はじめに【2012年 第1回】

【2012年 第1回】はじめに
ライフプラン別コラム – プロ格闘家のためのファイナンシャル・プランニング

平野 厚雄(ヒラノ アツオ)⇒プロフィール

 

 

 

こんにちは。ファイナンシャル・プランナー(CFP)で社会保険労務士の平野厚雄です。このたび、「プロ格闘家のためのファイナンシャル・プランニング」というテーマで、コラムを書いていくことになりました。プロ格闘家と呼ばれる人たちが、ライフプランやお金についてどのように考えているのかを取り上げていきたいと思います。

 

「プロ格闘家」のファイナンシャル・プランニング

私自身、格闘技については、2001年にブラジリアン柔術、2002年に総合格闘技を始め、2006年には、それまで勤めていた郵便局を退職し、独立系FPというフリーな立場で仕事をしながら総合格闘技を続け、小さい団体ながらも、プロのリングにも立たせていただきました。そして、総合格闘技を続けていてそこで分かったことは、いわゆる世間的に「プロ格闘家」と呼ばれている選手たちは、「プロ格闘家」と呼ばれていても、格闘技だけで生計を立てている人がほとんどいない…という現実でした。

そこで、私はFPという仕事をしながら、「このプロ格闘家達こそFPが必要では無いのか?」と考えるようなりました。選手をしていると危険な職業ということで、生命保険に加入できない、練習時間を優先したいので正社員はなく、時間の融通が利くアルバイトで働いている。アルバイトなので収入が安定しない。では、充分なファイトマネーを貰っているのか?というと、どうやらそんなことも無い。個人事業主なので、公的年金・健康保険の給付も薄い。つまり、プロ格闘家達には、お金の問題がたくさんあるのです。

そして、何よりも「現役を引退したらどうするのか?」という大問題があります。これは、プロ格闘家に限らず、プロ野球選手、プロサッカー選手など他のスポーツの選手にも当てはまるのでしょうが、引退してからの人生の方が長いという現実があるので、大切なことは現役時代から引退後のライフプランをしっかり持ち、なおかつ、それに向けて準備していくことです。私自身は、郵便局を退職するにあたり、自分のライフプランを立て、格闘技引退後の計画も立てておりました。もちろん、ライフプランを立ていればすべて大丈夫…ということではありませんが、ある程度の将来設計が必要であることは間違いありません。そこで、これから当コラムでは、プロ格闘家達が選手活動をしながら、自分のライフプランやお金のことをどう考えているのか?という質問等についてアンケート(Q&A)をお願いし、その回答結果を分析し、その解決策等について私なりの考えを書いていきたいと思います。

プロ格闘家に焦点を絞ったこの企画は、おそらくFP業界で初の試みだと思います。私自身、どうなるかわは分かりませんが、非常に楽しみにしております。そして、これをきっかけに、格闘技業界に何らかのインパクトを与えられればなと思っています。そして、何よりも、毎試合、命を懸けてリングに上がる選手たちの人生が素晴らしいものになってもらいたい・・・と心から願います。

なお、次回登場していただく記念すべき第1号プロ格闘家は、私と同じ道場の所属(ストライプル)で、現在、日本の総合格闘技界の軽量級(-56.7kg)において、屈指の実力者として知られるプロ総合格闘家・廣瀬勲選手です。

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