65歳での退職 1ヵ月前がお得?【2009年 第 4 回】

【 2009年 第 4 回 】65歳での退職 1ヵ月前がお得? 社会保険

菅野 美和子(スガノ ミワコ)⇒プロフィール

失業給付

雇用保険に20年以上加入した人が65歳になるまでに、定年や自己都合で退職した場合の失業給付(基本手当)は150日分です。約5ヵ月の間、次の仕事がみつかるまで、雇用保険から生活保障があるということです。

65歳以降に退職すれば、基本手当の支給はありません。そのかわりに、高年齢求職者給付金という一時金があります。この一時金は、最高で50日分です。

つまり、Aさんが65歳の誕生日の前々日までに退職ずれば、150日分の基本手当、65歳の誕生日の前日以降に退職すれば50日分の一時金となるのです。その差100日分です。Aさんの先輩はこのしくみをアドバイスしたのでした。

雇用保険からの失業給付をもらえば、年金がもらえなくなる?

そのとき、Aさんは、ふと別の話を思い出しました。「雇用保険からの失業給付をもらえば、年金がもらえなくなるのでは?」

65歳までは、老齢厚生年金と雇用保険からの基本手当は両方もらえません。
(併給調整といいます)しかし、実際に基本手当の支給対象となる期間が65歳以降であれば、年金が調整されることはありません。

65歳になる直前で退職した場合を考えてみましょう。退職は65歳前であっても、離職票が届くのを待ち、それからハローワークへ行くのです。実際に基本手当を受けはじめるのは、65歳以降になりますね。支給対象期間が65歳以降であれば、年金がストップされることはありません。

Aさんが65歳の誕生日の前々日までに退職すれば、基本手当に該当し、なおかつ、年金と調整されることなく、両方受け取れるということです。

ただし、定年前に退職すると、退職理由は自己都合となります。
Aさんの定年は65歳の誕生日の前日となっていますので、それ以外の日に退職すると、定年退職扱いにはならず、原則として3ヵ月の給付制限がつきます。

ただし、3ヵ月の給付制限があるといっても、支給を受ける時期が後へずれるだけのことで、給付額が減るということではありません。

雇用保険は働く意思と能力があり、仕事を探す人への給付

注意しておきたいのは、雇用保険は、あくまでも、働く意思と能力があり、仕事を探しているけれど、まだみつからない人への給付です。働くつもりがなければ、もらえませんので、当然受け取れるものと勘違いしないようにしてくださいね。

Aさんの会社では、65歳以降も希望すれば働き続けることができるようになっています。まだまだ元気で、働く意欲があるAさん。
雇用保険のために辞めることを考えるのではなく、これからの人生をどう生きるかで、選択したほうがいいでしょう。働けば、収入も入ってきます。

さまざまな視点から考えて、これからのプランを選択していきたいものだと思います。

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