【金銭教育その6】「子どもと携帯電話」に関すること【2008年 第12回】

【2008年 第12回 【金銭教育その6】「子どもと携帯電話」に関すること】地域コラム 近畿

高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒ プロフィール

 

 

 

 

 

 

小・中学生の保護者層を主なターゲットとした教育雑誌「プレジデントファミリー」をご存じでしょうか。
12月中旬に発売の1月号で、家計の見直しの特集が掲載される予定です。
そこに掲載される、子どもと携帯電話に関する通信費の問題で取材を受けました。
今回は、この問題について、もう少し広い視点から補足しておきたいと思います。

「子どもと携帯電話」というと、この取材の取り上げられ方のように、親がまず頭に浮かべる心配は、子どもが料金を使いすぎてしまうのではないかということのようです。

もちろん、実際に契約して最初の料金請求額を見てビックリ!というケースはなきにしもあらずです。
特に、“パケット”料金というもののしくみがわかりにくいようです。
情報量が多い音楽のダウンロードサービスなどを頻繁に利用すれば、あっという間に、何万円何十万円という金額に達してしまいます。

ただ、こういった料金に関する心配に関しては、親がその気にさえなれば、解決策を考えるのはそうむずかしいことではないでしょう。
携帯会社が競って提供しているサービスの中から、どの会社を選べば初期投資が安くて済むか、継続してかかる基本料が安いのはどこか、パケット通信に関しては定額の料金プランで…と、携帯電話会社のショップで尋ねるとかインターネットで調べるなど、多少の労力を惜しまなければいいのです。

でも、そういった費用に関する対策をとればもう安心…ではないはずです。
例えば、パケット料金を定額制のプランで契約すれば、料金は一定の金額を超えて請求されることはありません。
が、料金請求書の「実際の使用料は○○万円でした」という使用明細の数字を見たときに、あなたはどう感じますか?
「ああ、定額制にしておいてよかった」ではダメなのです。
親としては、子どもの携帯電話に対する「使い方」に対しても、関心をもつ義務があるのではないでしょうか。

使用明細書の中身を親子で確認したり、話し合ったりすることが大切だと思います。
金額の問題ではないのです。音楽のダウンロードなのか、ゲームなのか、ケータイ小説なのか…日頃からコミュニケーションをとる努力をしていく必要があると思います。

子どもに携帯電話を使わせなければ、出会い系などのような危険で粗悪な情報に近づくリスクを少しでも減らすことができるのではないかと思います。

おりしも、先日、橋本徹大阪府知事が、府下(政令市の大阪・堺両市を除く)の小中学校への携帯電話の持ち込みを禁止する方針を打ち出し話題となりました。過度の使用による学力への影響や、学校裏サイト等などによるいじめ、あるいは犯罪に巻き込まれる危険性など、子どもと携帯電話に関する問題は、社会的な問題なのです。

なぜ、ここまで社会問題化するのでしょうか。それは、携帯電話は“ケータイ”という、つい10年前には想像もできなかったまったく新しい道具であって、もはや“携帯できる電話”ではないからでしょう。

ケータイは、「電話」であり「小さなパソコン」であり「カメラ」であり「ゲーム」であり「音楽再生機器(って、私たちの世代の“ウォークマン”的な…)であり「テレビ」であり「ラジオ」であり…。機種によって、場面によって、とても書ききれないほどのさまざまな使い方をすることができます。

中でも、最も大きな問題は、ケータイが「インターネットに接続できる」ものであること。
子どもに持たせる時点で、親としてそこをしっかり意識する必要があると思います。
そして、子どもに持たせ続ける以上は、子どもとケータイの関係に関わり続けていく“覚悟”と“努力”も求められると思います。

「電話やメールが使えて親子の連絡がとりやすい」「居場所がわかる」という良い面もあります。
が、なんの配慮もなくインターネットに簡単に接続できるケータイを与えてしまうことは、まさに子どもたちを“情報の海”に放り出すのと同じです。

日常の世界では、子どもは、家庭・地域・学校といった親をはじめとする大人によって守られています。
失敗しても、保護されたり許されたりしながら成長していくことができるのです。
が、インターネットの世界ではそうはいきません。
情報の質も玉石混交。大人でさえ、その善し悪しを判断するのがむずかしい場面も多いぐらい危険性の高い世界なのです。

大切な子どもたちを守るために、「監視」ではなく「関心」を持っておくことは、親のつとめだといえるでしょう。
もちろん、フィルタリングサービスを活用することも大切ですが、残念ながら完全に頼りきれるものではないようです。

また、ケータイの使い方についての「しつけ」や「マナー」の面においても、親としてきちんと子どもと向かいあいたいものです。
メールやゲームなど、ケータイに費やす時間をとられすぎると、本来やらなければならないことがおろそかになってしまいます。

また、“いつでもどこでも”…という便利さゆえのマナー違反。私たちもついつい忘れてしまいがちですが、やはり子どもは大人の背中を見ているという意識を持って、まず親がケータイとのつきあいのお手本を見せていきたいものです。

海外と比べて日本では、国や企業が、一定年齢までの子ども達を守るためには利益を度外視しても取り組むという姿勢は低いように思います。
となれば、子どもを守るのは親しかいないということです。
学校へは持ち込み禁止と、行政や法律レベルで規制されなければならないような事態になっていることも現実です。
ますます、「子どもと携帯電話」の問題は、各家庭に任されるということになり、私たち親は責任重大という意識を持たなくてはならないのだと思います。

ちなみに…。プレジデントファミリーの記事の最後に、親が、子どものネットリスクを体験するサイトとして「ねちずん村」を紹介しました。
誌面の都合上、サイトのアドレスなどは紹介されないようですが。子どものネットリスクの実際を体験できるシミュレーションコーナーは大変よくできていると思います。
一度、親子で体験してみてはいかがでしょうか。

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