スマート家庭経営への道~「貯蓄」は万能選手【2014年 第2回】

【2014年 第2回】スマート家庭経営への道~「貯蓄」は万能選手

中村 真佐子(ナカムラ マサコ)⇒プロフィール

 

貯蓄などの資産のない世帯は、20%超えている現状。貯蓄は、ライフプランの実現のために行わなければならない、家庭経営の行動の1つです。貯蓄の良さをしっかり理解して、少しでも早く行動を起こしましょう!

 

 

 

資産のない世帯

金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2012年)によると、「金融資産を保有していない」との回答が26%という結果となっています。
収入のない人で58.1%、年収300万円以下で36.6%となっており、収入の低い人ほど金融資産がない人が多い結果となっています。一方で、収入のある年収1,000万円~1,200万円未満の層でも11.4%の人が金融資産がないと答えています。
年収が1,200万円未満の層でも2ケタ以上のパーセンテージで金融資産がないという結果が出ています。

金融資産がないとどうなるの?

金融資産がないとどうなるのでしょう。ある程度収入がある人は、日々に生活には困らないでしょう。
金融資産がないということは、収入で得たお金を全部使ってしまっているということになります。

そのような生活をしていると、収入が減れば、生活レベルを落とさなければなりませんし、生活レベルは、そう簡単に下げることもできませんからお金が足りなくなります。
貯蓄があれば、少しずつ切り崩してその間に生活水準を落とす事に努力すればよいのですが、切り崩す貯金がなければ、借金をすることになってしまいます。借金は利息を付けて返済しなければなりませんので、当然かなり生活を切り詰めなければならなくなります。

経済環境の変化で収入も変化します。想定外のことも突然起こることもあります。
そのような時、貯蓄がないと先行きの生活が危ぶまれることになります。

身の丈にあったお金の使い方

スマート家庭経営を目指すには、まず身の丈に合ったお金の使い方をしなければなりません。
身の丈に合ったお金の使い方とは、限りある収入の範囲内で、生活のためにお金を使い、将来のためやいざというときのためのお金の準備もすることを言います。
収入の範囲内で支出と貯蓄をするのです。
収入と支出がイコールなのは、スマート家庭経営では身の丈に合ったお金の使い方ではないのです。

貯蓄のない家庭は、まず家族を守る貯蓄を

貯蓄のない家庭は、まず家族を守る貯蓄を始めましょう。家族を守る貯蓄とは、いざというときになんにでも使えるお金です。このお金があると精神的に大きな安心と何かあった時の救いになります。

何かあった時とはどのようなことでしょう。経済的にも精神的にも大きなダメージを受けるのは、収入がなくなる時です。健康を損なってしまい働けなくなるパターンが多いです。急にリストラに合う、会社が倒産する、仕事がなくならなくてもボーナスカット給料カットが行われることも家庭にとっては大
きなダメージとなります。

一家の収入源を担う人は病に倒れたら、収入はなくなり病気の治療にもお金がかかるダブルパンチとなるのです。そのような時に、蓄えがあれば当面は暮らしていけますね。

何かあるとき、それは、収入がなくなったり、病気になることだけではありません。地震や津波などの自然災害にあうこともあります。そんな時もお金が必要です。
貯蓄が全くない人は、心の安心を得るためにも、家族を守る最低限の貯蓄は確保しましょう。

貯蓄できるしくみつくり

貯蓄をするには、まず貯蓄ができるしくみ作りから始めましょう。まずは、手取り収入の10%を強制的に貯蓄するしくみを作ります。

例えば、手取り収入25万円でしたら、貯蓄金額は手取り収入10%の25,000円です。毎月貯めると1年で30万円貯まります。

給与振込口座から貯蓄口座へ給料日に強制的に移すように、金融機関に手続きをします。勤め先に財形貯蓄の制度がありましたら、ぜひ活用しましょう。給与から強制的に貯めることができます。
簡単に引き下ろせないようにしておくことも大切です。あそこにお金があると思うと、大したことのない何かあった時に気軽に使ってしまいます。

何かあったときに使うお金は、家族が危機にあい、生きることが危ぶまれたときに使うものです。

貯蓄は万能選手

貯蓄のしくみがうまくいき、さらに貯蓄を増やそうというモチベーションに持っていけたら大成功です。
家計の流れが良くなります。身の丈に合ったお金の使い方ができるスマート家庭経営がうまく回り始めるでしょう。

貯蓄は、いざというときに安心をもたらします。なんにでもでも使える万能選手です。いざというときの備えとして、保険がありますが、死亡への備えは、生命保険、けがや病気には医療保険、など起こりうるリスクそれぞれに保険料を支払います。起こらなかったら保険料は払い損。貯蓄は何か起こったものだけに使うものですから、どんな時もなんにでも使えるのです。

貯蓄って大切ですね。身の丈に合ったお金の使い方をしていますか?
まずは、1か月の収入と貯蓄はどのようになっているか確認してみましょう。

 

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