【金銭教育その3】「おうちdeこづかいゲーム」を使ったこの夏の体験報告【2008年 第9回】

【2008年 第9回 【金銭教育その3】「おうちdeこづかいゲーム」を使ったこの夏の体験報告】地域コラム 近畿

高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒ プロフィール

 

 

 

 

 

 

私の「金銭教育」の具体的な活動として、「親子こづかいゲーム会」の場をどんどん提供していけるといいなぁと思っています。
「こづかいゲーム」の制作者である福岡の陣内恭子さんとは、数年前からのおつきあいをさせて頂いています。
この夏、私は陣内さんが制作されたうちのひとつである「おうちdeこづかいゲーム」という、遊びながら楽しめるゲームに3つの違う立場でかかわりました。

まずは、自宅で子どもとやってみました。
このゲームは、「定額制のこづかいは“力”がある。こづかいは良い教材」ということを遊びながら親子で学べるように作られています。
サイコロやカードを使って子どもと遊ぶことって、今どきなかなかありません。
小6の娘にはちょっとカンタンすぎる~って言うかなぁと初めは思ったのですが、どうしてどうして…。
引いたカードの内容によって、親子でジャンケンする場面もあってけっこう盛り上がり、気がつくとあっという間に時間が過ぎてしまっていたのでした。
ゲームをしながら、「こづかい帳」の書き方も学べるようになっていて、日頃、「こづかい帳」をつけている娘は面倒がるかなということも心配でしたが、逆に慣れているので手際よく記入していってくれました。
4色のカードは、「欲しいもの」「必要なもの」「ハッピー」「アクシデント」となっていて、それぞれ、子ども達の生活に実際に起こりがちなことを想定した内容になっているのです。
ここに制作者の伝えたい“思い”がきちんと表現されているというわけです。
夏休みのひととき、娘と楽しむ時間が持てました。

私がこういう活動をやっていることに興味を持って「ぜひ、親子でやってみたい!」と言ってくださった友達が、さらに子どもさんの同級生を誘ってゲーム会を開くことになり、司会をさせて頂きました。
自分の子どもと1対1でやるのとはちがう楽しさがたくさんありました。
途中、ジャンケンで負けてばっかりだったり、お金を貯めたいと思っているのに強制的に衝動買いしなくちゃいけないカードが出たり、思わぬアクシデントで手元のお金が減ってしまったり…と思うようにいかなくて段々悲しい表情になってしまう子も…。
それでも、半分泣きそうになる涙をこらえながら最後までがんばってこづかい帳を書き続けてくれました。
お母さんが「いつもだったら、『や~めた!』って投げ出してしまったところでした」という感想をくださったのもうれしかったことのひとつです。
別のお母さんは、「いつもスーパーに行ったら、『アレ買って、コレ買って』って言うのに、自分のお金だと使わないで貯めてばっかり。子どもの性格が少し見えました」と。
そうなんです。ゲームを通して、いつもは見過ごしてしまっているお子さんの性格をあらためて考えるきっかけになったり、こどもさんの「お金」に対する感覚とか指向が見えたり…ということが重要なポイントなのです。
私も司会をさせていただくことで、いろんな“気づき”を頂きました。

そして、陣内さんが講師として招かれたコープ自然派ピュア大阪主催のゲーム会にも見学&お手伝いとして参加させて頂きました。
当日の参加親子は約30組。5人ごとの6テーブルに分かれてのゲーム会でした。
各テーブルの“バンカー役”としてリーダーをされた生協のLPAさんたちによると、なかなか参加者が集まりにくいこともあるそうですが、今回はうれしい悲鳴さながらに、泣く泣く抽選になったのだとか。
30人の子ども達は、学年も1年生から6年生までさまざまで、兄弟参加のテーブルもあれば、小さいお子さんを抱えて参加のお母さんも。
テーブルごとにゲームの進行は違ってきますが、それぞれの盛り上がりや学びがあったように感じます。
ゲーム後の陣内さんのミニ講座では、お母さん方は真剣な表情でウンウンとうなずきながら、子どもさんのゲームの様子を後ろから観察して感じたことをふり返っておられたようです。

こういった会に参加をして下さる方は、「子どもとお金」の問題にとても関心が高い方だといえるでしょう。
日頃から「子どもとお金」という“アンテナ”がピコピコと頭の上で回っているから、イベントがあることに気づけるのだと思います。
私としては、逆にみなさんの“アンテナ”を少しでもたくさん見つけて、機会を提供していきたい、そう思っています。

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