初めての確定申告!転勤族妻の知っ得節税術【2015年 第4回】

【2015年 第4回】初めての確定申告!転勤族妻の知っ得節税術
がんばる転勤族の妻たちが「お金」でもっと得するお話

松原 季恵 

転勤族の妻は夫の転勤により仕事を辞めることがあります。一度退職してから年末まで会社に勤めない場合、自分で確定申告をしなければなりません。しかし、その多くは確定申告初心者。慣れない言葉や手続きに戸惑うことが多いようです。今年最後のコラムでは、年末までに知っておくべき確定申告のしくみと今後に役立つおススメ節税術をお伝えします。

 

会社を辞めた際に、経理担当から

「所得税が毎月源泉徴収されています。年末調整されていない源泉徴収票をお渡しするので、今年はご自分で確定申告行ってください。還付金があると思います。」

なんて言われることがあります。

転勤族妻の転子さんも、頭を悩ませています。

 

 

 

 

 

本当に「わけがわかないから、知らんぷり!」で良いのでしょうか?

実はこの面倒な『確定申告』、上手に行うことでお金が戻ってくる可能性があります。

 

ではまずこの『確定申告』とは何なのか、税金のしくみを簡単に見ていきます。

税金を払うのは1年間に1度だけ

私たち個人は収入に対して一定の税金(所得税)を払わなければなりません。その計算は1月から12月の1年間の収入に対して行うので、本来は1年に1度、正確な所得税を払います。

 

しかしサラリーマンはあらかじめ月々の給与から概算の所得税が引かれています。これを源泉徴収と言います。その為、会社は年末に正確な税金を計算し、過不足分を返したり徴収したりします。この過不足の計算が年末調整であり、返ってきたお金を還付金と言います。

 

夫の転勤で仕事をやめ、無職の転勤族の妻の場合、年末調整を元の会社にお願いすることができません。その為、自分で正確な税金の計算をして過不足を申告します。それが確定申告です。

 

 

 

 

 

 

 

 

このように所得税は、年末調整や確定申告を行って、1年に1度正確な税金を確定させます。この計算のなかで、前もって払っていた税金が多かった場合に還付金としてお金が返ってきます。

所得税は減らせる!…だけど誰も教えてくれない

所得税の計算上、収入を減らせるしくみがあります。その一つが、年末に皆さんが慌てて探す『生命保険料控除』証明です。生命保険契約がある方は、これら証明書を出すことで所得税の計算上、収入を減らし、その結果、払うべき所得税も減らせます。これを「所得控除」といい、14種類あります。

このしくみを使うには、年末調整や確定申告で正確な手続きをする必要があります。中には会社が行ってくれない控除もありますので、その場合はサラリーマンであっても自分で確定申告をしなければ、お金は返ってきません。

また時にして、経理担当も税金のしくみに詳しくない場合があります。転勤族であれば、夫の転勤先に税務について聞き慣れた担当がおらず、その妻も新しい土地に知り合いが居なく、うっかり申告し忘れて損をすることがあるかもしれません。さらに税務署も教えてくれません。その為、年末までに確定申告のしくみを知っておくことは転勤妻にとって必ず役に立つことでしょう。

知っ得おススメ節税術

所得税を減らせる方法の中で、特に転勤族の妻の方々におススメを二つご紹介します。

一つは『寄付金控除』です。国や地方公共団体等一定の先に寄付金を支払った場合に、2,000円を超えた部分に対して適用することができます。専業主婦で収入がない場合でも、ご主人の収入から控除することが可能です。寄付金の代表例が『ふるさと納税』でしょう。実質負担が約2,000円で高価な特産品がもらえるということでメディアでも話題になっています。しかし残念ながら、寄付という本来の目的を忘れ、特産品合戦になってしまっている一面もあります。私としては、転勤族妻の皆さんが「離れた故郷に感謝しながら節税ができるしくみ」としてお勧めしたいです。

 

もう一つは『確定拠出年金』です。『確定拠出年金』は公的年金の上乗せとしてある年金制度の一つで、運用先は自身で選び、運用の成果も自己責任であることが特徴です。月々に支払う掛け金の全額が控除対象となるので、税金を減らす効果として大きいです。加えて、運用益も非課税、受け取り時も一定の控除を受けることができ、運用手段の中で最も税制優遇を受けられるものの一つだと言えます。

働く転勤族の妻の税制優遇はもちろんですが、所得のない専業主婦も2017年1月以降は参加できるようになりますので、運用時・受け取り時の税金メリットを生かした資産運用の一つとしてもぜひ活用いただきたいです。

 

『ふるさと納税』や『確定拠出年金』については、当サイトのコラムでも数多く書かれています。また来年の私のコラムでも詳しくご紹介しますので、ぜひご参照ください。

“お年玉”は大人も計画的に

このように、年末調整や確定申告で税金を減らせるしくみがあります。還付金は年明けにもらえるので、まるで“大人のお年玉”のようですね。

 

転勤族の妻はご主人の転勤で同様なことが起こる可能性があるので、これら税金のしくみを知り、申告の準備をしておくことが大事です。その為に必要なことは、控除対象になる金額の支払った証明を残しておくことです。

生命保険料はもちろん、タクシー代や市販薬の購入代金など日常生活にあるお金も控除の対象にできることがあります。退職時に受け取った源泉徴収票と合わせて、普段から領収書はバラバラにせず、一か所にまとめると良いです。100円均一で買ったジッパー付の袋に「確定申告に使うもの」等書いて入れておく程度なら簡単。引越しで無くなることもないでしょう。

そして、返ってきたお金“お年玉”は大人も計画的に使いましょう。例えば、年の途中で退職した場合は、翌年に働かず収入が無くても住民税を支払わなくてはなりません。“お年玉”はその支払いに残しておくなどいかがでしょうか。お子さんに“お年玉”の使い方を背中で見せるチャンスかもしれませんね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

どうぞ、良いお年をお迎えください。

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