尾久陽子 の 私の母も要介護。はじめての介護に戸惑うあなたに届け、ホッとコラム 第2回 老いた親が心配だ=親の介護が心配だ=介護保険適用? 親の介護って、もう始まっているよね!?【2024年4月】

日本全国の、親の介護に戸惑う息子様、娘様の皆々様、いかがお過ごしでしょうか。

第1回のコラムで気合を入れすぎて! その後、私も娘様として泣くに泣けない事件もあったりして(母さんのケアマネ、交代しました…)、
コラム原稿の締め切り、2か月も遅れてしまいました。
遅筆どころの騒ぎでない!!ううう、大変申し訳ございませんでした!
母さんは元気です!母さんの耳元で「母さんをネタに仕事してるんだから頑張って生きてくださいよ」とつぶやくと、
母さんは「そうかい」とにやりと笑っております。
その姿は、時代劇の悪代官と庄屋のようです。

気合入れなおして、ビシバシっと参ります!!よろしくお願いします!

さて、第2回のホッとコラム。

今回のテーマは「老いた親が心配だ=親の介護が心配だ=介護保険適用? 親の介護って、もう始まっているよね!?」です。

第1回で、わたくし申し上げました。親の介護は突然やってくると。
介護の大原因である認知症と高齢による衰弱をのぞけば、介護に至る原因の多くは、転倒、骨折、心不全、脳卒中。
昨日まで元気に暮らしていた親が突然介護状態になり、戸惑うものなのです。

ただ、どなたにとっても老いた親に対して、子としての気苦労や、心配がおありなのではないかと思うのです。
誰だって、老化の道を歩んでいるのですから。

尾久陽子⇒プロフィール

 

 

老化と老年症候群

「老化」には、「生理的老化」と「病的老化」があります。

年を取ると、いろいろな不快な症状や持病に悩まされるものです。
これらを年のせいといって対処しないままにしておけば、寝たきりにならず、自分一人で暮らせる力(生活自立度)の低下につながってしまうかもしれません。
このようなおそれのある症状や症状の組み合わせを「老年症候群」といいます。
老年症候群は、生理的老化と病的老化とが組み合わさったものです。
老年症候群の予防には、「運動」「食事・栄養」「社会参加」「生活習慣病の医療管理」などが必要です。

 

老いた親が心配だ=親の介護が心配だ=介護保険適用?

離れて暮らす親の耳が遠くなり、電話でもなんだか会話が成り立たない、とか。
だんだん怒りっぽくなってきている親が気になる、とか。
家に引きこもりがちの親が心配だ、とか。

息子様、娘様の我々にとって、まずモヤモヤと気になるのは、そういうことなのではないでしょうか。
これを、「親の介護が心配だ」っておっしゃってるのではないかと、思うのです。

では、禅問答のようですが、「介護」ってなんでしょうか。

なるほど。
しかし、看病というよりは、わたしたちの「介護が心配」という時は、もう少しライトに「世話が大変になるのかな」「一緒に住まないとならないかな」とか、そんな感じなのではと思うのですが、どうでしょうか。

 

 

 

介護といえば、すなわち「介護保険」と思い浮かぶ方も多いでしょう。介護保険法に介護がどのように規定されているかと言えば、

介護保険に基づいたサービスを、所得に応じて1~3割の自己負担で利用することができる(介護給付を受ける)ためには、お住いの市町村で、要支援・要介護認定を受ける必要があります。
要支援・要介護認定は、起き上がれますかとか、歩けますかとか、着替えできますかとか、そういう調査項目に則って、必要な介護の時間数を算定して決まるわけですから。何か人の手助けが必要な状態が前提なわけです。
一人暮らしは心配だわ~、っていっても、一人で買い物にすたすた歩いて行って、料理も作れて、掃除も洗濯もできて、なんとか暮らせていますけどという状態であれば、介護保険では「自立」といって、介護が必要な状態とは認定されないかもしれないわけですから。

介護保険「自立」でも、高齢者のサポートはある!

でもね、息子様・娘様にとっては、そんな「親の介護=見守りや安否確認、ちょっとした生活の手伝い」が心配なんじゃないかと思うのです。

そういう場合は、親御さんが住んでいる市区町村のホームページから「高齢者福祉」「高齢者支援」のページを検索してください。介護保険が給付されなくても、支援が受けられます。

たとえば、東京都葛飾区だと、こんなページがあります。介護保険だけが、高齢者の助けではありません。いろいろ、あるはずです。

要介護認定を受けていない人も対象だったものをいくつか紹介します。

実際に、利用するには、年齢や所得などの条件があり、費用がかかるものもありますが、高齢者の方が自宅での暮らしを続けていけるように自治体が独自に提供しているものです。使わない手はありません。

 

▽一人暮らしで心配
毎日訪問(乳酸菌飲料配達)による安否確認
見守り配食サービス(お弁当を配達して、安否確認を行う)
火やガスを使わずに調理できる電磁調理器の購入助成
月1回寝具の消毒乾燥サービス
見守り型緊急通報システムの設置
救急医療情報キット(冷蔵庫に必要情報を入れておけるケース)の給付
▽たまには、家に引きこもってないで外にでてほしい
フィットネスクラブの利用助成
区内の銭湯を割引で利用できる入浴証を発行
開店前の銭湯でレクリエーション
▽簡単な家事を手伝ってほしい
ボランティアの派遣
▽話し相手がほしい
傾聴ボランティアの派遣
▽耳が遠くて困っている
補聴器購入費助成

 

お住いの市町村によって内容は異なりますが、助けになるものがきっとあるはずです。

むしろ、お元気な時のほうが、「話をしたい」「買い物をしたい」「病院に行きたい」といった意欲がおありで、むしろ手助けが必要だったりするものです。

 

介護保険の利用、というと、大体の方が、ホームヘルパーさんを家に呼ぶことや、デイサービスに行くことを想像し、他人の世話にはなりたくないと嫌がるものです。

いままで自分の好きなように寛いでいた自分の家に、いろいろな他人が来てあれこれ触られると思ったら、落ち着かない気持ちになるのも当然でしょう。

家族以外の他人の人と関わることに慣れていくにも、介護保険利用前から、支援者との触れあえる機会があると、受け入れもしやすいかもしれません。

 

そうです。介護保険利用前だって、子の我々にとっては、親の介護は始まっています。
老親の悩みを、息子様・娘様だけの二者関係に硬直させず、早いうちから、他の支援者と緩くつながっていくことを、お勧めします。

 

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