就職活動~理系男子ランキング、トヨタ自動車トップ守れず!?~【2005年 第1回】

【2005年 第1回】就職活動~理系男子ランキング、トヨタ自動車トップ守れず!?~ 新卒者

大石 泉(オオイシ イズミ)⇒ プロフィール

2007年卒の大学生の就職活動が本格化し始めた。

㈱ダイヤモンド・ビッグアンドリード調べ「大学生が選んだ就職先人気企業ランキング2005」によれば、理系男子では昨年初の1位となったトヨタ自動車をおさえ、松下電器産業が調査以来初の1位に輝いた。
2位は日立製作所、3位はNTTデータ。トヨタ自動車は6位という結果だ。

人気ランキング

文系男子では、1位三菱商事、2位三井物産のツートップ体制が3年連続となる快挙。
9位に住友商事がランクインするなど、文系では商社人気が根強い。
女子の結果を紹介しておこう。
理系女子では、1位ロッテ、2位サントリー、3位NTTデータ。食品業界の人気は昨年から高まり、ロッテは初の1位である。
一方の文系女子は、1位東京海上日動火災保険、2位JTB、3位ANA、の順。4位には損害保険ジャパンがランクイン。金融業の採用復活基調が伝わり、志望者数が増えたことも一因といえる。

求人倍率

2006年卒業予定の大学生・大学院生を対象とする、全国の民間企業の求人総数は69.9万人と昨年より10.2万人(+17.1%)の大幅な増加。
大量採用が盛んであった、好景気時代の1989年卒業対象の求人総数と同水準になったというから、もの凄い。
一方の学生の民間企業就職希望者は、43.6万人と昨年より0.1万人の微増。その結果、求人倍率は1.60倍(昨年は1.37倍)となった。

求人総数増大要因

先の求人に関するデータは、㈱リクルートワークス研究所の調査によるものだが、同研究所では、求人総数の増大要因を3つ挙げている。
一つは、景気要因。二つ目は、企業内の雇用構造要因。これは、近年、正規社員から非正規社員へと雇用の転換が図られてきたが、非正規社員では置き換えられない人材需要が発生していることに起因する。
そして三つ目は、少子高齢化要因。何かと話題の団塊世代の大量退職に加え、少子化による採用難を見越しての人員確保の必要性によるものだ。
数字上は、企業側の求人総数が学生側の民間企業就職希望者数を26万人上回っているが、学生は手放しで喜んでいられない。企業の採用担当者からは厳選採用を継続するとの方針が聞かれる。
優秀な学生に内定が集中し、一部の学生は内定が取れない、という二極化現象は続くのだ。

二極化現象

「二極化」。ある意味、今日の日本を象徴するかのように、いたるところで登場する言葉である。
8月1日に公表された路線価でも、上昇地点が登場する一方で下落率が拡大する地点が存在する、地価の二極化。
人気の有るものと無いものが明確になり、「ひとまず」「とりあえず」と、必要以上の在庫を抱える余裕は、家庭にも企業にもない。
人材もそう。企業は焦っておらず、自社にとって必要な学生が欲しいのであって、何が何でもの募集人員数確保が最優先課題ではあるまい。

今年の2月、愛知県の名古屋商科大学で就職支援講座のサブ講師を務めた。
6日間にわたるプログラム。徹底した自己分析で自分の棚卸を行い、自分をプレゼンテーションする力を身につけるもの。
講座の始まりと終わりでは学生の目の輝きがまったく違う。
就職活動や社会人になることの不安が自信に変わるのだ。
学生は皆真剣で前向き。志望する企業や業種が決まっている子もいない子も、自分の適性がわかるにつれて方向性が明確になる。
彼らがこれからの愛知県や日本を支えていくのかと思うと、感慨深い6日間であった。

【2005年09月14日00時00分】

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