岡本英夫のFPウオッチャーだより 第18回 ゼネレーションX、そしてミレミアムの時代へ ~世代論とFPアドバイス 【2023年9月】

マイアドバイザー® 顧問 岡本英夫 (オカモト ヒデオ)さん による月1回の連載コラムです。
ファイナンシャル・アドバイザー(近代セールス社;2022年春号以降休刊)の初代編集長として、同誌でも寄稿されていたエッセイの続編的な意味合いのあるコラムとなります。

今回は第18回目です。

岡本英夫プロフィール

1.27年前、米国で学んだ世代論

1996年、米国FP視察の際にAARP(全米退職者協会)で米国の世代論を聞いた。当時、米国では4つの世代に分類していた。

(1) GI‘s(GIの世代)

1927年以前生まれで、今では95歳以上の第2次世界大戦に勝利した世代である。
わが国では敗戦を経験した世代で、日米ともに戦前・戦後を生き抜いた保守的な世代。

ジョン・F・ケネディ、ブッシュ父、中曽根康弘、宮沢喜一元首相が該当する。FP界では牧野昇氏・加藤寛氏(いずれも日本FP協会元理事長)をあげることができる。

(2) サイレンツ(沈黙の世代)

1996当時の年齢で50歳から69歳、現在では77歳から95歳。
GI‘sとベビーブーマーズに挟まれた世代で、1928年から1945年生まれを指す。
自己主張を避け人の話をよく聞くといわれる。
わが国では戦中と戦後の価値観の変容を経験した世代である。

マイアドバイザー元顧問の故田中英之氏・小野英子さんがこの世代である。

(3) ベビーブーマーズ(団塊の世代)

米国では当時の年齢で30歳から49歳と幅広い。
戦後の1946年から1964年までに生まれた人たちがベビーブーマーズである。
わが国では47年から50年までの3年間に生まれた約800万人を団塊の世代と呼び、ベビーブーマーズを象徴している。

故人では山田淳一郎氏(1947年生まれ)が該当。
初期のFPの多くはこの世代に属する。

(4) ゼネレーションX

ベビーブーマーズのすぐ下の世代で、1965年から1980年までに生まれた人たちである。
当時の年齢で16歳から29歳まで。
65年生まれは男女雇用機会均等法の制定された85年に20歳となっており、現在58歳。
80年生まれが43歳で、まさに働き盛り。
わが国の団塊ジュニアはこの層に含まれる。


以上は、1996年の米国視察時に聞いた世代論であるが、当時、わが国にはこの世代論は浸透しておらす新鮮だった。

その後、次の世代が定義される。

(5) ミレミアム世代

ミレミアム世代とは西暦2000年以降に成人に達した1981年から1996年生まれまでをいう。
現在の年齢でいえば27歳から42歳まで。

日本FP協会がNPO法人となったのが2001年であり、この世代のFPは第2世代のFPともいうことができる。
デフレ経済と低金利しか知らない世代で、スマートホーン世代でもある。

(6) Z世代(ゼネレーションZ)

1997年以降に生まれた人たちで、26歳以下の若者世代である。

両親(ゼネレーションX)の経済的困難のもとで育っている若者が多く、独立志向が強いといわれる。
待機児童や子ども食堂、ヤングケアラーが問題視された世代でもある。

2. ファイナンシャルプランナーの視点から

米国ではこれらの世代区分分析をもとにマーケティングやサービスの提供のノウハウを考える。

FP業界でも当時50歳代に達したサイレンツと働き盛りのベビーブーマーズへのサービスを模索していた。

それがトランジショナル(移行期の)プランニングとリタイアメントプランニングであった。
50歳代では退職、父親・母親との死別、親を扶養する責任の発生、孫の誕生、更年期障害、大病からの回復、子の独立といった事態に直面する。
40歳代でも、失業、転職、独立、結婚、離婚、父親の死亡などを体験することが多い。

こうした事態は、ライフプランの変更と経済的困難をもたらすが、それがFPのサービスにつながる。

人生の転換期における家計の見直し、家計防衛対策がトランジショナルプランニングで、これに加えて40歳代、50歳代には老後に対する不安がある。

これらの対象が現在ではゼネレーションX世代、ミレミアム世代となっている。
2000年以降に資格を取得したFPの多くは同世代であり、同じ時代に育ち、同じような体験を積んできている。
FP知識を自分自身のために役立ててきたともいえる。

筆者は、団塊の世代の直後に生まれたベビーブーマーズ世代である。
中途で変化はあったものの終身雇用、年功序列賃金の中で生きてきた。
FP知識を学んだのは40歳以降で同世代では早かったが、知識を伝える対象は、もっと若い世代に限られていた。

ゼネレーションX、ミレミアム世代については同世代のFPによるアドバイスに期待したい。
結婚、子育て、教育、住宅取得のあり方も、保有資産、家族関係も我々の時代とは異なってきており、世代の違いを痛感するケースに出会うことが多くなってきている。

新NISAの開始が3か月後に迫っている。
伝えたいことはいくらでもあるはずだ。

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