おひとりさまが住宅取得した後の保険見直し【2012年 第4回】

【2012年 第4回 おひとりさまが住宅取得した後の保険見直し】おひとりさまの保険年金

マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス

単身者世帯の増加は、「結婚しない」という選択とともに、住宅を取得して「自分のテリトリーを作る」と言う選択肢を作りだしました。でも、住宅取得だけの費用を考えていると、とんでもない落とし穴が。今回はおひとりさまが住宅を取得した場合の保険の見直し方について考えてみましょう。

毎月家賃を支払っていると、家賃を無駄に感じてしまい、ほどほどの給与が見込まれる方であれば、「買っちゃおう!」という気分になるのもうなずけます。

住宅を取得すると、引っ越し代や税金、火災保険、地震保険などの付随する費用はかなりの出費となります。

「今、家賃を支払っているのなら、同じくらいの負担で払っていけますよ」という甘い言葉に誘われ、他の出費を削ってしまった場合、思いもかけないリスクが出てくることもあります。

対応できるよう、必ず、住宅取得とともに、保険の見直しをしていただきたいものです。

一人であれば、保険を身近に考える機会もなく、生命保険会社の営業の方に言われるままに契約してしまうことも多いはずです。

第2回のコラムでは健康保険の給付について触れており、病気などで会社を休業した場合の傷病手当金について説明していますが、けがや病気になって会社を休業せざるを得ない場合、支給される給付は、医療費と生活費に消えてしまうこともあるでしょう。

そうなると、住宅ローンが返済できません。

失業や病気など、ある一定の期間給与収入がなくなってしまった場合、

補てんしてくれる住宅ローンを組むこともあるでしょうが、返済金額だけを考えて、利率の安いローンを選びがちです。

おひとりさまの場合、特に「住宅ローン」という大きい借金をした方は、公的健康保険だけでなく、プラスで民間の医療保障の充実を考えておいたほうがいいでしょう。

ちゃんとした治療を受けるということで、早く仕事に復帰できるという安心感もできるでしょうから。

医療保障の充実と一緒に考えていただきたいのは、介護に対するリスクです。

誰しも、「自分の介護」と言うのは考えたくないものですが住宅を取得したのであれば、我が家で出来るだけ長い時間を過ごしたいものです。

自宅で介護保険のサービスを受けながら、施設入所を考えず頑張るという手もあるでしょうが、民間の介護保険の検討も選択肢に取り入れてみてください。

公的介護保険では、4月に大きな改正が行われています。

改正の大きなポイントは二つです。

一つ目は、重度の人でも在宅で暮らせるよう、日中夜間なども、定期的な巡回や随時対応が出来るサービスを行うこと。

二つ目は、必要に応じてサービスを受けられるよう、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせた複合型サービスを創設すること。

この改正は、これまでの改正の流れからもうかがい知れますが、施設でなく、「在宅」で、最後まで過ごせるよう、環境を整えていくというための改正と言えます。

公的介護保険でここまで支給されるのは心強いのですが、比較的軽度の介護度でも支給されるものや、公的介護保険の介護度と連携して支給されるという介護保険が民間から発売されています。

一人であれば、軽い介護でも給付が受けられる安心やわざわざいろんな申請が必要がないという安心感もメリットと言えます。

おひとりさまが、住宅を購入するのは本当に大きな決断です。

途中で、結婚して売却することもあるでしょうが、起こりうるリスクのために、住宅取得以外の出費を削ることだけは考えないようにしましょう。

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