Let’s Enjoy “旅”  『賢く楽しく“旅”しましょう。』【2011年 第5回】

【2011年 第5回 Let’s Enjoy “旅”  『賢く楽しく“旅”しましょう。』】楽々旅々

合田 菜実子⇒ プロフィール

 

暖かくなりお出かけには良い季節になりましたね。私は関西に転居して1カ月強、ずいぶんこちら暮らしに馴染んできたところです。生まれも育ちも京都府の私ですが、12年ぶりの関西で京都・大阪など近郊を散策し懐かしみながら楽しんでいます。街中がどんどん発展しているせいもあるのでしょうが、訪れるところ全てが新鮮に感じられるのは不思議な感じがします。今日はそんな中で体験したことをお話したいと思います。

 

 

 

 

久しぶりに京都の街に何度か足を運びました。方向オンチの私ですが東西南北に通りが碁盤の目にまっすぐ伸びている京都の街はなんと分かりやすいのだろう、と改めて感じます。不思議と「京の通り名の歌」が思い出されます。

「京の通り名の歌」とは次のような歌詞になっています。

京都の街の東西に伸びる通りを北から南に向かって順番に呼んだ唄で、丸太町通→竹屋町通→・・・九条通→十条通と続きます。道に迷ってもちょっとこの歌を口ずさんでみれば、自分がどの位置に居るのかがすぐにわかります。あまり知られてはいませんが、南北の通りを東から西に向かって唄う“寺御幸(てらごこ)”という唄もあります。

先日、機会があって「都おどり」を見に行ってきました。河原町四条から少し東に行った、祇園花見小路西側の歌舞練場で毎年4月に行われるもので、“京に春を告げる都おどり”とも言われている伝統的な行事です。生の三味線やお囃子などの和楽器の演奏に合わせて芸舞妓さん達が舞う姿を見ることが出来ます。美しい着物姿で、おしろいを塗って素顔を隠し、控えめな表情で踊る姿はなんとも清楚な優雅さがあり、テレビで見る若者たちの巧みなダンスステップとは相反して地味ではあるけれども、この微妙な動きによる表現方法には芸の厳しさを感じさせられました。

「都踊り」の他にも、5月は先斗町で「鴨川踊り 」、11月は「祇園踊り」なども開催されています。“だんだん”という朝ドラを見られた方もいらっしゃるかと思いますが、舞妓になるための修行は厳しく、デビューするまでには花町の置屋(おきや)で暮らしながら約1年程度の修行が必要になります。中学を卒業し親の同意があれば舞妓修行の資格がありますので、舞妓さんを目指して京都に来る娘さんも多くいらっしゃるようです。ちなみに舞妓とは芸妓になる前の15歳~20歳くらいまでの少女のことを言い、舞妓として約5年間修業をした後に芸妓になることが出来ます。

高校時代を京都市内で過ごした私ですが、祇園は大人の街というイメージが強く、ほとんど足を踏み入れたことがありませんでした。石畳の道沿いに町屋作りの高級そうなお茶屋さんが立ち並ぶ花見小路は“これぞ京都”を感じさせる不思議な空間です。京都にお越しの際は是非お運びくださいね。

もう1つの体験は、京都の街とはガラッと変わって登山の話です。山と言っても270メートル程の“天王山” という山。名神高速を車で走っていてよく“天王山トンネルから○○キロの渋滞”という案内を見かけた方も多いと思いますが、京都と大阪の境目にある歴史的にも知られた山です。

最も有名なのは「本能寺の変」で織田信長を討った明智光秀と信長の敵を討つために羽柴秀吉(後豊臣秀吉)が戦った“山崎の合戦”の舞台となった話で、「天下分け目の天王山」という言葉の由来となっています。ハイキングコースは「秀吉の道」とも名づけられ、途中に秀吉が天下を取るまでのストーリーを描いた6枚の陶板画が設置されており歴史を体感することも出来ます。

幕末においては、蛤御門の変(禁門の変)で長州藩の同志と共に敗れた烈士達が京都から逃げて山に登り自刃した場所としても知られており、ハイキングコースの途中に「17烈士のお墓(維新の史跡)」も祭られています。その数年後の「鳥羽伏見の戦い」の舞台にもなりました。

頂上からは、京都タワーを始めとする京都の街や、淀川と桂川が合流する風景と大阪の街、奈良の生駒山まで見渡す事が出来ます。

天王山のふもとには日本で初めてウィスキーが作られたというサントリー蒸溜所があり、ウィスキーの製造過程や貯蔵庫を見学するガイドツアーに参加したり、「シングルモルトウィスキー山崎」をはじめとする様々な種類のウィスキーを試飲したりも出来ます。お酒好きの方にとっては“幸せなスポット”のようですよ。

福岡から大阪に転居するときに福岡のママ友達からこんなことを言われたのをふと思い出しました。

「京都や大阪はたくさんの文化や歴史があるのでいいですね。歴史の教科書に出てくるスポットに実際行くことが出来るのは、子供の勉強にもなるし良い経験が出来ますよ!」と。

 

久しぶりに戻った関西で、歴史オンチの私も子供と一緒に改めて、日本の文化や歴史を学んでみようと思います。

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