クルマで変わる未来の社会と生活 【2016年 第1回】

【2016年 第1回 クルマで変わる未来の社会と生活】生活に欠かせない持ち物!これからどうなるの?

小松 英二(コマツ エイジ)

 

私たちはさまざまな“持ち物”に囲まれています。
その持ち物も技術進歩や、趣味・趣向の変化により姿・形を変え、さらにその持ち物が私たちの生活も変えようとしています。
今回は移動の手段であるクルマにスポットを当て、開発が急ピッチで進められている“自動運転車”がもたらす社会や生活の変化、今後の課題を見ていきましょう。

 

 

事故や渋滞が減る「自動運転車」の実用化が待たれる

ハンドルやアクセルを操作しなくても、行きたい場所にたどり着ける“自動運転車”の開発が進んでいます。
政府も2013年に掲げた成長戦略の中に“自動運転システム”の推進を盛り込み、自動車メーカーとともに、東京五輪が開かれる2020年の実用化を目指していることを表明しました。

 

自動車メーカー各社の設計思想は、人間が運転することを前提とした自動運転車の開発が主流ですが、完全にコンピュータ制御で走行、つまり人間が運転に関わらないことを目指しているメーカーもあります。
今後の展開が注目されますが、自動運転車のメリットや課題を見ていきましょう。

 

まずメリットは、何といっても人間の不注意による事故防止です。
高齢のドライバーによる事故や、長距離バス運転者の疲労による痛ましい事故が目立ちますが、こうした事故の歯止めになるものと期待されます。

 

また、コンピュータ制御による自動運転ですので、急ブレーキや急加速が避けられ、渋滞が緩和されるものと思われます。
道路の空き具合をコンピュータが判断して、時間的に最短ルートを選ぶことも可能になるでしょう。
今でもカー・ナビゲーションで探せますが、運転もお任せ!人の移動も大きく変わります。
車庫入れが苦手な人も「楽々車庫入れ」となるかもしれません。

 

それから、人口減少に直面する過疎地の交通手段として期待されます。
地方では路線バスの本数はどんどん減っており、廃止に追い込まれることも少なくありません。
そこで救世主となるのが自動運転車。高齢者や病人などが行きたい場所に行くことができる新たな手段となる可能性もあります。

 

自動運転車を巡る技術面や法整備の課題はさまざま

メリットを想像するとワクワクしますが、克服すべき課題もいくつかあります。

 

●まず技術的な課題です。
車外の物体を認識するセンサーが、大つぶの雨や雪を障害物と判断してしまう問題です。大雨・大雪の場合は身動きが取れなくなりますので、この点は、どうしても克服しなければなりません。
また、白い車線が進路の手掛かりとなりますが、車線が消えていると走行できず、手動運転に切り替えざるを得ないといった弱点もあります。

 

それからサイバー攻撃への対策も必要となるでしょう。
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)により現在位置を認識するシステムに不具合が生じますと、交通機能のマヒや事故の多発などの危険性があります。
SF的な話ですが、何らかの悪意のある集団によりシステムを支配されますと非常に危険です。

 

●次に法律面の整備です。交通事故を起こした時に運転者の責任をどうするかといった問題です。
「自動運転モードだったので、私には過失はない」として加害者責任を逃れられるでしょうか。
運転者と自動車メーカーの責任の所在など、難しい問題があります。

 

また、「運転免許」をどうするかといった問題もあります。
自動運転なので運転技術は不要との考え方もあり、運転免許は“過去の遺物”になるかもしれません。
また、「飲酒運転も構わないのかな?」といった不謹慎な問題も検討が必要でしょう。
いずれにしろ、道路交通法などの法律の整備は避けられません。
社会の仕組みや生活のあり様も見直されていくものと思われます。

 

●最後に経済的な側面です。
押さえておきたいのは、生活に自動運転車がすんなりと入り込めるのかといった問題です。
高い技術力が要求されますので高コストが予感され、車体価格はかなり高額になると思われます。
家計費に響く高価な買い物となると、ある程度の高収入が必要でしょう。
庶民には高嶺の花となるかもしれません。

 

生活にも強くインパクトを与える自動運転車。今後の動向を見守っていきましょう。

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