学資保険以外の保険で学資対策をする方法【2012年 第12回】

【2012年 第12回】 学資保険以外の保険で学資対策をする方法
ライフプラン別コラム – 子育て世代の生命保険入門

平野 雅章(ヒラノ マサアキ)⇒プロフィール

 

 

子育て世代が学資対策を考えるときに、真っ先に思い浮かぶのが学資保険です。しかし、その加入目的が主に教育費を貯めることであれば、学資保険という名前にこだわらずに、貯蓄性のある保険で代用することも考えられます。今回はどのような保険商品で代用が可能か、代用する場合のメリット・デメリットについて考えてみます。

 

 

 

低解約返戻金型終身保険・定期保険を学資保険代わりに

学資保険の内容は主に1.学資の貯蓄、2.親の死亡保障、3.子の死亡・医療保障、の3つに整理できます。2や3の保障が充実している商品は貯蓄性が低くなるのが一般的です。1の目的を中心で考える場合は、学資金の受け取りと契約者死亡時の保険料払い込み免除だけのシンプルな商品を選ぶべきです。

契約者死亡時の保険料払い込み免除とは、契約者である親が亡くなったときにはそれ以降保険料を支払わなくても、契約通り学資金を受け取れるという内容です。この内容は、学資金額と同額の死亡保障と考えることもできます。

つまり、15年後や18年後などまとまった教育費が必要な時期までにお金を貯められる、親が亡くなってもその金額を受け取ることができる、の2点を満たせば他の保険で代用してもよいと言えます。そこでこの数年、様々な保険代理店や保険ショップで学資保険の代わりとして提案されることも多いのが、”低解約返戻金型終身保険”や”低解約返戻金型定期保険”です。

低解約返戻金型とは、保険料支払期間中の解約返戻金を通常の終身保険、あるいは定期保険の7割程度に抑えたタイプで、その分保険料が割安になっています。保険料払込期間が終了した後は、解約返戻金の払込保険料に対する割合(解約返戻率)が通常の終身・定期保険より高くなるので、15年や18年で保険料を払い終える設計にすると、その後は払い込んだ保険料より解約返戻金の方がかなり多くなります。払い込む年数を子どもが私立高校や大学に入るまでの年数にあわせ、途中解約して解約返戻金を受け取れば、教育費として使うことができます。そもそも死亡保障の保険なので、契約者を親にすれば親が亡くなったときに死亡保険金を受け取り、それを教育費に充てることもできます。

低解約返戻金型保険のメリット

それでは、低解約返戻金型終身・定期保険を利用した場合のメリットを考えてみましょう。
まずは運用性です。今ではごく一部の商品に限られますが、実質的に利回りが最も高い学資保険より、さらに利回りが高い商品もあります。

次に親の死亡保障です。学資保険でも契約者死亡時の保険料払い込み免除という保障がありますが、その保障額は実質的には学資金額で、低解約返戻金型終身・定期保険の死亡保障の金額よりかなり少ないのが普通です。低解約返戻金型終身・定期保険に加入し死亡保障額が増えた分、他の加入している生命保険の死亡保障金額を少なくし保険料を減らすことで、低解約返戻金型の死亡保障額の大きさを金銭的メリットに置き換えることもできます。

低解約返戻金型保険のデメリット

低解約返戻金型終身・定期保険を利用することのデメリットもあります。
このタイプの商品では、保険料の払込期間が終了しないと、解約返戻金が払い込んだ保険料を大きく下回ります。払込期間が終了する前に解約する場合、受け取れる解約返戻金は、加入期間によりますが払込保険料に対し60%から75%程度となります。保険料の払込期間は、最低でも10年や15年以上の設定が必要です。

一方、学資保険ですが、最も実質的利回りが高い商品では加入してから7~8年程度で解約返戻金が払込保険料を上回ってきます。また、その前に解約したとしても、低解約返戻金型終身・定期保険ほど解約返戻金は目減りしません。つまり、何かあって急にお金が必要になり、予定より早く解約する場合は、低解約返戻金型終身・定期保険の方が損をしやすいということになります。

前回(2012年 第11回)の学資保険の記事でも書きましたが、教育費対策として保険に加入するのであれば金額は抑えた方が良く、低解約返戻金型終身・定期保険を利用する場合は特に、予想外の出費があっても解約しないで済む程度の額にすることに注意が必要です。

最近の保険相談では、このタイプの保険で高額な契約をしている人からの相談が確実に増えてきています。保険料として毎月5万円や6万円を払っているため手元にあるお金が少なく、子の進学や親の病気、あるいは住宅ローンの金利上昇などにより支出が増えたら、保険を解約せざるを得なくなる人も少なくありません。保険だけで学資を貯めようとせず、定期預金など途中解約しても元本を割ることのない商品と併せて学資対策は行うべきであることを、ぜひご理解いただければと思います。

1年間、ご拝読いただきありがとうございました。2013年 第1回コラムをお楽しみに!
~ 事務局スタッフ一同より ~

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