中国:ハードとソフト二つのシナリオ【2012年 第3回】

【2012年 第3回】中国:ハードとソフト二つのシナリオ
ケース別コラム – 海外メディアから読み取る資産運用

マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス

 

最近、豪英資源大手BHPビリトンが、中国の鉄鉱石需要が横ばいに鈍化しつつあると指摘。中国の景気に影響を受けやすい豪経済の先行き不安はもとより、各国の株式市場や商品市場、資源国の通貨が下落する局面がありました。

そんな中国が、ハード・ランディング(シナリオ1)するのか、ソフト・ランディング(シナリオ2)するのかが、ことあるごとに話題に上りますが、今回紹介するは、シナリオが1なのか2なのかの議論ではなく、それぞれのシナリオとその他のアセットクラスに対する影響について触れた、フランスの大手金融機関ソシエテ・ジェネラル(※1)のストラテジーノートです。
(残念ながら、原文ではなくPRAGMATIC CAPITALISM(PC)(※2)とBloomberg(※3)の記事を参照したものですが。)

冒頭では、「ユーロ圏債務危機は、中国経済の活力を奪う:」とし、
・中国は2010年の世界経済成長の最大の貢献者(2010-13の間の平均は31%と予測:IMF)
・中国温家宝首相は、全国人民代表大会で2012年の経済成長目標を昨年までの8%から7.5%に引き下げると表明
・貿易赤字の拡大
・不動産価格高騰抑制策と住宅価格の下落
と続きます。

ここまでで、中国のハードランディングと世界経済の混乱に焦点を当てたノートかと思いましたが、それ以降は、二つのシナリオのプラス面とマイナス面を考慮した分析でした。

シナリオ1:中国ハードランディング(成長率7%以下)

温家宝首相が述べるように、中国の経済成長は、ユーロ危機に敏感。
欧州の緊縮財政と中国の構造改革には時間が必要で、中国の成長が鈍化するリスクはある。
エマージングマーケット株式とコモディティ価格へのネガティブインパクト。
しかしコモディティ価格(特に原油)の下落は、西側経済と家計の購買力をサポートする。
高級品を除く欧州企業の対中国収益は僅か6%に過ぎず、欧州株式市場にはポジティブ。

シナリオ2:中国ソフトランディング(成長率7.5%)

世界銀行のレポート”China2030”にあるように、中国が輸出成長と国内需要のバランスの取れた構造改革の実行に成功することを意味する。
このことは、中国当局にさらなる元の再評価(2005年以来、対米ドルで30%上昇している)を後押しする。
このシナリオでは、リスク資産にポジティブ。
先進国にとっては、インフレーションが大きな問題となり、商品価格(とりわけ原油)は高止まり。
先進国の債券金利は急激に上昇。
新興国株式は強気。

 

 

参考文献
※1)ソシエテ・ジェネラル
http://ja.wikipedia.org/wiki/ソシエテ・ジェネラル
※2)PRAGMATIC CAPITALISM CHINA’S 2 SCENARIOS:HARD LANDING OR NO HARD LANDING?
http://pragcap.com/chinas-2-scenarios-hard-landing-or-no-hard-landing
※3)REUTERS STOCKS NEWS EUROPE-China hard landing may lift European shares
http://uk.reuters.com/article/2012/03/19/markets-europe-stocksnews-idUKL6E8EJ0ZJ20120319

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