東京オリンピックと物価上昇と消費税ア ップ、これからどうすべき?【2013年 第4回】

【2013年 第4回 東京オリンピックと物価上昇と消費税アップ、これからどうすべき?】
最新ニュース解説。FPとして言わせていただくと…

菱田 雅生 ⇒ プロフィール

2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決まりました。マー
ケットはいまのところこの発表を好感したようにみえますが、まだ7年先のこと
でもありますし、本当にプラスの経済効果が得られるのかどうか、疑問の声も
あがっているようです。そんななか、消費者物価指数は3ヵ月連続で前年同月比
プラスの状態になり、2014年4月の消費税アップも予定どおり実施されそうな雰
囲気。資産運用だけでなく、暮らし方全般について、これからどのように考え
ていくべきなのか、筆者なりの考えをまとめてみますので参考にしていただけ
れば幸いです。

 

●プラスもマイナスも想定しておくのが無難

2020年のオリンピック・パラリンピックについては、東京都が経
済波及効果を約3兆円と見積もっていましたが、大会には直接関係しない道路や鉄道等のインフラ設備費は除いて試算したようなので、実際にはもっと費用がかかり、期待したほどの経済効果は得られないのかもしれません。
なかには、前回(1964年)の東京オリンピックの翌年1965年(昭和40年)にいわゆる「40年不況」が起き、戦後初めて国債が発行される流れになっていったのと同じように、オリンピック後の落ち込みを心配する人もいるようです。
しかし、約半世紀ぶりの東京オリンピックを歓迎している人が多いのも事実。
7年後に向けてこれまで以上にスポーツ界が盛り上がれば、そこに大きな経済効果が生まれるでしょうし、選手やコーチ、スポーツ用品業界、スポンサー企業等が頑張るのはもちろんのこと、ホテル業界や飲食業界などが世界最高レベルの「おもてなし」の実践に向けて頑張ったり、また、直接的には関係のない人でも、オリンピックを楽しむために仕事を頑張ったりすれば、それらが少なからずプラスの経済効果をもたらすはずです。
とはいえ、経済効果がプラスになるのかマイナスになるのかは、実際のところは終わってみないとわか
りませんし、そもそも波及効果のすべてを正確に算出すること自体が困難です。さらに、オリンピック
の実施はすでに確定してしまっているので、7年後にオリンピックを実施した場合と、実施しなかった
場合とを厳密に比較することも不可能です。
したがって、資産運用などを考える場合、これからどうすればよいのかをFP的にアドバイスをするな
ら、プラスもマイナスも想定しておくことが重要でしょう。つまり、国内景気が今後飛躍的に好転する
可能性も考えつつ、国内景気が今後大きく落ち込む可能性があることも考えておくのです。
国内景気がどんどんよくなっていくなら、ポートフォリオに少しでも国内株式を入れておくべきでしょ
うし、逆に国内景気が大きく落ちこむなら、国内株式ばかりでなく、国内債券も持つべきですし、さら
には、日本経済が万一、ボロボロになって破綻へと向かっていくとするなら、国内のものだけでなく、
海外のもの(外国債券や外国株式など)を保有しておくべきだと言えるのです。

●物価上昇と消費税アップによるお金の価値の減少に備える

国内外の債券や株式などのさまざまな資産に分散して保有すべきだという考え方は、簡単に言えば、将
来の世の中がどうなっているかはわからないし、どうなっていてもおかしくないので、さまざまな可能
性に備えるためにもリスク分散をしておいたほうが無難だろうという考え方がもとになっています。

最近の経済指標でも、9月27日に発表された消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、3ヵ月連続
で前年同月比プラスとなりました(6月+0.4%、7月+0.7%、8月+0.8%)。どうやら物価が上がりは
じめているようです。預貯金金利を上回る物価上昇率が続けば、預貯金といえども実質的には目減りし
ていくことになります。さらに、これからは消費税アップも予定されています。私たち一般の生活者
も、このようなお金の価値の減少に備えるべく、国内株式で運用されている投資信託などを保有した
り、必要なものは値上がり前に購入したりするのが得策だといえます。
しかし、中長期的に物価上昇が続くためには、働く人の収入が着実に増えて、モノを買う人が増え、結
果として物価が上がっていくような、好景気を背景とする物価上昇が起きないとなかなか難しいでしょ
う。直近の物価上昇が、今後も持続するのか、一時的なものなのかは、現時点では判断が難しいとこ
ろ。だとすると、いますぐ株式の比率を極端に高めてしまうのは危険である可能性もあります。やは
り、ここでも両方の可能性を想定しておくのが無難だといえそうです。

●定期的な家計の見直しは必須

いつの世も、10年先、20年先の将来のことを正確に見通すことは不可能でしょう。先行きが不透明だか
らこそ、さまざまな事態に備えておく。「備えあれば憂いなし」です。生命保険や損害保険などの保険
で備えられることだけでなく、インフレやデフレ、好景気や不景気など、いろいろなケースを想定して
おくのです。そうすることで、結局は集中投資より分散投資のほうが無難であることがわかりますし、
タイミングに賭けるような投資は避けたほうが無難だとわかるはずです。
家計においては、定期的な収支状況のチェックを行い、ムダをなくす。ローンの見直しや保険の見直し
などは、これまでどおり定期的に行っていくべきです。持続的なインフレがやってくるなら、ローンは
繰り上げ返済をせずに手元資金は運用に回すべきだといえますが、借入金利を上回る運用利回りが確実
に得られるような状態にならない限り、依然としてローンは積極的に減らすことを優先すべきでしょ
う。
いままさに、私たちをとりまく経済環境は、方向転換しようとしているのかもしれません。大きな転換
になるのか、一時的なものか、現時点では判断が難しいですが、可能性を考えておくという意味では注
意深く見守るべき時期に来ていると思います。

 

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