家族までもが幸せになれるライフプランニングを!【2013年 第12回】

【2013年 第12回 家族までもが幸せになれるライフプランニングを!】
歳の差カップルのライフプランニング

川崎 由華⇒プロフィール

『歳の差カップルのライフプランニング』と題し、DINKSとしての過ごし方から子育てのこと、保険、年金と、歳の差カップルの皆さんがライフプランを立てるうえで、ファイナンシャルプランナー目線からのお話を順に綴ってきました。
最終回は、親とのかかわりを含めて、ライフプランニングの大切さをお伝えします。

 

 

 

歳の差カップルの親の年齢差はいくつ?

ライフプランは自分の希望や目標、価値観だけで立てられるものではありません。

夫の定年、妻の働き方、お互いの平均余命、子どもの誕生や進路など自分たち世帯の家庭環境のことはもちろん、周りの方、特に親のことも含めて考えていく必要があります。
歳の差カップルの場合、それぞれの親が同じ年齢で自分たちを産んだのであれば、親の年齢も自分たちと同じ歳の差があることになります。
例えば、男性45歳、女性30歳の歳の差カップルのそれぞれの親が、自分たちを25歳の時に産んだとすると、男性の親は70歳に対して女性の親は55歳。
自分の親をイメージして相手の親に会い、お互いが自分の親との違いに驚いたという歳の差カップルも少なくないでしょう。
年齢別の就業率から考えても、年金収入でセカンドライフを送られていらっしゃる一方で、まだまだ現役で部下を抱えて働いていらっしゃるといった具合に、70歳の親と55歳の親では生活スタイルが大きく違うことが想像されます。
また元気そうに見える親も、年齢によって体力の衰えや健康への不安などから、生活環境に対する意識も違うかもしれません。
実際、内閣府による国民生活に関する世論調査(平成25年6月調査)によると、老後は誰とどのように暮らすのがよいか?という質問に対する回答は、50~59歳の方と70歳以上の方では違っています。
50~59歳の方は、子ども(夫婦)と同居または近くに住みたいと回答されているのは約53%に対し、70歳以上の方は約65%と高くなっています。
息子(夫婦)と同居したいという回答については、50~59歳の方が約8%に対し、70歳以上の方では約26%と大きな差が見られます。
この結果からも、自身の年齢が増すほど親は子どもを頼りに思い、子どもとしても年老いていく親を心配に思うことから、親の年齢によって親との関わりが深くなり、ライフプランにも影響してくることが想像できます。

親のことも含めてライフプランニングを

歳の差カップルのそれぞれの親にも年齢差があるとするならば、親との関わりが同時期ではなく、年齢差の分だけ時期がずれる可能性が考えられます。
状況によっては、結婚当初から年上の親のこと、のちに年下の親のことといった長期プランで自分たちのライフプランに組み込んで考えていかねばならないケースもあるかもしれません。

マイホームを購入する際には、親の住まいのことや、いずれ来る相続を考慮した方がよかったり、仕事を続けていく際には親の介護との両立ができるよう勤務スタイルを変更する必要があったり、子どもの進路を考える際にも影響してくる可能性もあるでしょう。
そんなことを頭に入れライフプランを立てる時には、自分たちが使える制度は何があるのか知っておくことが重要です。
例えば、いずれやってくる相続を考えて「相続時精算課税制度」や「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」を利用するかどうかを相談する、二世帯住宅を建てるならば「小規模宅地等の評価減の特例」を使えるようにしておく、勤務先の介護に関する規定を調べておくなど、ライフプランに基づいたマネープランには欠かせないことです。

歳の差カップルにライフプランニングが大切なわけ


そもそも、なぜライフプランを立てることが大切なのでしょうか。
もっと言えば、なぜライフプランに基づいたマネープランが大切なのでしょうか。

右にならえの人生ではなく、個々の価値観や生き方を尊重する時代になってきているからこそ、自分自身の将来をきちんと見据えてプランニングすることが大切なのではないでしょうか。
歳の差のある人を人生のパートナーに選ぶというのも、個々の生き方の一つの尊重ですよね。
そして、年齢と共に昇給し、貯金をすれば利子がつき、老後は生活にそれほど困らない年金が支給されることで、意識して将来のライフプランを設計していなくても不安を感じることが少なかった一昔前の時代とは違います。
この状況から考えると、年上のパートナーが生計を担っている歳の差カップルは特に、歳が上の分だけこれから先に得られる収入には限りがあるにもかかわらず、その収入の中で平均余命の長い年下のパートナーの生涯を支えなければならないと考えると、早くからのマネープランが大切になってくると思うのです。

最後に

歳の差カップルの皆さんに向けて、ライフプランを立てる上で歳の差があることをどう捉えていけばいいのか、制度はどのように活用できるのか、一年を通じてFP目線からのアドバイスをお伝えしてきました。
歳の差だけにとらわれることなく、お互いの意識や生き方を大切にし、あなたもあなたの家族も幸せが続くための参考にしていただければ幸いです。

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