ジューンブライド【2012年 第6回】

【2012年 第6回 】ジューンブライド ~地域:全国平均

波多間 純子(ハタマ ジュンコ)  

従来の役割意識に縛られない新しい結婚の形の模索

若者たちはより時代に合った結婚観へ

「ジューンブライド」という言葉は6月に結婚する花嫁は幸せになれるというヨーロッパの言い伝えからきているそうです。花嫁さんは女の子の憧れの存在ですが、昨今の結婚事情はどのようなものなのでしょうか。

国立社会保障・人口問題研究所による出生動向基本調査によると、結婚する意思を持つ未婚者は9割前後で推移しています

気になるのは、「いずれ結婚するつもり」と回答した未婚者の中で「一年以内に結婚したい」または「理想的な相手が見つかれば結婚してもよい」とした未婚者の割合が、男性の働く形態によって大きく差がでていることです。男性の自営業・家族従業等、正規雇用者の方では「結婚してもよいと考える」人が多いのに対し、パート・アルバイトといった非正規就業者の人等は結婚意欲が低い傾向にあります。女性の方は就業形態によってそれほど大きな差が見られないことから、昨今の若年層を中心とした不安定な雇用の増加が男性の結婚離れを招いているようです。

とはいえ、前回調査と比較して多くの層で1年以内に結婚してもよいと希望する人が増えています。では、結婚にどのようなメリットを感じているのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

結婚のメリット・デメリット

結婚のメリットとしては、男女ともに「自分の子どもや家族をもてる」が1位で過去2階までの調査で急増しています。次に「精神的な安らぎが得られる」、3番目に「愛情を感じている人と暮らせる」が続きます。このように現在の未婚者の感じる結婚のメリットは内面の充足を目的にした理由が上位を占めています。

 一方、結婚の実利的なメリットとして男性で「生活上便利になる」「社会的信用を得たり、周囲と対等になれる」は年々低下の傾向があります。社会的な立場といった、外面的なメリットより家族を作って生活していくことでもたらされる心の充足を重視する傾向が強まっているのです。

 

 

 

 

 

結婚披露宴は周りの人に感謝を伝える場

ゼクシィによる結婚トレンド調査では、結婚披露宴や披露パーティーを挙げる理由として親や親族に感謝を伝えるためと答えた人が増加しています。さらに、挙式や披露宴の中で自分達と親やゲストとの関係を深める演出も増えています。一方、親・親族にすすめられたからと式を挙げたと答えた人は減っており、ここでも結婚披露宴等を外面的な体裁のためではなく、自分たちの周りの人に感謝の気持ちを表すことを目的としていることが見てとれます。

従来の役割意識にしばられない結婚生活を模索

高度成長期までの家族の役割は「夫が外で働き収入を得、妻が家を守り子どもを教育する」ことが前提で、一番効率の良い方法でした。しかし、1980年代後半には男女雇用機会均等法などをきっかけとして女性も社会で働く基盤ができ始めました。2000年代からは派遣法の改正などをきっかけに、非正規雇用の男性も増えていきます。若年層ほどその傾向が強いため、もはやこれから家庭を持つ場合、男性だけで家族を養える層はひとにぎりとなっている現状があります。

従来の役割での結婚のメリットは、男性は家事・育児を任せられること、女性は経済的安定が得られることのはずでした。しかし男性の収入が安定せず、女性が働きに出るかたちが進めば、これまでのおたがいのニーズを満たし合うことは難しくなっていきます。

それならば、男女という役割を一度取り払い、家族で助け合ってお互い得意なことをやろう、お互い不得意なら手分けしてがんばる方がより現実的です。今回の出生動向基本調査でも、結婚後に実際になりそうだと予想する女性のライフコースでは「専業主婦コース」が減り、育児中も仕事を続ける「両立コース」が増えています。

経済的に不安なら2人で働いて協力する、そのかわり、家事・育児も2人でがんばる。夫や妻という役割意識を捨てて「協力するパートナー」という気持ちを大切にすれば、よりつながりの深い素敵なカップルになっていくでしょう。ともすれば、結婚にまつわる話題は電撃的な離婚や派手な結婚式などが取り上げられやすいですが、その本質は日常の些細な幸せの積み重ねにあると思います。そして高度成長期前後の一部の時期を除けば、家族は自分のできることを環境に応じて精一杯やって家庭を支えてきました。そのことを若い方が冷静に理解しているようで心強く思います。

もちろん、人のつながりを深める人間関係は家族でなくてもできますが、結婚を希望する9割の人に、新しい「あなたの形」での結婚を始めてくださいと応援したい気持ちでいっぱいです。

従来の結婚の制度に縛られず、自分たちの結婚生活を積み重ねて作ってこうというに人となら末永く幸せに大事な日々を紡いでいけますね。制度にとらわれず、新しい現実を作っていけるカップルが誕生する社会こそ豊かな社会だと思います。

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