「ねんきん特別便」対応マニュアル ~その③【2008年 第3回】

【2008年 第3回 「ねんきん特別便」対応マニュアル ~その③~】年金コラム

佐藤 朋枝(サトウ トモエ)⇒ プロフィール

 

厚生年金は、いつから?

わが国の年金制度は昭和17年から始まった、と先に紹介した。
そして昭和19年に厚生年金と改められ、会社員や女性も加入できることになった。
「昭和19年前から会社で働いていたのに、厚生年金の資格取得年月日がずっと後になっている」というケースがある。
これは会社自体が、厚生年金に加入した(新規適用)のが昭和19年より後、であるためだ。
このようなケースでは、自分が働いていた会社が厚生年金に加入した(新規適用)年月日を社会保険事務所で確認する必要がある。
そして厚生年金の加入には、年齢の上限がある。
平成14年3月末までは65歳、平成14年4月1日以降は70歳となっている。
この70歳を過ぎても会社で働いている場合には、加入年齢の上限がない健康保険だけ継続して、厚生年金は70歳で抜けることになる。

働き損になる!?

60歳以降、年金を受給しながら働いている(厚生年金に加入している)と、給料と年金の額に応じて、厚生年金が減らされる。この減らされた年金を在職老齢年金という。
平成19年4月から、在職老齢年金のしくみが、70歳を過ぎて働き続ける人にも適用されることになった。
つまり70歳を過ぎて会社で働き続けた場合には、厚生年金保険料を納めることはできないので年金額は増えない一方、給料と年金の額に応じて厚生年金額が減らされてしまうのだ。
「60歳過ぎて何歳まで働き続けるか?」の選択をする際は、働いた(厚生年金保険料を納めた)分どれくらい年金額が増えるか、働いた(厚生年金に加入した)分どれくらい在職老齢年金として年金額が減るのか、社会保険事務所で計算してもらおう。

会社で働いていたのに厚生年金に空白がある!

年金記録確認第三者委員会には、コラムの最初に紹介した、厚生年金の期間に中抜けが生じているケースが多く申し立てられている。
なぜ同じ会社で働いているのに、厚生年金の空白が生まれてしまうのだろうか?
原因の多くは、転勤などで勤務場所の異動があったときだ。
厚生年金は支店単位など、事業所の場所毎に管轄の社会保険事務所で制度に加入する場合がある。
つまり支店を転勤する度にいったん厚生年金から抜けて、新しい赴任先で再び厚生年金に入るのだ。
ここで届出手続きのミスが生じる。赴任先が新たに立ち上げた事業所であると、その事業所自体が厚生年金に未加入の状態であることもある。
「ねんきん特別便」を受け取ったら、働いていた会社の勤務期間の中で、厚生年金の空白期間がないかどうか、必ず年月日を順を追って確かめよう。

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