モナコ公国【2011年 第1回 】

【2011年 第1回】 モナコ公国 ~フランス気分~

横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒ プロフィール

本文グレース王妃で有名なモナコ公国は独立国家。人口は少ないし、王室だってあるから、どうやって国を維持しているのかしら?

 

 

 

モナコ公国の運営

モナコ公国の面積は2.02k㎡とバチカンに次いで、2番目に小さい国。人口は3万5352人です。1年中花が咲き乱れ、ゴージャスな噴水からはいつも水しぶきがあふれ、世界中のセレブリティが集まってきます。
これほど小さな国を、いったいどのように運営しているのでしょうか。

モナコとフランスはきっても切れない仲。様々なことをフランスに頼っているのです。
たとえば、日本をはじめとする世界には、モナコ大使館はなくフランス大使館がモナコ人に対する事務を代行しています。

もちろん、モナコ軍は存在せず、フランス軍がモナコを守っています。
そりゃあ、モナコはフランスの隣にありますから、モナコだけ守らないわけにはいきませんね。

一方、警察は自力で行い、モナコ警察があります。住民約3万人に対して、警察は500人。ヨーロッパ1安全な国といえるでしょう。
モナコは基本的にフランスと同様、観光業が生業。ニースから約18キロ。ニース空港を利用しますから、自力で飛行場を建てる必要もありません。

このように、モナコはお隣のフランスに対して、全面的に頼って生活をしています。

モナコの税金

驚いたことに、モナコには所得税がありません。

配偶者や直系親族に対する相続税もタダ。基本的に法人税もタダ。
不動産取得税も、固定資産税もありません。
消費税はあるものの、自分の国だけで独立して運営していけるのでしょうか。

大丈夫。
自国民から税金はもらわなくても、よそからもらえばいいんですよ!

たとえば、カジノ。もちろん、政府公認です。
ここからの収益はさぞ大きいことでしょう。

モナコはタックスヘイブン

また、モナコは「タックスヘイブン」といわれる租税回避地です。
フランス語では、paradis fiscal 税金天国です。そう、税金がない天国。

モナコは金融業も大事な産業ですから、税金を安くすることで世界中の法人を誘致しています。

モナコ人が自分の国で儲けるお仕事に対して、法人税はかからないけど
外国の企業や外国での取引において、一定の利益がある場合も課税します。

というものの日本や世界の国の法人税に比べると、抜け道があったり、軽減措置があったりで、有利になっているのです。

このようにして、企業にモナコへきてもらっているのでしょう。
そんなモナコの税収は国庫予算の70%近いそうです。

モナコに生まれたかったな。

  • コメント: 0

関連記事

  1. 横井規子 の『金融教育』現場リポート 〈小学校での金融教育〉 第11回 授業のヒントは学習指導要領にあり!

  2. 危ない金融商品の見分け方 【2016年 第1回】

  3. 誰にも出来ない金利予測【2011年 第10回】

  4. 「住宅改修」を利用する【2011年 第6回 】

  5. 有料老人ホームの種類【2013年 第10回】

  6. お金の育て方【2011年】

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。