地方における教育費【2011年 第3回】

【2011年 第3回】 地方における教育費 ~家計コラム 教育費(地方)~

キムラ ミキ  ⇒ プロフィール

地方から高校卒業後に進学を考える場合には、都市部および一般論よりも費用が大きくかかることが想定される…とお話しました。
今回は、大きくかかると想定される費用の内訳について、2回に分けて考えてみたいと思います。

前回のコラムで、地方から高校卒業後に進学を考える場合には、都市部および一般論よりも費用が大きくかかることが想定される…とお話しました。今回は、大きくかかると想定される費用の内訳について、2回に分けて考えてみたいと思います。

一番お金がかかると思われる、大学進学を例にとって考えてみましょう

学習塾等費用

大学進学の場合、学習塾へ通学される方も多いでしょう。都市部にある大手予備校と地元の予備校の授業料を比較してみましたが、大きな差はありませんでし た。週2回通うとして、年間10万円強の受講料を提示しているところが多いようです。また、夏期講習等の季節講習を受講することを合わせて考えると年間約 20万円~30万円が学習塾費用として考えられる金額でしょう。

受験費用

鳥取県の場合、お隣の島根県と併せても近隣の大学は7大学。前回お話したように、日本全国にある短期大学および大学の学校数は約1,200校で、そのう ち、首都圏および京阪神に約530校。つまり首都圏および京阪神に短期大学および大学の半数近くが存在しますので、志望によっては遠方に受験に行く可能性 も高いということです。

センター試験を受験し、国立大学を2校(前期・後期日程)、東京の私立大学を3校受けたとして考えると、受験料だけでもざっと16万円。これは、都市部から受験しても、地方部から受験しても変わりありません。

例えば、鳥取県から東京に私立大学を3校受験するために行くことを考えてみましょう。鳥取と米子の往復交通費(飛行機)として約5万円。3大学の受験日程 が連日で受験日初日の前日東京に到着したと仮定すれば、4日分の滞在費として、約5万円(宿泊代1万円/日と食事代等2500円/日と想定)。受験校の試 験日程が、飛び石日程になっている場合は、滞在費等がさらに増えることになりますね。

また、宿泊代にそんなにかけなくても…という方もいらっしゃると思いますが、受験前は神経が過敏になっていますので、できる限り環境の良い宿泊先を選択された方が無難かと思います。
以上より、受験費用として、約30~40万円が必要になると考えられます。

引越し費用と居住費用(初期費用)

地方から都市部の大学に進学する場合、親戚等の家に下宿するといった選択肢がなければ、一人暮らしまたは寮などで生活をすることになります。
学校によって、寮は必ずしも有るといえませんし、有っても必ずしも入寮できるとは限りませんので、ここでは鳥取から上京し、一人暮らしをするケースを考えてみたいと思います。

引っ越し費用は、家具等を上京先で揃えることを前提として、単身引越しプランを利用すれば5万円を考えておけば十分足ります。
一方、居住費用(初期費用)は住む場所や物件にもよりますが、おおよそ家賃5カ月分(敷金・礼金各2カ月分、前家賃1カ月)の金額が初期費用として必要に なることを考えておくと余裕が有るでしょう。仮に家賃7万円の物件を借りるとすれば、35万円を初期費用として考えておくということになります。

従って、引越し費用と居住費用(初期費用)には、約40~50万円が必要になると考えられます。

まだ、学校も始まっていない段階で地方部からの進学には都市部と比較して50万円近くの差が生じています。
次回は、学校が始まった後の生活費用について考えていきたいと思います。

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