発達障がい児を持つ会社員のパパママのための知識   【2013年 第7回】

【2013年 第7回 発達障がい児を持つ会社員のパパママのための知識 】
発達障がいの子をもつ家庭のためのファイナンシャル・プランニング

平野 厚雄(ヒラノ アツオ)⇒ プロフィール

このコラム連載は、ファイナンシャルプランナーとして、社会保険労務士として、発達障がいを持つ子の父親として、私が何を感じ何をしてきたのか?そして、発達障がいを持つ子の親が知っておくべきことは何か?という視点で執筆していきたいと思います。

 

労働法の基礎知識

現在、私は個人事業主として仕事をしておりますが、息子が自閉症だと診断されていた時は、社会保険労務士法人に勤めている従業員・・・つまり会社員でした。自閉症の親御さん、特にお父さんは会社員の方が多いのではないでしょうか?

この章を読んでいただきたいのは、そんな会社員の親御さんたちです。もちろん、働くお母さんも同じです。

私は社会保険労務士といって、会社の人事労務のご相談や就業規則等の社内ルールの作成の仕事等の仕事をしています。

したがって、例えば有給休暇をどうするのか?労働時間をどう管理するのか?社員に辞めてもらいたいけどどうすれば良いか?という問題に日々触れておりますので、労働基準法等のいわゆる労働法の知識があります。

しかし、一般の方はいかかでしょうか?

私の息子は2歳半の時に生死を彷徨う入院をしました。そして、その時、私は会社員でしたので有給休暇をフル活用して休み看護にあたりました。振り返ってみれば、この有給休暇も労働法(労働基準法)の知識がしっかりあったからフルに使えたのだと思います。

 

そのような私の状況の経験を踏まえて、発達障がい児をもつ親御さんにぜひ知っておいていただきたい労働法の基礎知識をお伝えしたいと思います。これを知っていれば、子どものことでいざ休まなくならなくてはいけなくなった時や会社を辞めることになった時など役に立つと思います。

 

まず、お聞きしたいのですが、皆様は自分が勤めている会社の就業規則をご覧になったことはありますでしょうか?見たことはあっても内容までよく理解しているという方は少ないのではないでしょうか?

就業規則というのは、その会社のルールが定めてある会社の憲法のようなものです。そこに書かれている内容が、あなたと会社の間の契約内容の基本となります。したがって、会社員の親御さんは、まずこの言葉を頭の中に入れておいてください!

 

 

 

 

中には「えっ、就業規則なんて見たことない」という方も多いかと思いますが、就業規則は、常時働く労働者(正社員・パート等を問わず)が10人以上の事業所に作成が義務付けられています。したがって、常時働く労働者が10名以上いらっしゃる会社の社長は作成義務があり、さらにそこで働く従業員に周知する義務があります。もし、作成していないとなったらそれは労働基準法違反になりますので、社長さんは早急に作る必要があります。

 

中には就業規則は見たことがないけど、「入社したときに雇用契約書を交わしましたよ」という親御さんもいらっしゃるかと思います。雇用契約の内容も就業規則の内容と関係があります。雇用契約書が就業規則の内容を下回る場合は、就業規則に書かれている内容が労働契約の内容となります。会社と交わした雇用契約書があれば、その内容を理解することももちろん大切ですが、ご自分の会社の就業規則の内容をよく理解しておくことがより重要になってきます。

 

ちょっと難しい話になってしまいましたが、とりあえず「まずは、就業規則を見る」ということだけは頭の中に入れておいてください。それだけ、会社員さんにとって就業規則というものは本当に大切なものなのです。

 

私たち社会保険労務士が、会社の中で社長と従業員の間でトラブルが起きたときは、まずこの就業規則を基に解決を図っていきます。別の言い方をすれば、就業規則に書いていない取り扱いは原則できないない、ということです。したがって、まず、正社員、パート等、身分は関係なく法人や個人事業所に雇われて働いている親御さんは、まず、会社の憲法である「就業規則」をしっかりと読んでおくか、手元に置いておき、何かあった時はすぐに確認できるようにしておいてください。

 

従業員が10名未満の会社に勤めていて、就業規則を見たことが無いというかたは、雇用契約時に交付されたはずの、雇用契約書や労働条件通知書といった書面をご確認ください。

 

次月は「有給休暇」についてふれたいと思います。

 

 

<Fight4uの紹介>

 

「Fight4u」は、自閉症等の発達障がい児・者のお父さん等のランナーもしくはランナーのサポーターの方を中心に組織されたグループ「Run4u」の兄弟グループです。「Fight4u」では、格闘技を通じ社会に対して「発達障がい」についてのメッセージを発信しています。「Fight4u」のコンセプトは以下の5つです。

 

(1)格闘技を通じて健康を維持・向上しましょう!

(2)発達障がいに関する理解と支援を求めるメッセージ付きのTシャツや、パンツ、スパッツ、胴衣にロゴをつけて、社会にメッセージを発信しましょう!

(3)障がいのあるなしに拘わらず、誰もが活き活きと輝き、豊かに暮らせる社会「インクルージョン社会」の実現をめざしましょう!

(4)子どもを守るため、親御さんも強くなりましょう!

(5)格闘技を通じて、親子関係を深めましょう!

 

この「Fight4u」は格闘家だけが対象ではありません。格闘技は見る専門の人、昔格闘技をやっていた人、子どもに格闘技をやらせたい人、格闘技を通じて健康になりたい人、格闘技に興味がある人等、何らかのかたちで格闘技に関係している人、興味を持っている人であれば歓迎です。この「Fight4u」の活動にご興味がある方は、以下のHPよりお問い合わせください。

「FP社会保険労務士事務所 柔コンサルティング http://www.yawara-bjj.jp/

  • コメント: 0

関連記事

  1. 失敗しない!50歳からの移住・プランニング【2009年 第11回】

  2. [ボーナス]地域への投資(企業を対象)【2006年 第1回】

  3. こどもをつれてどこいこう?【2006年 第1回】

  4. 住宅ローン減税の申告はお早めに!【2012年 第2回】

  5. 池田龍也 の 経済ニュースよもやま話 第9回 経済ニュース10本の柱 「企業活動」

  6. 公的介護保険の要介護(要支援)認定状況 【2016年 第5回】

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。