仕組みを理解していますか?【2011年 第23回】

【2011年 第23回】 仕組みを理解していますか? 相談コラム

恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒ プロフィール

相談内容

  • 相談者 Sさん(35歳) 男性/既婚
    年金を受け取る年齢が引き上げを厚生労働省が検討しているというニュースを見て、個人で資産運用を真剣に考えなければならないと思いました。
    今回の冬のボーナスから資産運用を始めたいと考えています。マネー雑誌を読んでいますと、投資信託では通貨選択型が利回りもよく人気があるようです。
    また、定期預金では、仕組み預金も他の定期預金に比べて金利が高いので魅力を感じています。ただ、中身がよくわからないため、今回相談に来ました。

    回答

現在、年金の満額支給は65歳になりますが、Sさんの年齢ですと65歳以上に引き上げられることを前提に資産運用を考えて置くことも必要かと思います。厚生労働省の案として68歳、70歳という数字も出ています。リタイアメントプランも複数用意しておく方がいいでしょう。

さて、通貨選択型の投資信託とは、
(ハイ・イールド債券やリート等の運用+高金利通貨を選択)
することにより、高い分配金利回りを目指す運用をする投資信託です。

通貨選択型ではない、海外の債券やリートなどで運用する投資信託のリスクは、
①投資している債券やリートの値上がり値下がりによる影響
②投資している債券の利子、リートの配当等の増減による影響
③投資している債券やリートが運用している通貨と円との為替の影響
以上3点がリスク(基準価額を動かす要因)になります。

通貨選択型の場合は、①、②は一般的な海外資産で運用する投資信託のリスクと同じですが、③の部分が異なります。
③為替の影響は、選択した通貨と円との間で発生します。
④また、通貨を選択することでもう一つ基準価額を変動させる要因が発生します。

それは、実際に債券やリートを運用している通貨と通貨選択で選んだ通貨との短期金利の差により起こります。選択した通貨が運用している通貨より金利が高い場合には「為替ヘッジプレミアム」により利益が得られます。

通貨選択型は「為替ヘッジプレミアム」により高い運用収益を確保する工夫をしています。ただし、2通貨間の金利の変動により「為替ヘッジ」の状況は変化し、収益も変動します。
通貨選択型の投資信託は、為替の部分に一工夫することで、高い運用収益の確保を目指していますが、それによって、基準価額を変動させる要因が1つ増えました。

円ドルや円ユーロの為替相場は、頻繁にニュースで確認がすることができますが、選択した通貨により、選んだ通貨と投資信託が保有している債券やリートで使われている通貨との金利差、選択した通貨と円との毎日の為替レートを確認する方法を探しておきませんと、基準価額の変動要因をチェックすることが難しくなるでしょう。

次に、Sさんが検討されている仕組み預金の満期特約型仕組み預金(マルチコーラブル預金)について説明をさせていただきます。

満期特約型仕組み預金は、特約により満期の期日の決定を銀行が行える預金です。
例えば、
①銀行が設定した最大満期を10年として、特約で何年目以降になったら銀行の判断で満期の期日を設定できるようにしたもの。
②当初設定した満期を特約により設定した最大満期まで銀行の判断で伸ばせるもの。
があります。

通常の定期預金よりも高い金利というメリットがありますが、満期の決定が銀行判断になるために、通常の定期預金のように預けた時に将来の金利収入を計算することができない点や、原則、途中解約ができず、途中解約ができた場合でも、元本割れになることがある点などのデメリットもあります。仕組み預金を検討させる場合は、特約のところを丹念に確認しましょう。
以上、通貨選択型の投資信託、仕組み定期預金の特徴を簡単に説明いたしました。

高利回りの運用や高金利は魅力的ですが、それぞれの商品の特徴をしっかり理解した上で資産運用に組み入れるかの判断をすることが必要です。

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