本当の予算のつくりかたを知る【2013年 第4回】

【2013年 第4回 本当の予算のつくりかたを知る】
注文住宅を建てたい人のための、知って得するマメ知識12

奥田 知典(オクダ トモノリ) ⇒ プロフィール

注文住宅を建てる際の、予算の考え方について、住宅専門FPがお伝えします。

 

 

予算をしっかり組みたてること

注文住宅に限らず、住宅購入において、予算をしっかり組みたてることは、何よりも大切です。

特に、注文住宅は一般的に、企画住宅やローコスト住宅に比べお金がかかりますので、計画当初から、予算をしっかり組みたてておくことが大切です。

実際、予算を甘く見積もっていたため、家づくりの途中でお金が足りなくなり、慌てて金策に走るケースや、本来は庭まで含めた一体感のあるプランだったにもかかわらず、予算の都合で外構工事ができず、建物のまわりは土のまま…というケースが散見されます。そうなると、せっかく夢のマイホームを実現しても、やりきれなさが残ってしまいます。

 

そうならないためにも、注文住宅を建てるにあたっては、予算、すなわち資金計画をできるだけ正確にたてておくことが必要です。今回は、注文住宅の家づくりに欠かせない、本当の予算のつくり方について、お話します。

■みんな、予算はどうやって決めている?

家を建てたい!と思ったら、まず考えるのは予算のこと。それは皆さん共通のことだと思います。ただ、その予算の考え方は、十人十色。明確な基準はありません。

ただ、多くの人が、今の支払い家賃を基準に、借入できる金額を計算し、予算を決めています。「今が月7万円の家賃だから、その程度の返済額で済む住宅ローンを借入しよう」という感じです。

しかし、月7万円の返済で、ボーナス併用なしとすると、仮に借入期間35年、1.6%の固定金利だった場合、借入できる金額は約2,250万円。この借入金額では、自己資金が潤沢な人を除いては、新築注文住宅には、なかなか手が届きません。

加えて、長引く景気低迷、年金・消費税ほか税金・社会保険料負担の増加を背景に、将来への不安を持つ人が急増しています。実際、住宅相談をお受けしても、実に多くの方が、「自分たちには、とうてい注文住宅なんて無理。」として、予算を低く、低く見積もって、半ばあきらめの心境で中古住宅を検討しています。

果たして、そのような予算の決め方で、一生に一度の、夢のマイホーム計画をすすめて良いものでしょうか…。私は、決してそうではないと思います。そこでぜひお伝えしたいのが、『本当の予算のつくり方』です。

■『本当の予算』とは?

『本当の予算』とは、今の支払い家賃を基準に決める予算ではなく、まず自分たち家族の人生計画(ライフプラン)をしっかり考え、その検証結果を基に、住宅以外の人生における総支出(教育資金、老後資金等)とのバランスをふまえたうえで、決める予算です。

そもそも、予算を幾らにするかどうかの前に、「なぜ、マイホームを買うのか」「何のためにマイホームを買うのか」という点を、家族で話し合わねばなりません。

というのも、マイホームを買う【目的】と、マイホームに対する【優先順位】は、人それぞれだからです。

例えば、マイホームへの価値観、【優先順位】が高い人が、中途半端な予算設定で家づくりを進めると、ほぼ間違いなく悔いが残ります。世界で一つだけのこだわり住宅が欲しいと思っている人が、予算の都合でやむなく中古住宅にすると、きっと悔いが残るでしょう。しかもその予算が、「家賃並み」など表面的な決め方だったとすれば、悔やんでも悔やみきれないのではないでしょうか。

 

まず、マイホームを買う【目的】と、マイホームに対する【優先順位】を家族で話し合い、もし、その【優先順位】が高いのであれば、予算も本気で考える必要があります。

■ライフプランで本当の予算を知る

住宅予算を本気で考えるうえで、『ライフプラン』は極めて重要なプロセスです。

『ライフプラン』とは、住宅購入を含む、今後の人生における総支出額を予測するとともに、同じく今後の人生における総収入額を予測し、シミュレーションを実施。その結果を検証し、必要な対策を講じるというものです。

『ライフプラン』を実施することで、仮に計画通りに住宅購入を進めた場合に、向こう40年間の収入・支出のバランスがどうなるのかを事前に把握することができます。検証結果をふまえ、人生の3大支出といわれる住宅・教育・老後資金のバランス配分を決めることができるのです。

と同時に、住宅ローンの金利プランを、変動金利にすべきか、長期固定金利にすべきかの判断材料にもなるほか、無駄な保険をカットするための判断基準にもなります。

 

実際に、これまでの相談においても、当初は「自分たちには注文住宅なんて無理。」と考えていた人が、ライフプランを実施した結果、想像以上に返済余力があることがわかり、根本的に予算を練り直し、注文住宅の家づくりを実現されたケースが、多々あります。

まず、マイホームへの想い、優先順位を家族で話し合う。そのうえで『ライフプラン』を実施し、自分たちの身の丈にあった予算を知ること。

それが、『本当の予算のつくり方』です。

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