健康保険と公的年金制度【2012年 第10回】

【2012年 第10回 健康保険と公的年金制度】高校生のためのパーソナルファイナンス入門

長谷 剛史(ハセ タケシ)⇒プロフィール

前回は「税金は社会参加のための会費」というタイトルで、税金を支払う意味や使われ方についてお伝えしました。今回は、「健康保険と公的年金制度」について一緒に勉強しましょう。

 

 

 

 

 

 

健康保険

皆さんがケガをしたり病気になったりして病院で治療を受けたとき、皆さんが支払うのは治療費の全額ではなく一部になっています。具体的には、3歳以上70歳未満の人は治療費の3割しか負担しなくていいんですね。

なぜ3割の負担で済んでいるのかというと「健康保険制度」があるからで、健康保険に加入している多くの方が助け合っているからなんです。昔は、この制度が充実していなかったので、お金がなくて治療を受けられない人が大勢いました。

この制度の中に高額療養費制度があり、いくら治療費がかかっても自己負担の上限額は決められています(適用されない治療もあります)。誰でも多額の治療費を心配することなく治療を受けることができますので、本当にありがたみを感じる制度ですね。

また、高額療養費以外にも、出産したときに給付される出産育児一時金・療養のために仕事ができず、その間給料の受け取りがないときに給付される傷病手当金・本人や家族が死亡したときに給付される埋葬料など給付内容は充実しています。

公的年金制度

次に「公的年金制度」を見ていきますが、「健康保険制度」と同じように助け合いと言える制度になっています。制度は大変複雑ですが、現役世代が高齢世代を支える世代間扶養という考えが基本になっています。

20歳以上60歳未満までは全員が国民年金に加入する義務があり、会社員は厚生年金・公務員は共済年金に加入し、国民年金にも加入していることになります。年金制度はよく2階建て制度と言われ、1階部分は全員が加入する国民年金・2階部分は会社員なら厚生年金・公務員なら共済年金になります。

皆さんも高校を卒業して就職すれば勤め先に応じて、大学へ進学した場合も20歳になれば国民年金への加入が義務付けられています。尚、厚生年金保険料の半分は会社が負担してくれますし、将来の保障も国民年金に比べて手厚くなっています。

公的年金制度に加入しておくと、将来お金を受け取れるケースが3つあります。

 

まず1つ目は、65歳から受け取ることができる老齢年金です。20歳から60歳まで国民年金保険料を納めた場合、65歳から月額65,541円(H24年度)の年金を亡くなるまで受け取ることができます。サラリーマンや公務員は、2階部分からの年金も受け取ることができます。

次に、皆さんが事故にあったりして障害が残ったような場合、障害年金を受け取ることができます。勿論、加入義務がないまま障害状態になっても受け取ることはできません。バイク等に乗る機会が多い若い世代が注目して欲しい年金ですね。

最後に、もし、皆さんを残して父親が亡くなった場合、残された遺族が遺族年金を受け取ることができます。基本的に皆さんが高校を卒業するまで遺族基礎年金が支給され、父親がサラリーマンだった場合は、上乗せで遺族厚生年金も受け取ることができます。

最近、年金保険料を納めない未納が若い世代に増加し、社会問題としてマスコミでも取り上げられることが多くなっています。老齢年金に目がいきがちですが、障害年金や遺族年金の機能にも注目して情報に流されないようにしてくださいね。

次回は「万が一に備える保険」を見ていきますので、楽しみにお待ちください。

○今月のお金に関することわざ

「一銭を笑うものは一銭に泣く」 ⇒小さな金額だからといって大事にしないとその小さな金額で困ることになる。

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