知っておきたい公的介護保険制度のポイント【2011年 第11回】

【2011年 第11回 】知っておきたい公的介護保険制度のポイント ~社会保険(健康保険)~

マイアドバイザー®事務局 優益FPオフィス 

「介護なんて、まだまだ考えたくない」私もそう思う一人ですが、介護保険のサービス受給者は確実に増加しています。
9年で約235万人(158%)の増加(2000年から2009年の推移)。
そして、居宅サービスの伸びは、実に187%の増加。
誰もが、知らないでは済まされなくなっている時代といえます。

知らない間に払っている「介護保険料」

介護保険は、40歳から加入します。
加入していると、当然、介護保険料も支払っているはずなのですが、お給料の中からいくら支払っているのか、すぐに回答できる方は、あまり多くはありません。
介護保険料は、健康保険料とセットになって支払っているので、会社によっては、お給料明細の中で、「健康保険料」の項目に介護保険料も含んでいる会社もあり、あまり、記憶にないという一面もあるのですが。

40歳から64歳の方に関しては、このような状態で保険料を払いつつも、恩恵を受けることがほとんどないという世代となっています。
介護保険のお世話になることが出来るのは、老化に起因した16疾病になったときだけです。
例えば、62歳の時に、交通事故に遭い、寝たきりになったとしても、介護保険のサービスの対象となりません。

65歳以上の要介護(要支援)認定

65歳以上になると、「介護状態」になった理由は問われません。
市町村の窓口で申請を行い、「要介護1~5」もしくは「要支援1又は要支援2」の認定を受けることで、「介護給付」もしくは「予防給付」のサービスを受けることが出来ます。

この「認定」。くれぐれも、心して受けてください。
どの介護認定に認定されるかで、サービスや自己負担額が違ってきます。
正確な認定が受けられるよう、普段の状態をよく知っている家族や親族に一緒に立ち会ってもらって、正しい認定を受けることをお勧めします。

自分では「出来る」と思っていても、家族から見るとあぶなかったり、手助けをしてもらった方が、スムーズに生活できるというものも、第三者の目から見ると、あるものです。

負担は、いったいどれくらい?

基本的に、介護のサービスがされると、自己負担は1割支払い、施設サービスを合わせて受けた場合には食費と居住費も一緒に負担します。
ただ、一定の額を超えると「高額サービス費」や「補足給付」、健康保険の「高額療養費」と併せて、一定額の自己負担で済む仕組みとなっています。

 

 

 

 

今後予定されている改正

平成24年、介護保険の改正が色々と予定されています。
医療と介護の連携はもちろんのこと、有料老人ホームや、介護保険料の軽減など、細かい内容まで踏み込まれています。

その中で、私が注目したいのが、「市民後見人の育成」です。
成年後見は、親族による財産の不正利用や横領などがあまりに多いので、「信託」の利用が、義務付けられることも予定されています。

ところが、普通の方にとっては、まだまだ「信託」制度は身近でなく、お金持ちが利用するものという感じがするのか、よい制度なのに、普及していくという状況ではありません。
高齢者の人権が守られ、セカンドライフを「自分らしく」生きていけるよう、介護保険のこれからの動向を見守っていきたいものです。

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