貴金属投資の基礎知識【2012年 第4回】

【2012年 第4回 貴金属投資の基礎知識】若者&奥様のための「商品投資入門」

三次 理加(ミツギ リカ)プロフィール

 

「24金」って何?前回、商品投資のメリットとして「信用リスクがない」ということを挙げました。「「Gold is Nobody’s liability」(=金は誰の債務でもない)という言葉に代表される「ゴールド(金)」をはじめ「プラチナ(白金)」「シルバー(銀)」などの貴金属への現物投資は、「信用リスクがない」投資の代表といえるでしょう。そこで、今回から3回にわけて、これら貴金属現物投資の基礎知識について紹介します。

24金ってなあに?

「24金(にじゅうよんきん)」という言葉を耳にしたことはありますか?

「純金のことでしょう?」と思った方、いらっしゃるかもしれませんね。

  ―その通り。正しくは「24K」です。

金の純度は「karat(K、カラット)」で表されます。24Kとは、純度100%の純金のこと。たとえば、18Kとは純度18/24、つまり75%の純度であることを表します。

 ダイヤモンドなど宝石の質量の単位も「カラット(carat)」といいますが、スペルが違うことからもお分かりのように、「karat」とは違うものです。「carat」は、純度ではなく重さを表しています。1 carat=0.2グラムです。

また、「karat」は、指輪など宝飾品に使われることが多いようです。一方、たとえば金地金(きんじがね、いわゆる延べ棒のこと)の場合、純度(品位ともいう)はカラットではなく「999.9」などのように刻印されます。「999.9」とは、1,000分の999.9以上の純度であることを意味し、「フォーナイン」と呼ばれます。流通している地金の純度は、貴金属の種類はもちろんのこと、国によっても異なります。日本では、金は「999.9」、白金は「99.95%」、銀は「99.99%」の純度の地金など(注1)が流通しています。
注1:白金や銀は上記以外の純度の地金も多い。

貴金属の重さを表す単位

 さきほど、ダイヤモンドなど宝石の重さを表す単位について触れましたが、貴金属にもそれ専用の重さを表す単位があります。それは、トロイオンス(Troy ounce=ToZ)。1トロイオンス=31.1035gです。 トロイオンスは、単に「オンス」と呼ぶこともあります。本来、1オンス=28gですが、一般的には「オンス」と呼んでも、それが貴金属の重量を示す場合には31.1035gであることに注意が必要です。また、トロイオンスは、主に欧米で使用されます。日本では、グラム(またはキログラム) が使用されます。

貴金属の価格表示

 貴金属の価格表示は、欧米では、1トロイオンスあたりのドル価格表示となっています。一方、日本ではグラム(またはキログラム)あたりの円価格表示です。ドル建て貴金属価格を円建てに換算する計算式は、以下の通りです。

 ※為替レートは、TTS(対顧客電信売相場)
※実際には、日本への運賃や保険料なども考慮する。

 また、貴金属現物の売買価格は、原則として2本値表示です。購入する際は「小売価格」、売却する際は「買取価格」で売買を行います。消費税は、買う時は購入代金に加算して支払いますが、売る時も売却代金に加算されるので受け取ることができます。なんだかちょっとお得な感じがしますよね!

 実際、過去に消費税率が3%から5%に上昇した際は、金の駆け込み需要がありました。今国会でも消費税増税について議論がなされていますが、増税となった場合、金の駆け込み需要が発生するかもしれませんね。

小売価格と買取価格の差は、貴金属の種類によっても、業者によっても異なります。たとえば、金地金の場合、グラムあたり約60円が多いのですが、業者によってはグラムあたり30円程度に設定しているところもあります。

売買代金の計算式は、以下の通りです。

 

※業者によっては、税込価格表示となっている。
※500グラム未満のバーの場合、バーチャージが必要となる。バーチャージは小売価格に加算、買取価格から減算される。バーチャージの金額や計算式は、業者により異なる。

次回は、金(ゴールド)や白金(プラチナ)の積立投資について紹介します。お楽しみに。

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