運用商品の中身 その2(株式投資について)【2011年 19回】

【2011年 19回】 運用商品の中身 その2(株式投資について) 相談コラム

恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒ プロフィール

 

 

 

 

 

相談内容

  • 相談者 Cさん(27歳) 男性/未婚
    23歳から積み立てを始めた銀行預金が100万円ほどあります。今のところ使う予定がありません。現在の預貯金の金利ですと、将来のインフレになった時が不安です。
    インフレ対策として株式での運用を考えていますが、株式での運用を始めるにあたって注意するポイントを教えて下さい。

    回答

    Cさんが考えられているように、金融商品の中で株式はインフレ(モノの値段の上昇、貨幣価値の下落)に強い商品になります。
    今現在、日本国内はデフレ(モノの値段が下落、貨幣価値の上昇)の状況が続いていますが、他の国では新興国を中心にインフレ傾向になってきています。原料費や石油などのエネルギーの高騰や人件費の上昇などがインフレ要因あげられます。

    最近4、5年程度の期間で円と米ドルの為替の動きを見ていますと1ドル100円、120円の時期もありましたので、現在の1ドル80円前後の状態から円安の方向に動けば、日本でもコストアップによるインフレが起こる可能性は十分に考えられます。
    そのために、インフレも想定の範囲内として資産管理をしておきましょう。

    株式投資をすることにより期待できる収益(儲け)について説明をしていきます。
    株式投資で期待できる収益は大きく2つあります。
    1.購入時より株価が高くなった時に得られる値上がり益。
    2.企業の利益の中から支払われる配当
    になります。

    多くの方は、1.の値上がり期待で購入されることが多いと思います。
    しかし、最近の東証1部の平均配当利回りは2%前後で推移しており、元本が変動するリスクはありますが預貯金の金利に比べて高い利回りが期待できます。長期で運用を考えているのでしたら配当にも注目しておきましょう。

    また、株式は金融商品の中で価格変動が大きい商品になりますので、リスク(価格の変動)を抑える方法を2つほど紹介いたします。

    1つ目は、複数の銘柄(会社)に分散して投資をする銘柄分散という方法です。
    景気や経済の状況に対して違った値動きをする銘柄を組み合わせることで、投資した株式全体での投資資金の変動を低く抑える効果が期待できます。

    2つ目は、投資するタイミングを分ける時間分散です。
    株価は、景気や金利、経済の状況により会社の業績に関係なく株価が上がったり、下がったりすることがあります。投資のタイミングを分けることによって、株価が下がった時に購入することが可能になります。それにより、購入した株価の平均購入単価を低く抑えることが期待できます。

    また、何%値上がったらいったん売却し利益確定、何%下がったら売却し損失確定をするルールは決めておくことも、損失を大きくしない対策になります。

    以上、株式投資を始めるにあたって注意するポイントとリスクを軽減する方法について説明をさせていただきました。27歳からの株式投資ですと、かなり長期の運用が可能です。焦らず、じっくり株式投資による資産形成に取り組んでください。

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