尾久陽子 の 私の母も要介護。はじめての介護に戸惑うあなたに届け、ホッとコラム 第1回 介護予備軍を見逃すな! 【2024年1月】

私の母も要介護。 私は「娘さまFP」です

はじめまして!行政書士・社会福祉士のファイナンシャル・プランナー尾久陽子(おぎゅうようこ)です。
1970年生まれの53歳。
私の事務所は下町人情あふれる葛飾柴又のすぐ近く。
要介護5から要介護1までV字回復した母も、老人ホームを卒業し、同じ町内の高齢者アパートで車椅子一人暮らし中。
そのため、医師や介護の方々から「娘さま」と呼ばれる「娘さまFP」でもあります(苦笑)。

これから毎月、コラムを通じて、はじめての介護に戸惑う皆さんのお役にたてるお話やホットな情報、ホッとできるお時間をお届けできたらと思っています。

尾久陽子⇒プロフィール

 

アラフォー・アラカン世代にとって、親の介護は脅威である・・・

さて、われわれアラフォー・アラカン世代にとっては、いつ来るかと心配なのが「親の介護」です。

人の死亡率は100%。
死ぬ直前まで元気で過ごしPPK(ピンピンコロリ)で逝くのが理想でも、こればかりは運命次第。

生まれて、老いて、病気になり、そして死ぬ。
生老病死は人間の4大苦労。

人間の寿命が伸びた分、老いのしんどさはより重くなったともいえるでしょう。

平均寿命と健康寿命の差に注目!

2020年のデータによると、日本の平均寿命は男性が約81.4歳、女性が約87.5歳。
健康寿命は男性が約72.4歳、女性が約74.8歳。

健康寿命は、病気や障害によって日常生活が制限されることなく生活できる期間です。

健康寿命が平均寿命よりも短いということは、介護や支援が必要な期間があるということ。
この約10年という差分の重さが、介護の不安の要因です。

ここには、自分や家族の将来に対する心配だけでなく、経済的、心理的、社会的な多くの問題が含まれます。

介護は早期発見・早期行動が大事!

防災の備えと同様に、必要と思ってもなかなか事前に着手しづらいのが親の介護対策。

自分のおむつを替えた親が相手ですから、それは手ごわい。
心配するなの一点張り、俺を殺す気かと怒られるのは、どの家庭でもある場面でしょう。

親としては、自分のせいで子どもに面倒かけたくないのです。
もっと本音で言えば、人からあれやこれや言われたくないし、自由気ままに暮らしたいのです。

でも、放っておけば介護は突然やってくる。
ここはしっかり子の務めとして早期発見したいのです。

要介護の5大原因とは・・・

厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022年)によると、介護保険で要介護認定や要支援認定された主な原因としては、「認知症」が最も多く16.6%となっています。
次いで「脳血管疾患(脳卒中)」16.1%、「骨折・転倒」13.9%、「高齢による衰弱」13.2%、「関節疾患」10.2%と続きます。

重い要介護5と4となる主な原因の1位は「脳血管疾患(脳卒中)」です。

ある日突然に倒れ、その後は身体に麻痺が残り寝たきりになってしまったり、認知症になったりする危険な疾患です。

大病は小さな病の積み重ね・・・

たとえば、脳血管疾患は、脳の血管に関連するさまざまな病態をさします。

主な原因は以下の通りです。

  1. 高血圧:脳の血管に過度の圧力をかけることで、血管の破裂や閉塞を引き起こす可能性があります。これは脳血管疾患の最も一般的な原因の一つです。
  2. 動脈硬化:高コレステロール、高脂血症、喫煙、糖尿病などが原因で血管壁が硬くなり、血流の障害を引き起こします。これにより、脳への血流が不十分になることがあります。
  3. 心血管疾患:心臓病、特に心房細動は、脳への血液供給の障害や血栓形成のリスクを高めます。
  4.  喫煙:喫煙は血管を収縮させ、血液の流れを悪化させることで、脳血管疾患のリスクを高める要因となります。
  5. 肥満:体重過多や肥満は、高血圧や動脈硬化の原因となり、結果として脳血管疾患のリスクを増加させます。
  6. 糖尿病:血糖値のコントロールの損失は、血管にダメージを与え、脳血管疾患のリスクを高めます。
  7. 遺伝的要因:家族歴や遺伝的な要素も、脳血管疾患のリスクを高めることが知られています。
  8. 不健康なライフスタイル:不健康な食生活、運動不足、過度のアルコール摂取なども、脳血管疾患のリスク要因です。
  9. 慢性疾患である高血圧や糖尿病は、サイレントキラーと呼ばれ、自覚症状が表れる頃には重症化していることもあります。日頃の健康管理が重要なのです。

私のような「娘さま」にならないで!?

さて、かくいう私の母も、これら疾患の百貨店状態で、40年以上通院しているベテランです。
そして心疾患で倒れて、廃用症候群(寝たきり)になり、要介護5になりました。

寝たきりになってから、母は言いました。
「だって、痛くもかゆくもなかったんだもん」。

そういえば倒れる前の母は、父が亡くなり一人暮らしになって、食事の準備も適当になり、エビチリやピザをチンしていました。
母はそういうものと放っておいたのは私です。
今や反省し、キャベツを齧っている母を見ると、なんだ母もやればできたんじゃんと思います。

なんで早くから母の手助けをしていなかったのだろう。
今は回復したといっても、車椅子生活なのです。
悔やんでも悔やみきれません。

たまたま母は、倒れてすぐに搬送されたから一命をとりとめることができましたが、発見が遅ければそのまま死に至っていたかもしれません。

早期発見の経済的効果

さて、FP目線でいえば、介護予備軍の早期発見と早期対応・・・つまり、介護予防をすることは、経済的にも大きなメリットをもたらします。

  1. 医療費の節約:早期に健康問題を発見し対処することで、重篤な病状への進行を防ぎ、高額な医療費の発生を抑えることが可能です。
  2. 介護負担の軽減:予防的な介入によって、重度の介護が必要になる期間を短縮または回避できるため、介護に関連する費用と労力を節約できます。
  3. 社会経済全体の負担軽減:介護予備軍の早期対策によって、高齢者が長く自立して社会に貢献し続けることが可能になれば、社会保障費用の圧縮にもつながります。

介護予防は身体にも優しければ、われわれのお財布にも優しいのです。

母のケースからの学び・・・

母のケースを振り返ると、日常生活の中で見逃されていたサインがいくつかありました。
食生活の変化、運動不足、孤独な生活など、これらはすべて介護予備軍の警告サインだったのかもしれません。

悔やんでも悔やみきれない思いがありますが、この経験から学ぶことは多くあります。
私たちは、愛する家族の健康に注意を払い、早期に対応することの重要性を再認識する必要があるということです。

いやいや、母だけのことではない。われわれも、介護予備軍。
親より先に健康を損なうおそれだってあります。日々の健康に気を付けるという地道な営みが、介護の脅威を未然に防ぐことができるのです。

次回からが本題です!

これから残り11回にわたり、親の介護をテーマに、「娘さまFP」としての経験や失敗談を交えつつ、必要なお金や、大事なケア、介護保険サービスの使い方、社会資源の活用、相続などの法的準備についてご紹介していきます。
息子さま。娘さま。親の介護を一緒に悩み、分かち合い、前向きに進んでいきましょう。
これから1年間、よろしくお願いいたします。

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