受験【2012年 第2回】

【2012年 第2回 】受験 ~地域:四国中国

キムラ ミキ  

冬を超えれば…年が明けてまもなく行われたセンター試験も終わり、いよいよ受験シーズン本番。受験生においては最後の仕上げに余念のない時期でしょう。


志望校目指して、コツコツとやってきたことの努力が笑顔に変わる瞬間まで、あと一息!!
冬のこの厳しい時期を超えれば、春には楽しい新生活が待っています。
がんばってくださいね。

 

 

山陰の受験模様

さて地元に戻り、ファイナンシャルプランナーとして活動をするようになったときに、ふと感じた疑問がありました。それは、ご相談を受ける際に、関東にいたときと同じように教育プランや教育費について考えてもよいものかどうかということ。

関東でファイナンシャルプランナーとしてご相談を受けていた時には、大学まで進学させる教育プランが、当たり前のようにご相談者の口から出ていたように記憶しています。

しかし、山陰でご相談を受けるうちに、その考え方では少しギャップが感じられるようになり、山陰においての進学状況について考えてみることにしました。

進学率

文部科学省が「学校基本調査」の中で平成20年3月卒業者について調査した進学率についてみてみますと、中学校卒業後、高校等に進学した割合は、全国平均で97.8%にのぼります。この割合は、各都道府県においてもほぼ同じ。つまり高校等へは、ほとんどの中学生が進学しています。

一方、高校卒業後の進路として大学・短期大学等への進学を選択した者の割合は全国平均では52.8%。首都圏および京阪神では60%を前後の高校生が進学を選択していますが、地方では進学を選択する割合が全国平均を下回っているところが多いようです。ちなみに、鳥取県は43.6%、島根県は45.9%といずれも、全国平均を下回っています。

学校数

平成20年現在、日本全国にある短期大学および大学の学校数は約1,200校で、そのうち、首都圏および京阪神にある学校数は約530校。当然、地方にも短期大学や大学はありますが、鳥取県を見ると短期大学を含めても県内には3校。つまり自宅からの通学圏内で学校を選ぼうと思うと、勉強する方向性や内容は大きく絞られることになります。

ギャップを感じたポイントはどこだったのか

関東にいた頃は、高校卒業後の進学先は自宅からの通学圏内に、数え切れないほどありました。そのため、あえて親元を離れて進学する選択肢をとらなくてもよい現状がありました。

しかし、山陰においては、先述したように自宅からの通学圏内で考えると、高校卒業後の進学先は選択肢が少ないのが現状。そもそも短期大学および大学等の名前がつけば、どこでも良いという人は稀であるわけで、学びたい内容によっては県外進学を余儀なくされます。県外進学となれば、生活費用等、学費以外にも大きく費用がかかることになります。

それに加え、そもそも進学率が、全国平均と比較しても高いエリアではないことを考え合わせますと、高校卒業後の進学に対して、二の足を踏んでしまう、もしくは未知な世界のため考えていないケースも少なくないのでしょう。実際、ご相談を受けていても、「他のご家庭はどうですか?」と逆に質問される方や、中学生くらいのお子様がいらっしゃるご家庭でも「大学?行くのかなあ?」と、教育プランが明確ではないと感じられることもよくあります。

しかし、高校で教育費についてのセミナーを行いますと、思いのほか進学費用がかかることに直前になってから気付いて進学を断念させた…といったような事例も耳にすることがあります。
単なる一般論ではなく、山陰からの進学事情、受験事情を踏まえ、ご相談の際のみならず、お子様をお持ちのご家庭に対して、準備すべき費用についてアナウンスして行く必要性が、地元ファイナンシャルプランナーには求められているように思います。

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