固定費の節約技 ~まとめ払い~【2013年 第4回】

【2013年 第4回 固定費の節約技 ~まとめ払い~】 家計節約~家計のダイエット〜

中村 真佐子 ⇒  プロフィール

家計ダイエットは支出を無理なく減らしていこうというもの。支出削減の王道は固定費から。今回は固定費のまとめ払いについてみていきます。

固定費とは

固定費とは、前回のコラムでもご紹介しましたが、毎月一定の支出があるもので、「家賃」「保険料」「税金」「授業料」などがそれにあたるものです。季節や使い方によって多少変動する「通信費」や「水光熱費」も固定費に含めます。

支出削減の王道は、固定費の削減から言われていますが、それはなぜなのでしょうか。

固定費は毎月一定に支出しているもの。ライフステージ(年代)によって必要な支出が変わってきます。当たり前だと思っている支出も改めて適正であるかを定期的にチェックすることで、無駄な支出を防ぐことができるのです。

 

また、固定費は、継続的な節約に励まなくても1度の手続きで、支出削減をできることから、節約への負担感が少ないのも良い点です。さらにまとめ払いも固定費支出削減には効果があります。

中村さん4月分イメージ画像固定費でまとめ払ってお得なもの

固定費でまとめて払ってお得なものは、「保険料」が代表的なものです。

「保険料」のうち、公的な保険料もまとめ払いができるものがあります。

 

自営業の人が加入する「国民年金保険」の保険料です。口座振替で1年分前納にすると保険料が年額3,780円割り引かれます。サラリーマンが加入する健康保険や厚生年金は給料やボーナスから毎月強制的に差し引かれ、まとめて払いという選択はできません。

生命保険や医療保険、自動車任意保険などの民間保険会社の保険料の1年分まとめて払うと保険料が安くなります。毎月支払っているつもりで積み立てることでまとまったお金を作り出す方法が堅実です。ボーナスをまとめて払いに利用する方法もありますが、ボーナスをあてにしすぎないようにしましょう。

民間保険の中では、学資保険などの貯蓄性が強く満期で保険金が支払われる保険商品や解約返戻金を目的とした保険商品の場合に効果があります。まとめて払うことにより、支払う保険料が安くなり結果的に満期時に受け取る金額が多くなります。

定期保険や医療保険など保障を目的とした保険商品の場合も、まとめて払うと保険料が安くなりますが、保険の特性から、いつ保険金や給付金を受け取るのかがわからない為、保険金や給付金の支払いのタイミングによっては、まとめて支払ったことが結果的に保険料の負担増になってしまうこともあります。

民間保険の保険料については、保障の見直しをすることにより保険料を減らすことができます。保険の直しについては、次回以降のコラムで触れていきます。

まとめ払いは、「借金」についても同じことが言えます。

「借金」は、返済が完了するまで家計の中では固定費とみてよいでしょう。

住宅ローンや自動車ローンなどの「借金」もまとめ払いをすると本来負担すべき利息分を軽減することができます。住宅ローンでいう繰り上げ返済がそれに当たります。キャッシングやカードの分割払いやリボ払いなどの小さな借金は、赤字家計の元凶です。生活を見直して、最優先でまとめ払いを実行する必要があります。

まとめて払ってもお得でないものやまとめて払えないもの

「税金」では固定資産税や自動車税など、毎年支払いがあります。固定資産税は1年分を分割支払っても、一括で支払っても金額は変わりありません。

「家賃」も一般的にはまとめて支払うことができません。UR賃貸住宅の場合は、1年払い、5年払い、10年払いの制度があります。ただ、割引率が良いわけではなく、1年払いの場合月換算で90円程度の割引ですのでお得感はないといってよいでしょう。

 

毎月の使い方で支出が変わる「通信費」や「水光熱費」もまとめて支払うことができません。NHKの受信料については、年払いにより7.5%割引になります。

固定費のまとめ払いを見てきましたがいかがでしたでしょうか。

必ず支払わなくてはならない固定費は、計画的に準備し、まとめて支払えるものを選別しましょう。少しでも支出を減らすことができれば家計ダイエットとしては効果大です。

「通信費」については、毎月の通信料には変動がありますので、月々の支払いをまとめることはできませんが、他の部分を「まとめる」ことにより通信費を削減できます。

家族でまとめる。携帯電話、パソコンなど家中の通信機器に対する支払いを一つの会社にまとめる。というように通信費については、様々なまとめ方があり、それにより通信費を削減することができます。

それを踏まえ、次回は、固定費の中でも支出割合が最近増えている通信費にスポットを当ててみていきます。

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