相談できるFPの選び方【2016年 第3回】

【2016年 第3回 相談できるFPの選び方】最近のFP相談事情と今後

長谷 剛史 (ハセ タケシ)

第2回ではFP相談6つのステップを具体的にご紹介しました。
相談の流れがわかったので実際にFPへ相談してみたいと思っても、どのようにFPを選んだらよいのか?と悩む方も少なくないかもしれません。
そこで、今回は相談できるFPの選び方をご紹介したいと思います。

 

(1)企業系FPと独立系FP

まず、FPと名乗る方は多くいますが、大きく企業系FPと独立系FPの2つに分かれます。
企業系FPは、銀行や保険会社などの金融機関に所属している方、あるいは人事又は経理等一般企業に所属している方が、FP資格を活かして仕事をしているFPのことを指します。

独立系FPは、企業系FPと逆でその名の通り企業に属さず独立して仕事をしているFPのことを指します。
企業に所属していると企業の姿勢や考え方に従う必要がありますが、独立しているとしがらみなく活動しやすいと言えるでしょう。
日本では圧倒的に企業系FPが多くなっています。

(2)独立系FPの3分類

次に、独立系FPは3つに分類することができます。
①独立しているけれども保険代理店や証券仲介業を兼ねているFP
②税理士や社労士などがFP資格をダブルライセンスとして活用している他資格兼業FP
③FPを業として活動しているFP
になります。

各FPの売上構成で比較すると、
①はFP業務以外に保険や投資信託を販売したときに受け取る手数料収入がある
②は他資格を活かした収入がある
③はFP業務からの収入が柱
という違いがあります。

また、それぞれのFPのメリットは、
①は金融商品の手続きまでフォローしてもらえる
②は他資格の知識を活かしたアドバイスを受けることができる
③は手数料収入などがないため、しがらみがないアドバイスを受けることができる
などを挙げることができます。
この3つの中では③FPを業として活動しているFPが一番少ないのが現状です。

(3)FPを業として活動しているFPの3分類

独立系FPを3分類に分けましたが、さらにFPを業としているFPを3つに分けることができます。
①消費者向けの講演や企業での研修及び資格学校での講師等話すことをメインに活動しているFP
②マネー本の出版や各種マネーコラムの執筆等書くことをメインに活動しているFP
③様々な世代のお金の悩みに対してアドバイスを行う相談業務がメインのFP
になります。

相談できるFPを探している場合は、相談経験が豊富と思われる③の相談業務をメインにしているFPに相談するのが懸命と言えるでしょう。

(4)相談できるFPを選ぶポイント

1、人間性

FPへ相談するに際しては、年収・資産状況・家族構成など個人情報をFPに伝えることになりますので、誠実かどうか、信頼できるかどうか、素直かどうか、など人間性をチェックすることが大切です。
また、FP自身の考え方や価値観がアドバイスに影響する可能性もありますので、人物像をしっかり把握するほうが良いでしょう。

2、FP資格

FP資格には民間のCFPやAFP、国家資格のファイナンシャルプランニング技能士1~3級などがありますが、FPの上級資格であり国際資格でもあるCFP資格を所持しているかどうかを確認しましょう。
勿論、資格が全てではありませんが、幅広い知識を有していることを証明する一つの判断基準にはなるでしょう。

3、どの分類に該当するFPか

(1)~(3)でFPの分類をご紹介しましたので、どこに該当するFPなのかを把握することが重要です。
この点を確認せず相談すると、満足なアドバイスを得られない可能性が高くなりますので、そもそもどのタイプのFPにするのかを相談する前に検討するようにしましょう。

4、相談経験

長くFPを名乗って仕事をしている方が相談経験豊富とは限りませんので、相談実績を確認し、かつ、できれば得意分野とどのような世代や職業の方が顧客にいるのかを把握したいですね。
やはり、医者や弁護士と同じように相談経験が豊富なFPに相談するほうが安心できますね。

5、ネットワーク

FPだけで相談者の問題を解決し不安を解消することが難しいケースも考えられます。
このような場合は、税金であれば税理士、法律であれば弁護士など他の専門家と一緒に相談対応にあたる必要がありますので、どのようなネットワークを持っているのかもFPを選ぶ重要なポイントと言えるでしょう。

相談できるFPの選び方をご紹介しましたが参考になりましたでしょうか?
ライフプランやお金の相談ができ、相性も合ったFPを是非探してみてください。
今後の人生をより豊かなものにするため、FPは欠かせない存在と言えるのではないでしょうか?

次回は、年代別FP相談として20代の方からの相談事情とポイントを取り上げますので楽しみにお待ちくださいね。

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