トラブル発生!どうする?【2012年 第11回】

【2012年 第11回 トラブル発生!どうする?】若者&奥様のための「商品投資入門」

三次 理加(ミツギ リカ)プロフィール

 

「決済したいのに業者が受け付けてくれない」「こんな説明受けた覚えがない。。。」などなど、投資にはトラブルがつきもの。そんな時、どうしたらよいのでしょうか?

今回は、万が一、商品投資でトラブルになった場合の相談窓口について紹介しましょう。どの業者とトラブルになったとしても、まずは、その業者の顧客相談窓口に連絡してみることをおすすめします。そのうえで、業者との話に納得がいかなかったり、対応が満足できなかったりした場合には、以下のような相談窓口や解決のための手続(図表参照)があります。これを覚えておくと心強いですよ。

トラブルの相手が商品先物取引業者の場合

国内・海外取引所における商品先物取引、店頭商品デリバティブ取引(商品CFD取引など)等を取り扱う商品先物取引業者とトラブルになった場合には、日本商品先物取引協会に連絡してみましょう。同協会では、苦情受付・あっせん及び調停の仲介などをしています。ちなみに、同協会は、商品先物取引法に基づき、経済産業大臣並びに農林水産大臣の認可を受けた法人です。

また、経済産業省・農林水産業など各主務省にも相談窓口が設けられています。業者の対応が悪質に思えた場合などは、主務省に連絡すると対応が早いことも。。。!?

トラブルの相手が証券会社など金融商品取引業者の場合

商品に投資する投資信託、商品ETFやETN等、証券会社が取り扱う商品についてトラブルが発生した場合には、金融ADR制度を利用するとよいでしょう。

ADR(=Alternative Dispute Resolution)とは、通常、「裁判外紛争解決手続」と訳されます。訴訟手続きによらずに民事上の紛争を解決しようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続のことをいいます。一般に、ADRは、訴訟と比べ手続が簡易で、短期間、低コストで、事案の性質や当事者の事情等に応じた柔軟な紛争可決を行うことが可能であるといわれます。また、手続を非公開にすることもできます。ただし、裁判と異なり和解案に対する強制力はありません。

金融ADR制度とは、金融機関の各業法に基づく「金融分野における裁判外紛争解決制度」のことです。金融ADR制度では、主務大臣から指定紛争解決機関として指定を受けた指定紛争解決機関が、金融機関の業務に関する苦情・紛争解決にあたります。この指定紛争解決機関が存在する業態では、金融機関はこの機関利用が義務付けられています。

また、一般的なADRは、当事者間の平等な取り扱いが意識されますが、金融ADRでは、金融機関と利用者の情報格差が大きいことを考慮して、たとえば金融機関に対し特別調停案の受諾義務を課すなど、金融機関に対し、苦情処理・紛争解決のための一定の対応を求めていることに特徴があります。加えて、制度運営費用は主として金融機関からの負担金徴収で賄うため、利用者の負担する額は非常に低い金額になっています。(図表参照)

 以上が商品投資に関するトラブルの相談先、解決続きです。トラブルは、双方にとって気持ちのよいものではありません。一番大切なのは、取引を開始する前に、商品説明の資料を熟読し、商品の内容や仕組み、リスクをきちんと確認しておくことです。さらに、トラブルとなった際、「言った!」「聞いていない!」などの言い合いにならないよう、たとえば、業者の説明を録音しておく、受けた説明の資料やメモをきちんと保管しておくなどすることも大切です。

次回は、商品投資に係る税金について紹介します。お楽しみに。

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