胸を張って歩いて行きましょう!
「フレー・フレー!新社会人」

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