「相続税を払えることに感謝」【2006年 第2回】

【2006年 第2回】「相続税を払えることに感謝」  相続

上津原 章(ウエツハラ アキラ)⇒ プロフィール

相続税の申告が終わったら、次に待っているのは、不動産登記などの残された方へ財産を移す手続きと、相続税の支払いです。
相続税の支払いには、現金、分割払い(延納)、そして相続財産で支払う(物納)といった方法があります。
延納には利子がかかり、物納は手続きに時間がかかるということもあり、多くの方が、現金で支払われます。

相続税の納税額

では、相続税はいくら支払われているのでしょうか。
平成16年度の国税庁の統計を見ますと、下記のとおりです。

 

 

 

 

 

 

四国地方の方が、1回の相続によって引き継ぐ財産が多いということになりますね。

相続財産があるというと、はたから見るとうらやましく思える話です。
ところが、必ずしもうらやましい話ばかりではないようです。
すぐに現金にできる財産であればよいのですが、家族の中の立場や役割によって、価値はあっても手放すことのできない財産を相続することがあります。
「上場企業の株を相続したが、投資経験がないのでどうしたらよいかわからない。」
「実家しか相続財産がなく、兄弟で財産をどのように分けようかと悩んでいる。」
「会社のオーナーだった父が、後継者を決めないままに亡くなってしまった。」
といった話、皆さんも聞かれたことはないですか。

相続財産には負債もある

相続財産には、借入金などの負債もあります。
また、目に見えない負債もあります。
実家を相続すると、ご近所づきあいや、夏季休暇や正月休みにやってくる親族へのもてなしが待っています。
親が経営していた会社の株を相続すると、金融機関や取引先や従業員との人間関係に頭を悩ませることになります。

実は、目に見えない負債は、人間を成長させる財産でもあります。
与えられた役割や使命に気づくことによって、他の親族の方からも慕われ、社会的信用もついてきて、そして経済的に豊かになるのではないでしょうか。

どんな財産を受け継いでも、どんなに税金を払っても、
「ありがとう。」
といえるようになりたいですね。

【06年8月1日】

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