バイト代から税金が引かれていたら – 大学生のためのパーソナル・ファイナンス 【2012年 第8回】

【2012年 第8回】バイト代から税金が引かれていたら – 大学生のためのパーソナル・ファイナンス

横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール

“国”というものは、税金で運営されている。税金を払うのは日本人の義務だけど、少ないバイト代から税金を引かなくてもいいのでは?

税金が還ってくる?

2ヵ月以上もある夏休み。皆さんはどのように過ごしますか。
夏休みには、バイトをする人も多いかと思います。
普段は学校があるから、そう多くは働けないけど“夏は稼ぎどき”。
毎日のようにバイトに出かける人も多いかと思います。

いつもの給料は、そう多くはないから税金を引かれることは、少ないものです。
しかし、集中して働くと所得税が10%、源泉徴収されることに。
源泉徴収とは、給料から所得税をあらかじめ差し引いて、税引後の給料が支払われるというしくみです。

「せっかく稼いだのに1万円も税金を引かれちゃったよ」と考えているあなた。
ちょっと待ってください。もしかしたら税金が還ってくるかもしれませんよ。

所得税は所得の多い人がたくさん負担をして、少ない人はそれなりに。
もっと少ない人には、所得税がかからないというしくみになっています。

通常、1月1日から12月31日までの1年間の所得が、103万円未満であれば所得税はかかりません。
皆さんのように大学生なら、プラス“27万円”おまけがあります。
つまり、130万円以下であれば所得税は、まったくかからないように配慮されているのです。

還付の要件

とはいえ、大学生なら誰でもOKとは限りません。
一般に、「給与所得などの勤労による所得があること」「所得が65万以下であること」などの要件の満たす必要があります。
たとえば、給与所得は収入が130万円以下であれば、給与所得控除65万円を差し引いて、所得金額は65万円以下と考えます。

なお、給与所得とは、人から給料としてもらうお金をいいます。
株の売買で稼いだり、ネットで稼いだ場合は、給与所得には、該当しませんから注意が必要です。

では、1年間に130万円も稼いでいないのに、税金が引かれている場合はどこに行って還してもらえばよいのでしょう。
それは、お住まいの近くの税務署に「税金を還してください」と、請求しに行く必要があるのです。

今年平成24年の給料であれば、平成25年の1月になったら税務署にて、申告を行うことで、払いすぎた税金を返してくれます。
この申告を還付申告といいます。

まずは、バイト先から“源泉徴収票”を受け取ってください。
これを持って、自宅を管轄する税務署で手続きを行います。

知らないと、つい税金が引かれたままにしてしまいがちですが、税金について詳しく知っていると、こんなお得なメリットがあるのです。

なお、還付申告は、5年間さかのぼって行うことができます。
去年やおととし分であっても、税金を還してくれるという優しい制度。
ぜひ、活用してください。

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